株式会社富士経済は、2020年も伸びは緩やかながら拡大したSiCやGaNなどの次世代パワー半導体や、2020年は縮小するも2021年以降は再び拡大するとみられるシリコンパワー半導体、また、パワー半導体の構成部材や製造装置の世界市場を調査しました。その結果を「2021年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」まとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」の全体サマリー
1.パワー半導体の世界市場
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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シリコン |
2兆7,529億円 |
96.0% |
3兆7,981億円 |
138.0% |
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次世代 |
514億円 |
109.6% |
2,490億円 |
4.8倍 |
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合 計 |
2兆8,043億円 |
96.2% |
4兆471億円 |
144.3% |
シリコンパワー半導体と次世代パワー半導体を対象とします。
シリコンパワー半導体はサーバー電源向けなど情報通信機器分野がテレワークの普及などで好調でしたが、産業や自動車・電装分野の落ち込みが大きく、2020年の市場は縮小しました。そのほかでは、民生機器分野は白物家電などを中心に低迷し、電鉄車両分野は計画していた採用案件の延期や中止などにより減少、一方エネルギー分野は中国や欧州における再生可能エネルギー関連の需要が増加しました。なお、エリア別には、日本、北米、欧州、中国を除くアジアは減少しましたが、中国は2020年後半には需要が回復・増加しました。2021年以降は自動車電装化の進展、5G通信関連への投資増加、産業分野での需要回復により、市場拡大が予想されます。
一方、次世代パワー半導体の市場は開発案件の先送りにより伸びが鈍化しましたが、拡大を続けており、2021年以降は毎年20%近い伸びが続くとみられます。
2.構成材料の世界市場
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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2,068億円 |
96.0% |
3,752億円 |
181.4% |
2020年の市場はウエハーや前工程材料が伸長しましたが、ウエイトの高い後工程材料で、ダイボンディングペーストやはんだなどの接合材、絶縁放熱基板が減少し縮小しました。2021年以降は、自動車・電装分野の需要が回復に向かうことで再び拡大を続けるとみられます。
なお、ウエハーはSiCが好調であり、酸化ガリウムは研究開発向けが中心であることから需要は限定的です。また、前工程材料は大きな伸びは期待できませんが、2020年も含め、堅調な拡大を続けています。また、減少がみられた後工程材料についても、封止材料やボンディングワイヤーなど一部材料はパワー半導体メーカーが材料確保の動きをみせたことで増加しました。
3.製造装置の世界市場
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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1,449億円 |
93.2% |
3,144億円 |
2.2倍 |
新型コロナの影響により、シリコンパワー半導体やSiCパワー半導体向けに予定されていた設備投資の延期、見直しが行われたケースも多く、2020年の市場は縮小しました。しかし、中国は国策でパワー半導体への注力度を高めており2020年後半から積極的な設備投資を行なっていることや、台湾でもパワー半導体のファウンドリー企業の展開が本格化していることから、アジアを中心に2021年以降は拡大が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.SiCパワー半導体
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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493億円 |
109.6% |
1,859億円 |
3.8倍 |
SiC-SBD、SiC-FET、SiCパワーモジュールを対象とします。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、開発案件が延期になるケースもありましたが、サーバー電源などの情報通信機器分野、中国や欧州における太陽光発電などのエネルギー分野の需要が堅調だったことから、例年と比較し伸び率は低かったですが、市場は拡大しました。
用途別では自動車・電装や情報通信機器分野のウエイトが高いです。今後は自動車電装化に伴い、DC-DCコンバーターやオンボードチャージャー、インバーターモジュールで需要が伸び、自動車・電装分野のウエイトが高まっていくとみられます。また、エリア別では、TeslaのEV向けが多いことなどから、北米のウエイトが高いですが、欧州自動車メーカーによる採用予定もあり、今後欧州のウエイトが高まっていくとみられます。
このほか、電鉄車両やエネルギー、産業分野の高耐圧アプリケーションでも、今後採用増加が期待されます。
なお、シリコンパワー半導体からSiCパワー半導体へのシフトについては、FRDからSiC-SBDへ、高耐圧パワーMOSFETからSiC-FETへ、IGBTモジュールからSiCパワーモジュールへの置き換えが期待されます。
自動車・電装分野においては、SiC-SBDが低価格化に伴い伸長する一方で、FRDは長期的には減少していくとみられます。また、SiC-FETは電動化の進展と低価格化により大幅に伸び、高耐圧パワーMOSFETからのシフトもあり需要の半数以上を占めるとみられます。SiCパワーモジュールは現状では高級車や大型車での採用に限定されるためIGBTモジュールからの置き換えは一部にとどまるとみられます。
2.GaNパワー半導体
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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22億円 |
115.8% |
166億円 |
7.5倍 |
2020年の市場は、アジア圏におけるACアダプターでの需要増加に加え、サーバー電源など情報通信機器分野が好調だったことから、引き続き拡大しました。今後もデータセンターや携帯電話基地局での5G通信導入など通信機器の需要増加により情報通信機器分野は堅調とみられます。また、2022年以降は自動車・電装分野での採用進展も期待されます。
エリア別では、ACアダプターやサーバーなどの主要メーカーが多い中国のウエイトが半数以上を占めています。今後は、自動車・電装分野への展開が進むことで、xEV化を積極的に進める中国や欧州のウエイトが高まっていくとみられます。
3.酸化ガリウムパワー半導体
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2020年 |
2019年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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僅少 |
― |
465億円 |
― |
SiCパワー半導体やGaNパワー半導体と比較し、高耐圧・低損失など性能面で優れ、低コスト化が可能であることから、早期の実用化が期待されています。
2020年の市場は僅少でしたが、2021年には量産が開始されるとみられ、2億円が見込まれます。まずは600Vの中耐圧領域で展開され、民生機器分野での採用が想定されます。その後、電流値を上げていくことで、高耐圧領域である産業分野などへ広がっていくとみられます。なお、自動車・電装分野については、量産化に加え、信頼性の向上が必要であり、採用は2025年以降とみられます。
【参考】本記事で使用した「2021年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
パワー半導体
- 整流ダイオード
- SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)
- FRD(ファースト・リカバリー・ダイオード)
- バイポーラパワートランジスタ
- 低耐圧パワーMOSFET
- 高耐圧パワーMOSFET
- IGBTディスクリート
- サイリスタ・トライアック
- IGBTモジュール
- インテリジェントパワーモジュール
- パワーIC
- SiC-SBD
- SiC-FET
- SiCパワーモジュール
- GaNパワーデバイス
- 酸化ガリウムパワーデバイス
- ダイヤモンドパワーデバイス
パワー半導体構成部材
- SiCウェーハ
- GaNウェーハ
- 酸化ガリウムウェーハ
- ダイヤモンドウェーハ
- 半導体レジスト
- バッファーコート膜
- CMPパッド
- CMPスラリー
- ダイボンディングペースト
- はんだ
- シンタリング接合材
- リードフレーム用条材
- ボンディングワイヤ
- 封止材料
- 窒化アルミニウム回路基板
- アルミナ系回路基板
- 窒化ケイ素回路基板・白板
- 金属放熱基板
- 放熱シート
- 放熱グリース
パワー半導体製造装置
- エピ膜成長装置
- GaN向けMOCVD
- CMP装置
- プラズマCVD
- コータ/デベロッパ
- 露光装置
- イオン注入装置
- 熱処理装置
- レーザーアニール装置
- ドライエッチング装置
- スパッタリング装置
- バックグラインダ
- ダイシング装置
- ダイボンダ
- ワイヤボンダ
- モールディング装置
- ウェーハ外観検査装置
- チップ外観検査装置
- セラミック基板検査装置
- ハンドラ
- 電気テスタ装置
パワーエレクトロニクス機器
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- ルームエアコン
- IHクッキングヒータ
- 炊飯器
- 電子レンジ
- スマートフォン
- ノートパソコン
- タブレット端末
- サーバ
- UPS(中・大容量)
- xEV駆動用インバータ
- xEV用DC-DCコンバータ
- ステアリング制御システム
- ADAS/自動運転システム
- ボディ統合制御システム
- 車載用充電器
- 急速充電スタンド
- 普通充電スタンド
- ワイヤレス給電システム
- 鉄道車両
- 太陽光発電用パワーコンディショナ
- 風力発電システム
- 家庭用燃料電池
- 業務・産業用蓄電システム
- 汎用インバータ
- プログラマブルコントローラ
- 産業用スイッチング電源
- サーボアンプ
- スポット溶接ロボット
◆本記事は「2021年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。