株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症の流行を背景とした自動化や省人化、非接触対応ニーズの高まりにより導入が進む業務・サービスロボットの世界市場を調査し、その結果を「2021 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」にまとめました。
この調査では、業務・サービスロボット27品目、AI・人工知能/RPA4品目、ロボット向け注目構成部材2品目、ロボット関連サービス2品目の市場を調査・分析し、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」の全体サマリー
1.業務・サービスロボットの世界市場
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2020年 |
2019年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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家庭用 |
1兆3,461億円 |
133.5% |
2兆3,970億円 |
178.1% |
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建設/物流・搬送/レスキュー/インフラ/農業用 |
7,177億円 |
103.5% |
1兆1,549億円 |
160.9% |
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医療・介護用 |
2,517億円 |
99.2% |
5,340億円 |
2.1倍 |
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オフィス・店舗用 |
347億円 |
91.8% |
720億円 |
2.1倍 |
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合 計 |
2兆3,501億円 |
117.9% |
4兆1,578億円 |
176.9% |
※市場データは四捨五入しています
2020年の業務・サービスロボットの世界市場は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による営業訪問制限や設備投資の抑制などから伸びが鈍化した品目がある一方で、人手不足対策や非接触対応、自動化ニーズの高まりにより大きく伸長した品目もあることから前年比17.9%増となりました。特に、パワーアシスト・増幅スーツや紫外線照射ロボット、スマートスピーカー、テレプレゼンスロボット、調理ロボットは大幅な伸びとなりました。介護や農業、物流における業務負担の軽減目的や、在宅勤務の増加などといった社会環境の変化が市場拡大を後押ししました。
今後も人手不足対策に加えて、自動化や省人化、非接触対応ニーズの高まりにより導入が進むとみられ、特に、医療・介護やオフィス・店舗、物流で需要増加が期待されます。
家庭用は最も市場規模が大きいです。スマートスピーカーが市場をけん引しており、新型コロナの流行により世界的に在宅時間が増えていることから需要が増加しています。そのほか、家庭用清
掃ロボットは今後世帯普及率が高まることで伸長するとみられます。
建設/物流・搬送/レスキュー/インフラ/農業用は人手不足や作業者の高齢化などを背景に需要が増加しています。ドローン・無人ヘリがこの分野の市場で7割以上を占め、空撮のほか、農薬散布や測量、構造物の点検や配送など新用途での活用が進むことでさらなる伸長が期待されます。また、AGV(自動搬送車)は製造業や物流業で省人化、無人化に向けた需要増に伴い、好調に推移するとみられます。
医療・介護用は2020年の市場は微減となりましたが、深刻な人手不足を背景に需要が増加しています。特に、医療現場では医師や看護師などの専門家しか行えない業務に専念させる環境を整備することが最大の課題であり、その他の事務的な業務や単純作業に関して自動化ニーズが高いです。今後も人手不足対策に加え、自動化や非接触対応ニーズの高まりに伴い伸長が続くとみられ、2025年の市場は2020年比2.1倍が予測されます。
オフィス・店舗用は、新型コロナの流行による在宅勤務の増加や出社制限などオフィスへの訪問制限などに伴い、オフィスでのロボット需要が増加しています。また、飲食店などのサービス業では省人化や業務効率化ニーズが高く、今後調理ロボットなどの需要増加が期待されます。2020年は営業訪問制限などにより滞った案件がみられたため市場縮小しましたが、2021年以降は拡大に転じるとみられます。
2.AI・人工知能/RPAの世界市場
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2020年 |
2019年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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全 体 |
1兆212億円 |
119.7% |
3兆103億円 |
2.9倍 |
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RPAソリューション |
4,510億円 |
110.0% |
1兆1,100億円 |
2.5倍 |
※RPAソリューションは全体の内数です
疾病診断支援ロボットやコールセンター支援ロボット、金融ロボット、RPAソリューションを対象とします。
2020年の市場は、在宅勤務の増加により、各業務分野で電子化や自動化が進んだことからすべての品目が伸長し、前年比19.7%増の1兆212億円となりました。自律型のAI診断システムやテキストと音声の併用、業務全体の最適化など各業種の業務に適した機能が追求されており、今後も市場拡大が期待されます。
RPAソリューションは急拡大を続けてきたが、大手企業への導入は一段落し、年々伸びは鈍化しています。しかし、2020年以降は在宅勤務の広がりにより業務の電子化が進み、RPAツールを活用しやすい環境が整備されつつあります。働き方改革やDXの機運が高まり、金融業や消費財、インフラなど採用業種が広がっており、さらにAIなど関連技術と連携したソリューション提案も増加しています。
◆注目個別市場サマリー
1.パワーアシスト・増幅スーツ
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2020年 |
2019年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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58億円 |
134.9% |
144億円 |
2.5倍 |
人が装着することで、歩行や重労働(持ち上げ/下げ降ろし、運搬、介護)の動作をアシストする装置を対象とします。リハビリなどの医療支援を目的としたサイバーダイン「HAL」のような自立支援タイプと、介護や物流、農業など重労働を行う際のサポートを目的としたイノフィス「マッスルスーツ」のような作業補助タイプがあります。
2020年の市場は介護や製造、物流、建設現場などにおける人手不足対策や作業者の高齢化に伴う生産性の向上や非接触ニーズの高まりに加え、低価格であるイノフィス「マッスルスーツEvery」の好調により前年比34.9%増となりました。新型コロナの流行により十分な営業活動が実施できないなどの問題はありますが、需要は増加しており、引き続き市場は順調に拡大していくとみられます。
2.紫外線照射ロボット
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2020年 |
2019年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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51億円 |
10.2倍 |
65億円 |
127.5% |
AGV(自動搬送車)に紫外線照射ランプを搭載した自律走行型の殺菌ロボットを対象とします。
市場は2017年に立ち上がり、新型コロナの流行による院内消毒需要の増加とともに一気に拡大し、2020年には前年比10.2倍の51億円となりました。今後、数年間は市場拡大が続きますが、新型コロナの収束や大規模病院への導入が進むにつれ需要は落ち着くとみられます。2023年頃には需要が一巡するため、それ以降マイナスで推移するとみられます。
3.テレプレゼンスロボット
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2020年 |
2019年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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64億円 |
133.3% |
129億円 |
2.0倍 |
テレビ電話のように遠隔でのコミュニケーションを可能とするテレプレゼンスロボットを対象とします。
米国を中心に市場が形成されており、海外の市場規模が大きいです。2020年は新型コロナの流行により、世界的に在宅勤務が広がったことから需要が増加し、前年比33.3%増の64億円となりました。今後も在宅勤務の定着が進むとみられ、市場拡大が期待されます。
4.調理ロボット
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2020年 |
2019年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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7億円 |
7.0倍 |
105億円 |
15.0倍 |
外食店や中食、小売店のバックヤードなどで人が行っていた調理作業の一部を代替するロボットを対象とします。
米国を中心とした海外市場が主体となっています。従来から人手不足が深刻化していた食品業界において、新型コロナへの対策として人との接触回避のための人員制限や非接触対応ニーズは拡大しており、調理ロボットに対する関心は高まっています。2020年の市場は新型コロナの流行により、営業活動や案件対応の遅れはみられましたが、前年比7.0倍の7億円となりました。コロナ禍に対応した生活様式は長期化するとみられ、中長期的に非接触ニーズに対応した調理ロボットの需要増加が期待されます。今後は欧米、日本を中心に導入が期待され、国内外で市場拡大するとみられます。
【参考】本記事で使用した「2021 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」に掲載している調査対象市場
業務・サービスロボット
医療・介護用ロボット
- パワーアシスト・増幅スーツ
- 手術支援ロボット
- 自動分注ロボット
- 紫外線照射ロボット
- 移乗ロボット
- 排泄支援ロボット
- 入浴支援ロボット
- セラピーロボット
家庭用ロボット
- 家庭用清掃ロボット
- 家庭用コミュニケーションロボット
- パーソナルモビリティ
- スマートスピーカー
建設/物流・搬送/レスキュー/インフラ/農業用
- 自動建設ロボット
- レスキューロボット
- インフラ点検ロボット
- ドローン・無人ヘリ
- AGV(自動搬送車)
- デリバリーロボット
- 自動収穫ロボット
オフィス・店舗用ロボット
- 業務用コミュニケーションロボット
- テレプレゼンスロボット
- 受付案内ロボット
- 自律型受付案内ロボット
- 業務用清掃ロボット
- 業務用セキュリティロボット
- レジロボット
- 調理ロボット
AI・人工知能/RPA
- 疾病診断支援ロボット
- コールセンター支援ロボット
- 金融ロボット
- RPAソリューション
ロボット向け注目構成部材
- サービスロボット用モータ
- サービスロボット用触覚センサ
ロボット関連サービス
- BtoB向けレンタルサービス
- ロボット導入支援・保守・運用サービス
◆本記事は「2021 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。