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富士経済グループ 市場調査サポートサイト

太陽光発電システム・太陽電池の市場を調査。FIT依存から自家消費型へ移行し、PPAモデルなど注目

株式会社富士経済は、SDGsやESGの広がりを追い風に、脱炭素化に貢献する再生可能エネルギーとして自家消費型への移行がみられる太陽光発電システムの国内市場、そして、販売量が拡大する一方で激しい価格競争により市場をけん引する中国企業も淘汰の波に晒されている太陽電池の世界市場を調査しました。その結果を「2020年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「2020年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」の全体サマリー

1.太陽電池の世界市場(年次:1月~12月)

2019年

2030年予測

2019年比

出力

124,500MW

223,000MW

179.1%

金額

3兆9,768億円

4兆4,580億円

112.1%

太陽電池の世界市場は導入コストの低下と各国の脱炭素化に向けた政策を受けて、10年以上にわたって出力ベースで拡大を続けています。2019年は2018年に続き、中国、米国、インド、日本が多くの導入を果たし、欧州や新興国でもGW単位の導入がみられたことから、拡大が続きました。

一方、金額ベースでは生産効率の改善と発電性能の向上に加え、参入メーカーによるシェア獲得競争激化もあって価格低下が進み、2019年は大きく縮小しました。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により需給バランスが崩れたことで価格低下が続いており、今後も市場は伸び悩むとみられます。

種類別では9割以上が結晶シリコン系であり、その中でも変換効率の高いPERCタイプの単結晶シリコンの比率が高まっています。薄膜系は薄膜シリコンやCIS/CIGSから撤退する企業が増加していますが、新型・次世代型の色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、ペロブスカイト太陽電池を商用展開する企業が増えています。新型・次世代型は、発電事業用ではなく建材一体型太陽電池やIoT電源など、結晶シリコン系と競合しない領域での展開が進み、中長期的には金額ベースでの伸びが期待されます。

2.太陽電池の国内市場(年度:4月~3月)

2019年度

2030年度予測

2019年度比

出力

7,640MW

6,170MW

80.8%

金額

3,059億円

1,453億円

47.5%

2019年度の市場は、過去にFIT認定を受けた未稼働案件の認定失効や買取期間短縮などの期限が迫ってきたことを受け、未稼働案件の着工が2018年度に続き進みましたが、特別高圧で特需が見られた2018年度の反動があり、出力ベースの市場は縮小しました。また、国内でのグローバル価格の浸透により価格低下が続き、金額ベースでは、出力ベース以上の大幅な市場の縮小となりました。

国内の住宅向けの太陽電池の価格は世界的にも割高でしたが、価格低下やPPAモデルの普及などにより顧客の開拓が進んでおり、長期的には住宅のPVシステム搭載率が上昇していくとみられます。非住宅向けでは、過去にFIT認定を受けた未稼働案件の着工による需要が中心であり、未稼働案件が整理される2021年度以降は、市場が落ち込んでいくとみられます。

◆注目個別市場サマリー

1.自家消費型太陽光発電システムの国内市場

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太陽光発電システム(PVシステム)全体の市場は、2009年11月からの余剰電力買取制度により住宅向けの導入が加速し、2012年7月からの固定価格買取制度により非住宅向けが急拡大し、2015年度が市場のピークとなりました。2018年度は過去にFIT認定を受けた未稼働案件の着工が進んだことから好調でしたが、2016年度以降の市場は落ち着いており、中期的には住宅向けでは余剰電力買取制度の買取価格減額によりユーザーが経済的メリットを感じにくくなっていることや、導入コストの低減が進み販売店も利幅確保が難しくなっていることから、非住宅向けでは固定価格買取制度の買取価格減額や入札制度導入による新規認定案件の減少などから縮小が続くとみられます。

PVシステムの導入は、自家消費型が増えています。住宅向けでは、余剰電力の買取価格の引き下げにより、蓄電システムとのセット導入や住宅向けPPAモデルの活用など、自家消費を前提とした導入が増えつつあり、中長期的には自家消費型が標準化していくとみられます。非住宅向けでは、導入コストの低減に加え、環境省や経済産業省による補助制度の拡充により、FITを活用した全量売電よりも自家消費型の方が投資回収期間を短縮できる事例が増えています。契約電力が低いほど電力単価は高くなるため、低圧~高圧500kW未満の需要家は経済的メリットを得やすくなっており、採用が広がっています。

2025年度以降は自家消費型がけん引することでPVシステム市場も再び拡大するとみられます。2030年度の自家消費型PVシステム市場は6,277億円が予測され、住宅向けで10割、非住宅向けで6割程度を自家消費型が占めるとみられます。

2.第三者所有モデル(PPAモデル、リース)の国内市場

2019年度

2030年度予測

2019年度比

58億円

1,571億円

27.1倍

顧客の自家消費を目的に、サービス事業者が顧客の所有する建物の屋根などにPVシステムを設置して発電電力を提供するPPAモデルと、PVシステムを毎月定額で貸与するリースを対象とします。FIT売電単価と電力系統からの買電単価の価格差が小さくなった2017年度以降本格的に市場が形成され、太陽電池メーカーやエネルギーサービス事業者などが参入しています。契約期間が10年以上の長期になる一方で、初期導入費の負担なしで電気代を削減でき、CSRの一環として環境価値も獲得できることから、採用が増えています。

住宅向けでは、中小ビルダーがユーザーの費用負担感を軽減できる第三者保有モデルを活用してPVシステムを提案するケースが増えています。今後はサービスの認知度向上により、新築戸建住宅におけるPVシステムの導入形態の一つとして定着していくとみられます。非住宅向けでは、商業施設や文教施設、医療・福祉施設、公共施設、工場、大型倉庫などの屋根設置が多いです。FITにより大規模なPVシステムの設置・検討は一巡しており、第三者所有モデルでは中小規模の案件が多いです。

将来的にはPVシステムの導入コストが低減することでサービスの利用が減少していく可能性もありますが、FITを活用した投資型から自家消費型への過渡期である現在、効果的な導入手法であり、市場は2030年度に2019年度比27.1倍の1,571億円が予測されます。

【参考】本記事で使用した「2020年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」に掲載している調査対象市場

国内市場

太陽電池・周辺機器

  • 太陽電池
  • パワーコンディショナ
  • 遠隔監視システム
  • 架台
  • 蓄電システム

太陽光発電システム

  • 住宅用太陽光発電システム
  • 非住宅用太陽光発電システム

設置形態別・アプリケーション

  • 第三者所有モデル(PPAモデル、リース)
  • 営農型(ソーラーシェアリング)
  • 水上設置型
  • 建材一体型太陽電池(BIPV)
  • 移動体用太陽電池

ストック向け注目ビジネス

  • 卒FIT電気(余剰電力買取サービス・預かりサービス)
  • P2P電力取引
  • O&Mサービス
  • リサイクル・リユース・適正処理

太陽電池

  • 結晶シリコン系(単結晶・多結晶)
  • 薄膜系(CIS/CIGS、CdTe、その他)
  • 高付加価値・特殊型太陽電池 ※太陽電池の内数
    N型結晶シリコン太陽電池
    ダブルガラス太陽電池
    両面発電型太陽電池
    フレキシブル太陽電池
    建材一体型太陽電池(BIPV)
    電子機器組込型太陽電池(EIPV)など

世界市場

インゴット・ウエハ製造技術

  • シリコンインゴット/ウエハ
  • 炭素材料
  • ダイヤモンドワイヤ
  • 製造装置(ワイヤーソーなど)

セル・モジュール部材

  • バックシート
  • 封止材
  • 電極ペースト(銀ペースト)

◆本記事は「2020年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。