株式会社富士経済は、臨床検査のうち、採血した血液や尿などに含まれる成分を分析し、健康状態や病気の程度を調べる生化学検査や、血液に含まれる赤血球・白血球・血小板などの細胞数や形態から炎症や貧血、病気の有無などを調べたり、血液の固まり易さを調べたりする血液学検査、また、検体検査の実施や、データ管理などをサポートする検査関連ITシステムの国内市場を調査しました。その結果を「2020 臨床検査市場 No.2 生化学検査・血液検査市場/検査関連ITシステム市場」にまとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020 臨床検査市場 No.2 生化学検査・血液検査市場/検査関連ITシステム市場」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2020 臨床検査市場 No.2 生化学検査・血液検査市場/検査関連ITシステム市場」の全体サマリー
1.生化学検査薬の国内市場
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2019年 |
2025年予測 |
2019年比 |
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802億円 |
801億円 |
99.9% |
生化学検査薬は、生化学試薬(HPLC装置用試薬、血糖分析装置用試薬含む)、簡易分析装置用試薬、電解質分析装置用試薬、血液ガス分析装置用試薬を対象とします。
2019年の生化学検査薬市場は2018年比で横ばいとなり、802億円でした。生化学検査は普及から長期が経過しており、市場は飽和しています。今後も横ばいとみられ、2025年には801億円(2019年比0.1%減)が予測されます。
生化学試薬市場は、自動化学分析装置用試薬を中心に、HPLC装置用試薬、血糖分析装置用試薬ほかで構成されます。糖尿病検査試薬のHbA1cが市場拡大をけん引してきましたが、糖尿病患者の顕在化が進んでいることから伸びは鈍化しており、今後は横ばいとみられます。
簡易分析装置用試薬市場は、生化学検査のルーチン項目(肝機能・膵臓・心筋など)の試薬は飽和が進んでいます。また、生活習慣病に特化した項目の試薬は伸びが鈍化するとみられます。
電解質分析装置用試薬市場は、装置の減少に伴い微減しており、今後も微減で推移していくとみられます。
血液ガス分析装置用試薬市場は、救急対応の患者の増加によってわずかに拡大しています。今後も救急対応の患者の増加によって市場は微増で推移していくとみられます。
2.血液学検査薬の国内市場
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2019年 |
2025年予測 |
2019年比 |
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380億円 |
427億円 |
112.4% |
血液学検査薬は、血液凝固・線溶試薬(PT‐INR装置用試薬含む)と血球計数装置用試薬を対象とします。
2019年の血液学検査薬市場は、380億円(2018年比1.3%増)となりました。2025年には427億円(2019年比12.4%増)が予測されます。
血液凝固・線溶試薬市場は、Dダイマーが血栓症診断、循環器疾患診断での需要増加で伸びており市場をけん引しています。今後もDダイマーの伸びによってわずかに市場は拡大していくとみられます。一方、主要検査項目であるPT、APTT、フィブリノーゲンは自然増、FDPはDダイマーへの移行で減少していくとみられます。PT‐INR装置用試薬市場は、抗凝固剤のワーファリンの使用が減少していることから縮小しています。今後も引き続きワーファリンの使用は減少するとみられ、市場は縮小が予想されます。
血球計数装置用試薬市場は、微増となっています。血球計数検査は、健康状態の診断や病気の治癒状態を調べるための基本であり、今後、高齢化の進展に伴ってわずかに市場は拡大していくとみられます。
3.検査関連ITシステムの国内市場
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2019年 |
2025年予測 |
2019年比 |
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562億円 |
560億円 |
99.6% |
検体検査支援システム、検体検査搬送システム、病理・細胞診検査業務支援システム、輸血検査支援システム、細菌検査支援システム、感染制御支援システム、検査室在庫管理システム、健診支援システム、ISO 15189運用支援システムを対象とします。
2019年の検査関連ITシステム市場は、562億円(2018年比4.7%増)となりました。2025年には560億円(2019年比0.4%減)が予測されます。
最も規模の大きい検体検査支援システム市場は、中規模以上の病院で普及が一巡しており、リプレース需要が中心です。今後もリプレース需要が中心のため市場は横ばいとみられます。
次いで規模が大きい検体検査搬送システム市場は、大学病院などの大規模病院の需要が中心であり中小規模病院の需要は少ないです。現状は、大規模病院ではほぼ導入を終えており、リプレース需要が中心です。今後は、病院数の減少および臨床検査機器のコンパクト化により検査室も省スペース化が進むことで需要は減少し、市場は縮小するとみられます。
病理・細胞診検査業務支援システム市場は、高齢化の進展によるがん患者の増加に伴い病理診断科が増加し、拡大しています。今後もさらなる高齢化の進展による病理・細胞診検査需要の高まりから、市場は拡大すると予想されます。
輸血検査支援システムは、輸血検査の情報管理、輸血製剤依頼から製剤出庫、在庫管理、血液備蓄管理などを行うシステムであり、必要性は高く普及が進んでいます。今後は、リプレース需要が中心になるとみられますが、検体検査支援システムのサブシステムとして導入する施設が出てくることが予想され、需要は高まるとみられます。
細菌検査支援システム市場は、細菌検査の手順が煩雑で手間がかかることから、自動化、システム化のニーズが高く、拡大しています。今後、大幅な市場拡大は期待しづらいですが、安定的に推移していくとみられます。
感染制御支援システム市場は、院内感染対策として重要度は高まっており拡大しています。新型コロナウイルス感染症の院内感染も多く発生していることから、2022年にかけて対策をさらに推し進める施設が増え、需要は増加するとみられます。
検査室在庫管理システム市場は僅少です。他システムに機能が付帯していることから、今後も大幅な拡大は期待できません。
健診支援システムは、健診を実施している医療施設や健診センターのほとんどに導入されていることから、リプレース需要が中心です。今後も新規導入施設は限られ、リプレース需要が中心になると予想されます。また、長期的には人口減少に伴い健診受診数も減少し、市場は縮小するとみられます。
ISO 15189運用支援システム市場は、2016年度診療報酬改定により「国際標準検査管理加算」が追加され、治験実施施設などではISO 15189の認証取得が推奨されており、取得した施設が増えていることから拡大しています。今後も認証を取得する施設は増えるとみられ、市場の拡大が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
コントロール血清、血球、血漿
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2019年 |
2025年予測 |
2019年比 |
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コントロール血清 |
28億円 |
34億円 |
121.4% |
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コントロール血球 |
53億円 |
60億円 |
113.2% |
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コントロール血漿 |
12億円 |
13億円 |
108.3% |
コントロール血清は生化学検査装置の測定精度を管理するための各検査項目に値付けされた血清であり、一定のタイミングでこの血清検体を測定することにより、正確な測定値が得られます。コントロール血球、血漿は血球計数装置、血液凝固装置の測定精度管理のための試薬です。
2018年12月に改正医療法(検体検査関連)が施行され、検体検査業務を行う医療機関や検体検査業務を医療機関から受託して行う衛生検査所などにおける測定精度管理の基準が明確化されました。これにより精度管理意識が高まり、使用頻度が増加して、2019年の市場は拡大しました。今後も精度管理意識の向上により各市場とも拡大していくとみられます。
【参考】本記事で使用した「2020 臨床検査市場 No.2 生化学検査・血液検査市場/検査関連ITシステム市場」に掲載している調査対象市場
生化学検査
検査薬
- 生化学試薬
- HPLC装置用試薬
- 血糖分析装置用試薬
- 簡易分析装置用試薬
- 電解質分析装置用試薬
- 血液ガス分析装置用試薬
- コントロール血清
検査装置
- 自動化学分析装置
- 簡易分析装置
- 電解質分析装置
- 血糖分析装置
- HPLC装置(HbA1c測定)
- 血液ガス分析装置
血液学検査
検査薬
- 血液凝固・線溶試薬
- PT-INR装置用試薬
- 血球計数装置用試薬
- コントロール血球・血漿
検査装置
- 血液凝固装置
- PT-INR装置
- 血球計数装置
検査関連ITシステム
- 検体検査支援システム
- 病理・細胞診検査業務支援システム
- 輸血検査支援システム
- 細菌検査支援システム
- 感染制御支援システム
- 検査室在庫管理システム
- 検体検査搬送システム
- 健診支援システム
- ISO 15189運用支援システム
◆本記事は「2020 臨床検査市場 No.2 生化学検査・血液検査市場/検査関連ITシステム市場」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。