株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症の流行によって新しい生活様式が定着し、その変化に応じた提案が求められている加工食品27カテゴリー412品目の市場を6回に分けて調査・分析しました。
このうち、テレワークの導入拡大でオフィスでの間食需要が減少する菓子やスナック菓子、家庭でのストック増がみられるスープ類、災害対策としての備蓄需要も期待できる育児用液体ミルクなど育児用食品の市場を調査し、その結果を「2021年 食品マーケティング便覧 No.1」にまとめました。
この調査では、菓子31品目、スナック菓子9品目、スープ類13品目、育児用食品4品目の市場の現状を把握し、将来を予測しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021年 食品マーケティング便覧 No.1」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021年 食品マーケティング便覧 No.1」の全体サマリー
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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菓子 |
1兆2,668億円 |
98.1% |
1兆2,785億円 |
100.9% |
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スナック菓子 |
3,232億円 |
100.2% |
3,266億円 |
101.1% |
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スープ類 |
2,091億円 |
102.6% |
2,126億円 |
101.7% |
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育児用食品 |
795億円 |
100.5% |
801億円 |
100.8% |
菓子は、買い物時間や買い物頻度を少なくするために、ビスケット・クッキーやチョコレート菓子などでロングセラー商品の徳用サイズの人気が高まっています。また、在宅時間の増加などから家庭での手作り頻度が増加し、製菓材料用途でチョコレートやドライフルーツの需要増加がみられます。一方、CVSを主体としたパーソナル商品は苦戦しています。これまでオフィス需要を取り込んでいたキャンディ類やガムが、テレワークの導入拡大などにより喫食機会が減少している影響も大きく、全体としても縮小するとみられます。
スナック菓子はポテトチップスが全体をけん引しているほか、健康的な素材に注目が集まっていることで野菜・その他スナックが好調です。しかし、外出自粛により携帯性に優れたカップ入りスナックが苦戦し、土産需要を獲得してきたエリア限定商品も不振なことから、全体としてはほぼ横ばいが予想されます。
スープ類はインスタントスープ、即席みそ汁を中心に家庭でのストック需要を獲得しています。インスタントスープの中ではカップ入りスープがシニア層など需要の広がりがみられ好調です。一方、即席みそ汁は生みそを使用したみそ汁の調理機会が増えたことで伸びは鈍化するとみられます。今後については、フリーズドライを中心に、上位メーカーが製造ラインの増強や拡販に積極的なことから好調な推移が期待されます。
育児用食品では、外出自粛の影響からベビーフード菓子や液体飲料、カップ容器入りのベビーフードが苦戦しています。2019年に市場が形成された育児用液体ミルクは、哺乳瓶に移し替えずに容器に取り付けることでそのまま飲用できる専用アタッチメントが展開されたことで、災害備蓄需要も獲得しています。
◆注目個別市場サマリー
1.チョコレート【菓子】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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3,217億円 |
97.0% |
3,185億円 |
99.0% |
チョコレート、準チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子などを対象とします。
2010年代中盤は、健康志向の高まりによるハイカカオ商品の好調などで市場が活性化し、2014年には3,000億円を突破しました。2018年はハイカカオブームが落ち着いたことで市場は縮小しましたが、2019年はチョコレート菓子でロングセラーブランドのテコ入れが図られたことで拡大しました。
2020年は、巣ごもり消費の増加により小分け包装の大容量商品を中心にチョコレート菓子が好調で、板チョコレートも製菓用途として需要が増加しています。しかし、ハイカカオ商品の需要減少が続いていることに加え、外出自粛やテレワークの導入拡大によるCVSでの高単価なパーソナル商品や、インバウンド需要を獲得していた抹茶フレーバー商品の需要減少、需要が高まるバレンタインの時期にダイヤモンド・プリンセス号の新型コロナウイルス感染症関連報道が急増し盛り上がりに欠けたことから、市場は前年比3.0%減の3,217億円が見込まれます。
2.キャンディ類【菓子】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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2,074億円 |
94.3% |
2,137億円 |
103.0% |
ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、キャラメル、口中清涼菓子を対象とします。
2013年以降、グミキャンディや口中清涼菓子でオフィスシーンでの間食やリフレッシュなど、大人の需要を獲得したことで市場は拡大を続けてきました。
2020年は、テレワークの導入拡大などで喫食シーンのメインであるオフィス需要が減少し、前年比5.7%減の2,074億円が見込まれます。特に高い伸びが続いていた口中清涼菓子は在宅時間の増加によってエチケットとしての需要が減少したことから前年比二桁減になるとみられます。
2020年は大容量タイプや免疫効果が期待される商品などの需要が増加しており、2021年以降も伸びるとみられますが、テレワークへのシフトも継続的に進むことでオフィス需要は緩やかながら減少していき、長期的には市場縮小が予想されます。
3.ポテトチップス【スナック菓子】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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1,123億円 |
101.4% |
1,132億円 |
100.8% |
2014年に1,000億円を突破して以降、2016年、2017年と原料となるジャガイモの不作により縮小しましたが、値ごろ感もあり市場は拡大しています。
2020年は、在宅時間の増加により喫食機会が増えたことに加え、コロナ禍でのストック需要を取り込みました。外出自粛が進んだ3月頃から売上げを大きく伸ばした商品もありましたが、緊急事態宣言の解除後はその反動もみられ、通年では前年比1.4%増の1,123億円が見込まれます。
スナック菓子の中でも幅広いフレーバーと値ごろ感が支持されており、今後も底堅い需要が予想されます。
4.インスタントスープ【スープ類】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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907億円 |
103.7% |
918億円 |
101.2% |
個食化の進展やそれに伴う商品ラインアップの広がり、需要が低迷する夏季の冷製スープの提案による需要創出などにより2010年代は拡大を続けてきましたが、2018年、2019年は最需要期である冬が暖冬だった影響で縮小しました。
2020年は、緊急事態宣言を受け、家庭でのストック需要を獲得しました。また、小中高等学校の休校やテレワークの増加により家庭での消費が増えたことに加え、スープとして喫食する以外にもホームページなどに掲載されたレシピを参考にパスタソースやシチューなどに使用するユーザーも増えたことから市場は前年比3.7%増の907億円が見込まれます。
今後も需要は冬季の天候に左右されますが、上位メーカーが生産体制を強化し拡販に注力していることから、緩やかに市場は拡大していくとみられます。
5.即席みそ汁【スープ類】
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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797億円 |
103.5% |
820億円 |
102.9% |
単身世帯や高齢化世帯の増加など一世帯当たりの人数減少により、フリーズドライやカップ入り商品を中心に需要獲得が進み市場は拡大を続けています。
2020年は、単身世帯の需要は堅調ですが、小中高等学校の休校やテレワークに伴う家庭での食事回数の増加により、生みそを使用したみそ汁の調理機会が増加しており、例年と比較し市場の伸びは落ち着き、前年比3.5%増が見込まれます。
フリーズドライみそ汁は需要の増加に加え、メーカーも収益性の高さから生産体制を強化する動きもみられ、市場は拡大が続くとみられます。
【参考】本記事で使用した「2021年 食品マーケティング便覧 No.1」に掲載している調査対象市場
菓子
- 米菓
- 豆菓子
- ミックス菓子
- ナッツ類(テーブルナッツ)
- かりんとう
- 甘納豆
- ゼリー菓子
- スナック梅
- 素材菓子
- ドライフルーツ
- ビスケット・クッキー
- クラッカー
- プレッツェル
- ウエハース菓子
- マシュマロ
- 菓子パイ
- 半生ケーキ
- チョコレート
- チョコレート菓子
- ガム
- 機能ガム
- キャンディ類
- ハードキャンディ
- のど飴
- ソフトキャンディ
- グミキャンディ
- キャラメル
- 口中清涼菓子
- 手作り菓子
- 惣菜菓子
- 玩具・雑貨菓子
スナック菓子
- ポテトチップス
- ファブリケートポテト
- ポテトシューストリング
- 小麦系スナック
- コーン系スナック
- ポップコーン
- ライス系スナック
- 野菜・その他スナック
- カップ入りスナック菓子
スープ類
- 粉末クッキングスープ
- インスタントスープ
- カップ入りスープ
- フリーズドライスープ
- わかめスープ
- レトルトスープ
- 中華スープ
- 缶詰スープ
- 缶入りスープ
- チルドスープ
- 冷凍スープ
- 即席みそ汁
- フリーズドライみそ汁
育児用食品
- 育児用調製粉乳
- ベビーフード
- ベビーフード菓子
- 育児用液体ミルク
◆本記事は「2021年 食品マーケティング便覧 No.1」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。