株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症対策の一環で、特例措置としてすべての疾患で保険適用されたオンライン診療について、医療機関での実施実態や今後の継続意向などを調査しました。その結果を「COVID-19拡大により転機を迎えたオンライン診療の将来予測」にまとめました。
この調査では、オンライン診療(電話診療含む)を実施する医療機関に所属する医師に対してアンケート調査を行い、医療現場におけるオンライン診療の現状や病院ニーズを明らかにし、今後の方向性や将来性を展望しました。
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「COVID-19拡大により転機を迎えたオンライン診療の将来予測 -急増したオンライン診療の実態と今後の方向性-」の全体サマリー
1.オンライン診療システムの採用の有無(n=50)
CLINICS、クロン、オンライン診療ポケットドクターなど何かしらのオンライン診療システムを採用しているという回答が半数以上を占めました。一方、オンライン診療システムを採用せず電話による診療という回答も多く、コミュニケーションアプリのLINEを採用するケースもみられました。
2.2020年5月~7月の患者数推移(n=50)
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5月 |
6月 |
7月 |
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患者数 |
25,690人 |
28,242人 |
30,360人 |
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オンライン診療 |
1,110人 |
929人 |
801人 |
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利用率 |
4.3% |
3.3% |
2.6% |
※オンライン診療は患者数の内数です
5月から7月にかけ、調査対象とした医療機関50施設で診療した総患者数は増加しているのに対してオンライン診療は減少しています。これは、オンライン診療を利用した患者が6月以降対面診療に切り替えるケースが増えたことが理由としてあげられます。なお、診療科目別では定期処方を必要とする患者が多い皮膚科や内科でのオンライン診療の利用が多かったです。
オンライン診療に対しては、システム面では通信環境や映像の質によって表情が読みにくい・患部が見えにくい、オンライン診療システムと電子カルテが連携しておらずカルテが二重になる、臨床面では対面診療と比較して会話が減少し患者から得られる情報が限定されるといった課題が挙げられました。また、これらの課題があることで処方する薬剤の変更は慎重になるなど診療方針の変化などもみられました。
3.オンライン診療の継続意向(n=50)
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意向 |
件数 |
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実施を継続する |
32件 |
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実施を取りやめる |
18件 |
今後のオンライン診療の実施方針としては、6割強の医療機関が継続する意向を示しました。
新型コロナウイルス感染症対策とは関係なく以前より実施していた施設に加え、患者のニーズの高さやオンライン診療のメリットを感じた医師も多く、電話での診療からオンライン診療システムの採用を検討している施設もみられました。また、かかりつけ医と一緒にKOL(Key Opinion Leader)がオンラインで診療することで、かかりつけ医を中心とした医療体制の構築、KOLの指導による地方医師のスキルアップなど医療格差解消などに期待する意見もありました。
対して実施を取りやめる理由としては、特例措置に合わせた対応であることに加え、オンライン診療の診療報酬が低く収益面での損失につながることなどが挙げられました。診療科目別では、精神科では向精神薬がオンライン診療では処方できないこともあり、実施を取りやめるという回答がほかの科よりも多かったです。
【参考】本記事で使用した「COVID-19拡大により転機を迎えたオンライン診療の将来予測 -急増したオンライン診療の実態と今後の方向性-」に掲載している調査対象市場
- オンライン診療(電話診療含む)を実施する医療機関に所属する医師 計50名
(内科、小児科、精神科、皮膚科、婦人科 各科10名)
◆本記事は「COVID-19拡大により転機を迎えたオンライン診療の将来予測 -急増したオンライン診療の実態と今後の方向性-」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。