株式会社富士経済は、景況感の悪化で一部品目では伸び悩みがみられた一方、インバウンドの増加で宿泊宴会場や日本料理などが好調だった外食産業13カテゴリー117業態の国内市場について、2026年4月から2回にわたってまとめ、その結果を「外食産業マーケティング便覧 2026 総市場分析編」にまとめました。
この調査では、外食産業の国内総市場の現状を明らかにし、将来を展望したほか、時間帯別(モーニング、ランチ、アイドルタイム、ディナー)や提供形態別(イートイン・テイクアウト・デリバリー)構成比、また、インバウンド需要の動向などの分析も行いました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「外食産業マーケティング便覧 2026 総市場分析編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆「外食産業マーケティング便覧 2026 総市場分析編」の全体サマリー
1.外食産業の国内市場

2025年の市場は35兆7,487億円となりました。景況感の悪化で高級業態を含む西洋料理やアジア・エスニック料理などが伸び悩みました。一方、食事に加え、仕事や勉強の場として利用頻度が上昇しているコーヒーショップなど喫茶は、メニュー価格改定による単価上昇も追い風となり伸長しました。また、串カツ・串揚げ専門店やおにぎり専門店など低単価なメニューに特化した業態は好調でした。さらに、大阪・関西万博の開催で前年以上にインバウンドが増加したため旅館やホテルなど宿泊宴会場が続伸したほか、うなぎやすし、てんぷらなどの日本料理も好調でした。単価の上昇もあり、市場は前年比3.5%増となりました。
2026年は、食材価格や人件費の上昇を背景に価格転嫁が進んでおり、新型コロナ流行前の2019年の市場規模を上回るとみられます。ただし、2025年11月以降、中国政府が台湾問題などを契機に日本への渡航自粛を呼びかけたことや、中東情勢によるドバイなど主要なハブ空港の利用が制限されていることから、中国やヨーロッパなどからのインバウンド需要が減少する可能性が懸念されます。
2.時間帯別の外食産業の国内市場

2025年のモーニング市場は、開店時間が早く、また、モーニング限定メニューを展開するハンバーガー店や牛丼店といったファストフード店が好調でした。特に、牛丼店はモーニングメニューのブラッシュアップと割安感によって伸びました。2026年は、規模の大きなテイクアウトや喫茶、ファストフード店を中心に拡大が予想されます。ファストフード店の店舗数が増えるとみられるほか、コーヒーショップでは客単価の上昇が予想され、2026年の市場は、前年比3.2%増が予測されます。
2025年のランチ市場は、ファストフード店が、モバイルオーダーを始めとするユーザーの利便性向上や接客の効率化による回転率アップを背景に伸長しました。また、喫茶がオフィスワーカーの食事需要を獲得したことなども伸びにつながりました。2026年は、モーニングと同様に、ファストフード店の店舗数増加などによって引き続き市場拡大するとみられます。
2025年のアイドルタイム市場は、食事の提供を中心とする業態が販売効率を高めるため注力したことから、市場は拡大しました。ファストフード店では、上位企業がドリンクなどカフェメニューの充実や店舗改装によってイートイン利用を促進しました。ファミリーレストランでも手ごろな価格で若い世代の需要を獲得し、客数が増えたため、市場拡大につながりました。2026年も、引き続きファストフード店やファミリーレストランの伸びとともに市場拡大が予想されます。
2025年のディナー市場は、店舗数減少などに伴うホームデリバリーの苦戦、料飲店での遅い時間の客数減少などによって、その他の時間帯に比べ小幅な拡大となりました。規模が大きいスナック・クラブ・パブや焼肉料理は前年割れとなりましたが、量販店デリカやCVSテイクアウトフード、回転ずしといった一部業態では続伸しました。2026年は、ディナーメニューに力を入れるファストフード店や、イートイン回帰が強まるファミリーレストランなどが伸びると予想されます。単価の高いディナーの時間帯で、ディナー向け価格を改定した後でも割安感が出せることが強みとみられます。
【参考】本記事で使用した「外食産業マーケティング便覧 2026 総市場分析編」に掲載している調査対象市場
外食産業
- ファストフード店(21業態)
- ファミリーレストラン(6業態)
- アジア/エスニック料理(11業態)
- 西洋料理(10業態)
- 日本料理(10業態)
- 料飲店(8業態)
- 喫茶(5業態)
- 交通機関(4業態)
- レジャー施設(10業態)
- 宿泊宴会場(6業態)
- 弁当/給食(9業態)
- テイクアウト(13業態)
- ホームデリバリー(4業態)
外食産業マーケットデータ分析
- 外食産業総市場規模推移
- カテゴリー別市場規模推移及び市場構造変化・将来展望
- 外食企業売上高ランキング
- 時間帯別構成比・市場分析
- 客単価別市場分析
- 食材市場規模推移
- インバウンド需要がもたらす外食産業の変容
- 使用食材ランキング
提供形態別市場動向
- 提供形態別(イートイン・テイクアウト・デリバリー)市場規模
- テイクアウト市場動向
- デリバリー市場動向
リーディング企業5社ケーススタディ
外食産業エリアマップ
- 全国エリア別市場規模マップ
- 業態別市場規模とエリア構成比
- エリア別動向
- エリア別外部環境分析
外食産業1,500社企業ディレクトリ
◆本記事は「外食産業マーケティング便覧 2026 総市場分析編」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。