株式会社富士経済は、従来の年間電力使用量を環境証書などでカーボンフリー電力を使用したとみなす方式ではなく、24時間365日、リアルタイムでカーボンフリー電力[CFE:Carbon Free Energy]を実際に使用する方式である24/7CFEの国内市場を調査しました。その結果を「アワリーマッチング・24/7CFE グリーン電力市場の将来展望」にまとめました。
この調査では、国内の24/7CFE市場の現状を捉え、将来を予想するとともに、エネルギー事業者の対応方針や、関連するグリーン電力市場、将来的な価格の見通しなどを整理しました。
AI・クラウドサービスの普及により、大手クラウドベンダーが使用するデータセンターの電力需要が急増する中、カーボンニュートラルの観点では24時間稼働のため夜間もクリーンな電力を使用する必要が生じています。それにより、24時間365日いつでも消費電力をカーボンフリー電源でまかなう24/7CFEの取り組みに注目が集まり、2021年には国連主導で24/7 CFEの実現・普及に向けた国際イニシアティブが設立されています。24/7CFEでは、既存の再エネ調達に加えて新たな再エネ設備の設置や、電力の地産地消、地域調達が重視され、質の高い取り組みが必要とされています。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「アワリーマッチング・24/7CFE グリーン電力市場の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆「アワリーマッチング・24/7CFE グリーン電力市場の将来展望」の全体サマリー
24/7CFEの国内市場(販売電力量)

24/7CFEの定義・要件は今後改訂される可能性があり、いくつかのシナリオが想定されますが、ここでは新たな再エネ設備の新設は推奨レベルで義務ではないこと、電力使用のエリア性が緩和され広域エリアを電力使用単位とすることが可能であること、また、原子力やバイオマス発電も認められる条件下(制度や条件が緩く普及しやすいシナリオ)での販売電力量を捉えました。なお、販売電力量は高圧以上向けを対象とします。
欧米では、大手ITクラウドベンダーなど先進企業で導入が進んでいる一方、日本では実証を進めている段階です。本格導入に向けては、電力供給側では、現状の電力構成がアワリーマッチング(時間一致型)に向いていないことや、価格設定が難しいことなど、需要家側では、多くの企業が年間電力使用量を基にカーボンニュートラルの取り組みを進めていることや、コスト高への懸念が大きいことなどが課題とされています。
上記のシナリオでは、電力供給側は既存の水力や原子力、また、蓄電池を使うことで24/7CFEを実現することができるため、旧一般電気事業者を中心とした大手小売電気事業者が対応しやすく、それら事業者の主導する展開が想定されるため、小売メニューの充実化が期待されます。需要家側では、再エネ設備の新設が義務化されないことや、多くの電源種による電力が認められることから、導入コストが抑えられるなどの利点があるため、24/7CFEが普及しやすい状況になるとみられます。それにより、先行して取り組みが進んでいる欧米外資系企業や、グローバルなサプライチェーンの一環として対応を要請される企業に加えて、国内大手製造業やデータセンター事業者などにも導入が広がると想定されます。2028年度頃から大手企業を中心に需要が本格化し、2035年度頃には電力供給側から標準メニューとして商品化が進み、環境意識の高い中小企業でも導入が増えると期待されます。
なお、GHG(温室効果ガス)プロトコル[企業や組織が事業活動に伴うGHGの排出量を算定・報告するための国際的な基準]の改訂により、再エネ設備新設の義務化、エリア性の厳密化、バイオマス発電が認められないなどの条件下(制度や条件が厳しく普及しづらいシナリオ)では、2030年度の市場は23.0億kWh、2040年度でも168.0億kWhに留まるとみられます。
【参考】本記事で使用した「アワリーマッチング・24/7CFE グリーン電力市場の将来展望」に掲載している調査対象市場
市場
- 24/7CFE[Carbon Free Energy]
調査対象企業
-
主要電力事業者 21社
◆本記事は「アワリーマッチング・24/7CFE グリーン電力市場の将来展望」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。