株式会社富士経済は、値上げなどにより市場が拡大する一方、店舗数の減少が続いている外食産業について長期予測を行い、その結果を「2035年 次世代外食産業構造及び市場将来予測」にまとめました。
この調査では、ファストフード(FF)店、ファミリーレストラン(FR)、専門料理店、料飲店、カフェ・喫茶、宿泊宴会場の6カテゴリーの外食市場を2035年まで予測するとともに、客数や客単価の分析を行い、コロナ禍や価格改定などによる市場・企業・消費者の変化と、変化に伴う課題などを展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2035年 次世代外食産業構造及び市場将来予測」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.ファストフード店
外食市場の中では、値ごろ感のあるカテゴリーとして日常的な食事需要を獲得していることに加え、需要の裾野を広げるためにドリンクやコーヒーへ注力し、カフェ利用客の獲得を進めていることから、市場拡大が続くと予想されます。インバウンド需要の恩恵を受けている業態や新規出店の余地を残す業態もあることから、当面は客数が増加していくとみられます。
かつてのようなワンコインでの提供は減っていますが、大手チェーンではDX推進やセントラルキッチン活用によるコストカット、クーポン配布などによる値ごろ感の創出は今後も続き、価格上昇に伴う極端な客数減少はないとみられます。一方で、中小規模チェーンや個人店の比率が高いラーメンなどの業態では店舗数減少が加速するとみられ、将来的には客数は減少へ転じるとみられます。
主な業態別では、ハンバーガーはイートインやテイクアウトなど提供形態や時間帯を問わず突出した集客力があり、価格優位性や競争力を武器にカフェ需要の獲得に乗り出しており、客数が増えています。
回転ずしは喫食シーンがプチハレと日常食の2軸という強みがあり、好調が続いています。しかし、ドリンクの比率が低いため、食材高騰の影響を受けやすいことが懸念点であり、コストが上昇するなかで商品開発力が高いチェーンが残るとみられます。
牛丼は複合店舗の増加により、新たな需要・ユーザー開拓に成功しているほか、コスパのよさが強みとなっています。しかし、牛丼一杯の価格に対する消費者のアンテナは敏感であり、今後も値ごろ感の維持が必要とみられます。
ラーメンは都心部におけるインバウンド需要に加え、上位チェーンが郊外・ロードサイド店で休日の家族での食事需要を獲得するなど裾野を広げており、客数増につながっています。しかし、店舗間の競争は激しく、値上げ以外でのコスト上昇への対応が難しい個人店は淘汰が進んでいき、人気店に客足が集中していくとみられます。
2.居酒屋・炉端焼
市場は大打撃を受けたコロナ禍を経て、2022年以降拡大を続けています。しかし、酒離れもあり一回の来店における飲用杯数が減少しています。そのため、居心地の良さといった空間価値の高いカフェや、料理の独自性の高い多国籍料理専門店、食事メニューの単価が低いファストフード店など、ほかのカテゴリーでのちょい飲みへ需要がシフトしています。
特に、若い人たちの需要が減少しており、また、利用方法も都度集まった流れで近場の店舗へという突発的なものから、少人数で事前に気になる店舗をチェックし予約した上で来店するといった計画的なものへと変化しています。アルコールをフックとした販促キャンペーンは、新たな需要に結びつかないことも多く、アルコール以外で、いかに若い人たちの需要を取り込めるかがカギとなっており、ノンアルコールメニューや食事メニューの強化を進めていくとみられます。
現状、食材の高騰もあり、客単価は上昇していますが、酒離れからアルコールによる利益を得にくくなるため、フードとドリンク双方で価格戦略が必要となっています。メニュー全般の価格を引き上げた店舗より、酒やドリンク価格のみを引き上げた店舗、もしくは料理に専門性があり差別化できている店舗は好調なケースも多く、今後は明確に何を食べにいくかという来店の動機付けが必要になっていくとみられます。
【参考】本記事で使用した「2035年 次世代外食産業構造及び市場将来予測」に掲載している調査対象市場
ファストフード(FF)店
- ハンバーガー
- ラーメン
- 回転ずし
- 牛丼
- その他(チキン、ドーナツ、サンドイッチ、クレープ、アイスクリーム、カレーショップ、ステーキ、セルフ式そば、セルフ式うどん、クイックパスタ・ピザ、天丼・天ぷら、スタミナ丼、とんかつ・かつ丼、唐揚げ、定食チェーン、スープカフェ)
ファミリーレストラン(FR)
- 総合FR
- イタリアFR
- 和風FR
- その他(中華FR、チャンポンFR、バイキングレストラン)
専門料理店
- すし
- 焼肉料理
- そば・うどん
- イタリア料理
- その他(韓国料理、高級中華料理、一般中華料理、餃子専門店、メキシコ料理、インド料理、東南アジア料理などアジア・エスニック料理。フランス料理、アメリカ料理、プレミアムハンバーガー、スペイン料理、ステーキ・ハンバーグレストラン、シーフードレストラン、オムレツ・オムライスレストラン、カフェレストランなど西洋料理。うなぎ、てんぷら、とんかつ、すきやき・しゃぶしゃぶ、料亭・割烹、もつ鍋、お好み焼き、牛タン専門店など日本料理)
料飲店
- スナック・クラブ・パブ
- 居酒屋・炉端焼
- その他(ビアレストラン、ディスコ・クラブ、カフェバー・ショットバー)
カフェ・喫茶
- 喫茶店・コーヒー専門店
- コーヒーショップ
- その他(紅茶専門店、フルーツパーラー、ジュース&ティースタンド・カフェ)
宿泊宴会場
- ホテル
- 旅館
- 結婚式場・宴会場
◆本記事は「2035年 次世代外食産業構造及び市場将来予測」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。