株式会社富士経済は、血糖値改善を訴求した商品の発売や、近年の夏場の猛暑による止渇需要獲得で飲料などが伸びている健康志向食品の市場を調査し、その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2026 No.2 健康志向食品編」にまとめました。
この調査では、H・Bフーズ※のうち、健康志向食品(明らか食品、飲料)を31の訴求効能別に市場を捉えました。また、健康志向食品における保健機能食品別(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)の市場動向、また、特定保健用食品と機能性表示食品についてはパッケージ前面に強調して記載されている訴求表示に着目して分類したヘルスクレーム別の動向についても分析しました。
※H・Bフーズ:健康(Health)の維持増進・回復や美容(Beauty)を目的に飲食する何らかの効能・効果(機能性)を期待できる・期待されるイメージをもつ食品
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「H・Bフーズマーケティング便覧 2026 No.2 健康志向食品編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.健康志向食品(明らか食品、飲料)の国内市場
何らかの効果効能を期待できる食品および期待されるイメージを持つ食品のうち、機能面よりも味覚面を重視した商品を対象とします。その内、保健機能食品は、特定保健用食品が15%弱、栄養機能食品が5%弱、機能性表示食品が30%弱をそれぞれ占め、近年は機能性表示食品の伸びが市場拡大をけん引しています(2024年)。
2025年は、ガイドライン変更により届出数が減ったため機能性表示食品の新商品の発売は減少しましたが、夏場の猛暑によって止渇需要が高まり、脂肪対策を訴求した茶系飲料などが好調でした。また、プロテインの続伸に加え、高血圧予防で主要なブランドがリニューアルし好調なため、市場は微増するとみられます。
商品カテゴリー別では、茶系飲料やヨーグルトなどの割合が高いです。茶系飲料は、茶カテキンを関与成分として脂肪対策など生活習慣病予防を訴求した商品を中心に展開されています。日常的な飲用者が多く、飲料メーカーの商品発売やプロモーションも継続的に見られます。ヨーグルトは、日常の喫食が習慣化している消費者も多いため、定番ブランドを中心に需要は底堅いです。一方、ストマックケアや免疫対策を訴求する単価の高い商品は苦戦しています。
2.健康志向食品における機能性表示食品の国内市場
健康志向食品における機能性表示食品は、ガイドライン変更によって表示許可が煩雑化したため、2025年は届出数が減少しました。しかし、多くの参入メーカーがH・Bフーズを重点分野と位置付けて展開していることから、伸びは鈍化しますが、2025年の市場は5,278億円が見込まれ、健康志向食品市場の約30%を占めるとみられます。特に脂肪対策を訴求した商品では大手飲料メーカーが展開する茶系飲料のけん引による伸びがみられたほか、ドリンクヨーグルトが好調です。また、高血圧予防やコレステロール対策、免疫対策などを訴求した商品の大きな伸びも、市場拡大に繋がっています。
競合となる特定保健用食品は申請から表示許可取得まで時間と費用がかかるため、多くのメーカーは商品発売までのスピードが比較的速い機能性表示食品に今後も注力するとみられます。消費者が特定保健用食品と機能性表示食品の明確な違いを把握しづらいほか、景況感の悪化で高単価の特定保健用食品に手が出にくいことも、企業が機能性表示食品に注力する要因となっています。
◆注目個別市場サマリー
1.スポーツサポート健康志向食品
プロテインブームが落ち着き、ライトユーザーの離脱が続いている一方、運動習慣の定着やタンパク質摂取に関する情報が広まったため、定着したユーザーのヘビーユーザー化が進んでおり、吸収率やタンパク質含有量が高い高付加価値商品の需要が増えています。2025年は、主要参入メーカーがフレーバーの拡充やビタミン類を配合した商品を発売したほか、健康維持目的でタンパク質を摂取するユーザーの獲得を図る動きもみられます。また、夏場の止渇需要で飲料が好調であったことから市場は拡大するとみられます。
プロテインブームを機に商品数が増えたため、競争が激化しています。また、サプリメントに含めた粉末タイプのプロテインとも需要の奪い合いが予想されますが、定着したユーザーのヘビーユーザー化は続くとみられ、高付加価値商品へのシフトによる単価の上昇や、商品ラインアップの拡充などで2026年の市場は拡大が予想されます。
2.脂肪対策健康志向食品
特定保健用食品と機能性表示食品が市場のほとんどを占め、7割程度が茶系飲料です。
2025年の市場は、濃い味の茶系飲料が好調であるほか、脂肪対策と腸内環境改善の2つの機能を訴求することでドリンクヨーグルトが伸長しています。しかし、商品の増加によって市場は飽和感が強まっており、成長率は鈍化しています。
脂肪対策は、生活習慣病の予防を目的とするユーザー層から体形が気になるライトな層まで幅広いターゲットに訴求できるため、大手飲料メーカーを中心に、定期的な商品展開の強化がみられます。商品増加によって競争激化が進む一方、健康意識の高まりや中高年人口の増加も加わり今後も安定した需要が予想されます。また、プロモーションの強化など企業の継続的な注力によって、引き続き市場は拡大が予想されます。
3.血糖値改善健康志向食品

脂肪対策など生活習慣病予防の商品と競合しており、企業の注力度が低かったため、市場は近年低調でした。しかし、2025年は、血糖値コントロールの指標であるHbA1cに言及した「明治ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」シリーズ(明治)が発売されたほか、リニューアルにより機能強化を図った商品が好調に推移し、市場拡大に繋がっています。
糖質の摂取を控える消費者の動きや、食後の急激な血糖値上昇リスクに対する情報の浸透など"糖"へのケア意識は高まっており、ライトな層の需要を獲得することで2026年の市場は2024年比41.9%増が予測されます。
富士経済H・Bフーズの定義
【参考】本記事で使用した「H・Bフーズマーケティング便覧 2026 No.2 健康志向食品編」に掲載している調査対象市場
健康志向食品(明らか食品、飲料)
市場区分
- 健康志向食品:明らか食品、飲料
- 内数、保健機能食品:トクホ(特定保健用食品)、栄養機能食品、機能性表示食品
訴求効能
- 滋養・強壮
- 肝機能改善
- 美容効果
- 整腸効果
- 食事代替ダイエット
- その他ダイエット
- スポーツサポート
- 脂肪対策
- コレステロール対策
- 血糖値改善
- 高血圧予防
- 認知機能サポート
- その他生活習慣病予防
- 抗酸化・抗加齢
- 血行促進
- 免疫対策
- アレルギー対策
- ストマックケア
- 基礎栄養チャージ
- 骨サポート
- 関節・筋肉サポート
- 覚醒効果
- 貧血予防・改善
- 喉の不快感除去
- オーラルケア
- アイケア
- ビタミン・ミネラルチャージ
- ホルモンバランス
- ストレス緩和
- 睡眠サポート
- グリーンチャージ
◆本記事は「H・Bフーズマーケティング便覧 2026 No.2 健康志向食品編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。