株式会社富士キメラ総研では、人手不足や熟練の技術者の引退、物価/資材の高騰など短期的な課題だけでなく、サスティナブルな社会の実現など長期的な課題に対しても、有効な解決策として取り組みが進むDXの国内市場を『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』としてまとめました。製造業、小売/外食業、金融業、医療/介護業、交通/運輸/物流業、不動産/建設業、自治体、社会インフラ/その他を対象に業界別のDX関連投資額の現状と将来を整理しています。本記事では当該資料から一部分となりますが全体像と注目市場を取り上げてご紹介します。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.国内DX関連投資額
2030年度関連投資額予測(2023年度比)で、製造業DX 2兆9,843億円(2.4倍)、小売/外食業DX 9,644億円(2.0倍)、交通/運輸/物流業DX 1兆1,095億円(173.0%)と、製造業や交通/運輸/物流業の伸びが市場拡大をけん引すると予測しています。

2024年度は、製造業や金融業、交通/運輸/物流業における投資が増加しています。特に、データドリブンによる生産性向上やリードタイム短縮を目的に製造業の伸びが大きいと見込まれます。また、人手不足の影響を大きく受けているため、発注業務や決済業務など現場業務の効率化を図っている小売/外食業でも投資が増えています。
今後も、これら業界の伸びは続くとみられ、2030年度も製造業や金融業、交通/運輸/物流業における投資が市場拡大をけん引すると思われます。
2024年度の製造業におけるDX関連投資額は前年度比22.2%増が見込まれています。地政学リスクへの対応や半導体など産業振興施策を背景に、国内の製造拠点や新工場の立ち上げが増加しており、スマートファクトリー関連への投資が増えているため拡大しています。品質と生産性の向上を目指し生産現場における投資が進むほか、基幹業務のデジタル化が進んでいる大手企業を中心に、売上増加や顧客接点の拡充などを目指した投資がみられます。
人手不足や就業者の高齢化に対処する投資も増加しており、引き続き関連投資の拡大が予想されています。特に、IoH(Internet of Human)などの技術を活用した作業者データと各設備やシステムとのデータ連携、活用が増えるとみられています。
小売/外食業におけるDXは、主に発注や決済業務などの効率化を目的とした現場DXと業務上のコミュニケーションを円滑化させるワークプレイスDXへの投資が多いと思われます。人手不足が喫緊の課題であり、業務効率化や省人化への投資が増加しており、前年度比14.6%増の5,521億円が見込まれています。
現場DXでは自動発注や需要予測ソリューション、フルセルフレジやモバイルPOSなどの導入が増えており、市場拡大をけん引しています。また、店舗と本部のコミュニケーション活性化により、人材の働きやすさを実現するワークプレイスDXも引き続き伸びるとみられています。
交通/運輸/物流業におけるDXは、全般的にデジタル化が遅れていたが、近年、直接部門および間接部門ともに投資が進んでいます。2024年問題の対応としてドライバーの業務効率化のためのシステム導入が多く、デジタル技術を活用した物流倉庫の運用効率化もみられ、2024年度の投資額は前年度比10.2%増が見込まれています。
中長期的には、業務のデジタル化と共に、データ活用への投資が拡充すると予想されており、特に、ICカード利用履歴をはじめとした顧客行動データの活用や、点在するデータの統合など顧客接点に関わるシステムの導入が進むとみられています。
◆注目個別市場サマリー
1.AIエージェント市場

AIエージェントは、ユーザーから与えられた特定の目標に対し、タスクを自律的に分解・生成し、必要に応じて他のシステムと連携しながら、分解・生成したタスクの実行を行い、目標達成を支援するシステムです。
2024年度からAIエージェントへの注目度が高まり、外資系ハイパースケーラーや国内の大手SIベンダーを中心に製品やサービスが発売されたため、市場は109億円が見込まれています。LLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)を活用した社内チャットボットに活用することで、より企業に特化した業務に応用できるため期待が高まっています。
今後は、短期的には試験利用や利用方法の模索を目的に市場拡大が予想されています。2027年度頃以降は、有効な利用方法が確立され、利用ノウハウが各業界内で共有されることで、ユーザーのすそ野が広がるとみられ、2030年度に向けて普及が進むとみられています。
2.DX人材アセスメントサービス市場

自社のDX人材の育成状況が把握できるアセスメントサービスを対象としています。
DX推進を目的に、eラーニングや研修など人材育成サービスニーズが増加していますが、実務で活躍できる人材が育成できない、取り組みの成果が見えづらいといった課題を抱える企業も多く、自社の人材育成状況を把握するツールのニーズが増加しています。また、経済産業省および独立行政法人情報処理推進機構が策定したデジタルスキル標準も背景にアセスメントの対象が増加しているため、2024年度の市場は前年度比36.4%増が見込まれています。
需要の増加によって参入企業が増加しており、今後も多くの企業がサービス提供を開始することで好調な市場推移が予想されています。
【参考】本記事で使用した『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』に掲載している調査対象市場
DX市場
業種別
- 製造業
- 小売/外食業
- 金融業
- 医療/介護業
- 交通/運輸/物流業
- 不動産/建設業
- 自治体
- 社会インフラ/その他
カテゴリー別
- BX
- 現場DX
- バックオフィスDX
- 顧客接点DX
- ワークプレイスDX
- 戦略/基盤DX
注目ソリューション
- DX人材アセスメントサービス
- AIエージェント
- 生成AI関連市場
- クラウド型動画自動生成ツール
- GPUクラウド
- 衛星通信サービス
- ノーコード開発
- コード可視化ツール
- GRESB対応ESG経営支援サービス
- GxP支援サービス
◆本記事は『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。