株式会社富士経済では、価格改定を行うとともに、付加価値メニューの提供や既存店のリニューアルなどによる客単価上昇、客数増加などが進められファストフード店、ファミリーレストラン(FR)、専門料理店(アジア・エスニック料理、西洋料理、日本料理)など食事の提供を主とする外食57業態の市場を捉え、将来を展望しました。本記事では当該資料から一部分となりますが全体像と注目市場を取り上げてご紹介します。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、『外食産業マーケティング便覧 2025 No.1』をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.「ファーストフード店」「ファミリーレストラン」「アジア・エスニック料理店」「西洋料理店」「日本料理店」の市場概要

2024年は、各カテゴリーにおいて各チェーンが原材料費の高騰によって価格改定し、付加価値メニューや期間限定メニューの提供、不採算店舗の整理や既存店のリニューアルによる客単価上昇・客数増加に努めたことで、市場が拡大しました。
2025年も引き続き価格改定や客単価上昇・客数増加策などの展開が予想されており、また、新規出店や、DX化によるオペレーションや業務効率の改善による客数増加の取り組みが活発化するとみられています。
ファストフード店では、2024年にはInstagramやXをはじめとするSNSでのプロモーション、自社アプリでのクーポン配布などにより、価格改定によるユーザーの離反防止に成功したため、市場は拡大したとみられています。また、ハンバーガー店でのドリンクメニュー拡充や牛丼店でのアイドルタイム需要の獲得などにより、新規顧客開拓が進んでいます。
2025年は、上位チェーンによる新規出店のほか、新興チェーンの店舗数増加、セルフオーダーシステム導入による回転率向上などオペレーションの改善による客単価上昇、客数増加などで、市場は引き続き拡大するとみられています。
ファミリーレストランでは、2024年は、上位チェーンを中心に不採算店舗の整理を進めたことで、店舗数は減少しましたが、客単価上昇、客数増加に努めたことで市場は拡大しました。また、価格改定ではなく各種メニュー施策の実施により、客単価上昇と客数増加につながった例もみられました。
2025年は、前年にあまりみられなかった新規出店が行われていることから、店舗数は微減に留まると予想されています。消費者の節約志向の高まりを受けて、割安なメニュー展開や人気メニューの値下げなどにより、ユーザーの間口拡大や休眠ユーザーの掘り起こしを進めるチェーンもあり、市場は拡大するとみられます。
アジア・エスニック料理店では、2024年には、コロナ禍が収束し忘年会や新年会など宴会需要が拡大したほか、都市部やオフィス街を中心に客数が増加したことで市場は前年に続き拡大しました。全体の4割程度を占める焼肉料理店では上位チェーンでファミリー層を中心とした需要獲得が進み、好調でした。
2025年は、焼肉料理店では上位チェーンが出店攻勢を強めているほか、一般中華料理店や餃子専門店ではメニュー施策への注力度の高まりがみられ、市場は引き続き拡大が予想されています。
西洋料理店では、2024年には、イートインのうちディナーを中心とした客数増加のほか、価格改定による客単価上昇により市場が拡大しました。
2025年はフランス料理や高級イタリア料理が消費者の節約意識の高まりによる来店減少などから伸びが鈍化するとみられるが、カフェレストランがサードプレイスとしての利用が好調なこともあり、市場拡大が続く見通しです。。
日本料理店では、2024年には、訪日外国人客数が過去最高を記録したことによるインバウンド需要の増加を受け、市場が拡大しました。一方で、店舗数は不採算店舗の整理や個人店の廃業などにより減少が続いています。
2025年は、インバウンド需要の獲得やメニュー施策などにより引き続き市場拡大が予想されるが、価格の高騰による客離れが懸念されるほか、職人不足といった人手不足の課題解消は急務となっています。
◆注目個別市場サマリー
1.ドーナツ店市場

ドーナツをメインに販売するファストフード店を対象とする。ドーナツチェーンの派生ブランドや同一チェーン店名のテイクアウト専門店についても対象としています。
2024年は「ミスタードーナツ」「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が前年に続き店舗数増加と客単価上昇により好調となったほか、「ジャック イン ザ ドーナツ」が駅構内や商業施設への出店により幅広い世代で認知度が向上しており、市場は前年比2桁増となりました。さらには、セブン-イレブンや丸亀製麺"丸亀うどーなつ"といったドーナツ店以外によるドーナツの展開強化(市場対象外)など、ドーナツ自体への関心が高まりブームとなったことも追い風となりました。
2025年は上位チェーンの店舗数増加や積極的なメニュー展開により好調なことから、引き続き市場拡大が予想されています。新興チェーンによる参入や新規出店は旺盛なものの、中位以下の既存チェーンが注力度を増す動きはみられず、上位チェーンへの集約が進むとみられます。
2.セルフ式うどん店市場

うどんをメインに販売し、立ち食い形式、カウンター席またはテーブル席によるセルフサービスを主体とするチェーンを対象としています。
2024年は昨年まで多くのチェーンが実施した店舗整理が落ち着き、上位チェーンの積極的な新規出店により店舗数が増加したことに加え、猛暑で冷やしメニューが需要を獲得したほか、「丸亀製麺」が"丸亀うどーなつ"を発売しデザート需要を獲得したことで客単価上昇につながったため、市場は前年以上の伸びとなり、2桁増となりました。
2025年は原料価格の高騰が続き、上位チェーンによる価格改定が予想されるほか、小容量うどんメニューの展開によるサイドメニューの注文促進、おでんメニューの展開強化、高級食材を使用したメニューの投入などにより客単価上昇が進むとみられ、市場は引き続き拡大が予想されています。
3.ハンバーガー店市場

ハンバーガーをメインに販売する、客単価1,500円未満のファストフード店を対象とします。また、チキンバーガーをメインとする業態や同一チェーン店名のテイクアウトに特化した専門店についても対象としています。
2024年は「マクドナルド」が前年に続き既存店のリニューアルに注力したほか、セルフオーダー端末の設置による回転率の向上や客数増加がみられたことや、「モスバーガー」「バーガーキング」の新規出店による客数増加、付加価値メニュー投入に伴う客単価上昇により好調だったことから、市場は1兆円を突破しました。
2025年は上位チェーンによる店舗数増加や1店舗当たりの売上増により、市場が拡大するとみられています。近年はフード、ドリンク両方における付加価値メニューの強化が行われており、アイドルタイムをはじめ利用層の広がりがみられます。また、物価高の中で価格志向の消費者を取り込むため、「ファーストキッチン」や「マクドナルド」では割安なメニューを強化する動きもみられます。
4.イタリアFR市場

キッズメニューを設けるなど主に家族連れを想定した、テーブルサービスによりイタリア料理をメインに提供するレストランを対象としています。
2024年は店舗数の伸びは鈍化したものの、各チェーンのメニュー施策が奏功したことや、新興チェーンの「ピソラ」「オリーブの丘」が郊外をメインに新規出店を強化したことから、市場は前年比2桁増となりました。
2025年は各チェーンが出店を進めていることから、店舗数増加による市場拡大が予想されています。また、ほかのファミリーレストランと比較して価格優位性に優れるとして、「サイゼリヤ」への他業態からの需要流入が期待されています。
【参考】本記事で使用した『外食産業マーケティング便覧 2025 No.1』に掲載している調査対象市場
ファストフード店
- ハンバーガー
- チキン
- ドーナツ
- サンドイッチ
- クレープ
- アイスクリーム
- ラーメン
- カレーショップ
- ステーキ
- セルフ式そば
- セルフ式うどん
- クイックパスタ・ピザ
- 回転ずし
- 牛丼
- 天丼・天ぷら
- スタミナ丼
- とんかつ・かつ丼
- 唐揚げ
- 定食チェーン
- スープカフェ
- カルビ丼
ファミリーレストラン(FR)
- 総合FR
- 和風FR
- イタリアFR
- 中華FR
- チャンポンFR
- バイキングレストラン
アジア・エスニック料理店
- 韓国料理
- 焼肉料理
- ホルモン料理
- ジンギスカン専門店
- 高級中華料理
- 一般中華料理
- 餃子専門店
- メキシコ料理
- インド料理
- 東南アジア料理
西洋料理店
- フランス料理
- イタリア料理
- 高級イタリア料理
- アメリカ料理
- プレミアムハンバーガー
- スペイン料理
- ステーキ・ハンバーグレストラン
- シーフードレストラン
- オムレツ・オムライスレストラン
- カフェレストラン
日本料理店
- そば・うどん
- すし
- うなぎ
- てんぷら
- とんかつ
- すきやき・しゃぶしゃぶ
- 料亭・割烹
- もつ鍋
- お好み焼き
- 牛タン専門店
◆本記事は『外食産業マーケティング便覧 2025 No.1』より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。