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電力・ガスエネルギー関連の国内市場を調査。2040年度国内市場予測(2023年度比)で、グリーン電力市場は4兆7,359億円(6.9倍)と推計

株式会社富士経済では、インフラとしての安定化に加えて、ソリューションサービス事業の様々な展開がみられる電力・ガスエネルギー関連の国内市場、また、今後大幅な伸びが期待されるグリーンエネルギー市場について調査しました。グリーンエネルギーを含めた電力、ガス市場に加え、電力ビジネス支援サービスやエネルギー創出/削減サービス、脱炭素支援サービス市場の現状を分析し、将来を予想してします。本記事では当該資料から一部分となりますが全体像と注目市場を取り上げてご紹介します。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、『電力・ガス/グリーンエネルギー市場・企業戦略総調査 2025』をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

電力小売の国内市場

※新電力は旧一般電気事業者および発電・送配電事業者を除く小売電気事業者を対象としています。

2023年度は補助金に加え、燃料価格が比較的早くに落ち着きをみせたことや旧一般電気事業者各社が燃料費調整額の算定諸元の見直しを行ったことで市場は微減となりました。中期的には大規模LNGプロジェクトの運転開始を契機とした世界的なLNG余剰の発生により、電力価格の低下が期待されています。一方、長期的には電力系統の増強・整備による託送費の上昇から電力価格は再度上昇し、市場の拡大が予想されています。

新電力は、2023年度は前年度の電力価格の高止まりを受け高圧以上での営業活動が消極的であったことや、低圧での新規申込キャンペーンの縮小などにより、前年度比20%近い縮小となりました。しかし、2024年度はスポット市場価格の低下を受けて、新電力の積極的な拡販の動きがみられており、2024年度の新電力シェアは2022年度を上回るとみられ、今後のシェア拡大も予想されています。

◆注目個別市場サマリー

1.グリーンエネルギーの国内市場

2040年度国内市場予測(2023年度比)で、グリーン電力市場は、4兆7,359億円(6.9倍)、脱炭素化への継続的な取り組みが広がることで長期的に拡大と見込んでいます。

グリーン電力の市場は、RE100やESG投資など環境価値への意識向上や政策動向を背景に大きく伸びています。現状、特別高圧向けが5割以上を占めており、ユーザーは製造業や小売・流通などのグローバル企業を含む大企業、自治体や官公庁などが中心となっています。PPAサービスを含めた太陽光発電の導入と併用し、不足電力分をグリーン電力の調達でカバーするケースが多くみられています。低圧電灯(家庭向け)のグリーン電力料金メニューをラインアップする事業者が増えていますが、新電力では、環境価値を含まないFIT電力を供給するメニューも多く、積極的に展開する事業者は一部にとどまっています。今後も、大手企業やグローバル企業を中心に2050年度のカーボンニュートラル達成目標に向けて、脱炭素化への継続的な取り組みが広がることに伴い、長期的に市場拡大が続くと予想されています。

カーボンニュートラルLNG・カーボンオフセット都市ガスは、天然ガスの利用工程で発生する温室効果ガスをクレジットで相殺することにより、実質的な温室効果ガス排出量をゼロとみなす都市ガスを対象とします。新規事業者が増加していることや、既存事業者でも供給件数が増加していることにより、市場の拡大が続いています。特に、政府が自治体主導の「地域脱炭素化」を重要施策に位置付けたことから自治体への導入が増えています。カーボンニュートラルLNGに使用されるボランタリークレジットは、海外で品質・活用に関する制度設計の議論が急速に進展しており、特にScope3領域の削減策として注目されています。また、日本国内の法律にも対応しているJ-クレジットの活用に多くの事業者が関心を示しており、参入が増えるとみられています。今後J-クレジットによるオフセットも増加するとみられます。

カーボンニュートラルLPガスは、LPガスの利用工程で発生する温室効果ガスをクレジットで相殺することにより、実質的な温室効果ガス排出量をゼロとみなすLPガスを対象としています。2022年度より各社が順次取り扱いを開始し、市場は拡大しています。2024年度は元売各社の販促活動により認知度が向上したことに加え、企業における環境意識の高まりで伸びるとみられています。中長期的には2026年度より本格導入されるカーボンプライシングの排出量取引制度が市場の追い風になるとみられ、カーボンニュートラルLPガスの導入障壁となっているコストの軽減につながるため、利用が進むと予想されています。

2.市場連動型電力小売

2040年度国内市場予測(2023年度比)で、市場連動型電力小売市場は、5,632.6億kWh(51.2%増)、市場価格低下に伴い供給量拡大で伸長と見込んでいます。

JEPX スポット市場のボラティリティ(変動性)を小売料金単価へ反映させるダイナミック・プライシングとなっています。電力量料金の単価を市場価格に連動させる料金単価連動型と、燃料費調整額の中で各社の電源調達構成に応じてJEPX スポット市場からの調達分を市場価格に連動させて算定する電源調整項目型に分類されます。

現状は電源調整項目型が主流となっています。2022年度に多くの旧一般電気事業者が料金プランの改定を実施しましたが、その際に高圧以上では電源調整項目が設定されたケースが多く、新電力の大半は旧一般電気事業者の燃料費調整額算定にリンクさせていたことにより、電源調整項目型が伸びています。料金単価連動型も高圧以上がメインとなっています。2023年度からスポット市場価格が低く推移していることから、料金単価連動型の市場連動プランにより需要家はコストメリットを享受できるため、小売電気事業者の展開も積極的であり、市場は伸びています。2024年度の上半期もスポット市場価格が落ち着いた水準にあり、市場連動プランを提案する小売電気事業者が増えています。また、新電力による低圧向けの展開も進んでいます。将来的にはLNG価格の下落による市場価格の低下・安定が予想され、さらに普及するとみられています。

3.ETRMシステム

2040年度国内市場予測(2023年度比)で、ETRM(Energy Trading and Risk Management)システム市場は、234億円(117.0倍)、ユーザーの広がりやサービス機能の拡充で大きく伸びると見込んでいます。

ETRM(Energy Trading and Risk Management)システムは、エネルギー取引にかかわる情報を管理、分析、評価することでバリューチェーンにおけるリスクを可視化し、関連情報をタイムリーに提供するシステムです。市場は導入社の利用料金で算出しています。

2022年に経済産業省より安定的な電力サービス実現に向けたリスクマネジメントに関する指針が示され、小売電気事業者に対して変動リスクの定常的管理が望まれるようになったため、このシステムの必要性が高まっています。需要増加に伴い参入が増えたことから、市場が拡大しています。今後、電力供給に関する制度の複雑化・多様化や、電力先物商品の拡充などに伴い、リスク要因の分析要素が増加し、システムの拡張が進むことからランニングコストの上昇が予想され、市場は拡大を続けるとみられます。大手発電・ガス事業者や小売電気事業者が主要ユーザーとなりますが、FIP(Feed-in Premium)の進展や発電抑制のリスクなどを受けて再エネ発電事業者などの導入もみられます。今後、中堅の新電力など中小規模事業者向けに機能を限定した低価格帯のサービス提供も進むと予想されています。

4.CO2算定・可視化サービス

日々の企業活動データを入力して算出されるCO2排出量を可視化するプラットフォーム提供サービスを対象としています。クラウド型のSaaSでの提供が大半となっています、市場は導入社の利用料金で算出しています。なお、システムの安定稼働のための支援サービスやSX(Sustainability Transformation)コンサルティングなどのサービスも含みます。

日本では2022年度からプライム市場に上場する事業者に対し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)または、同等の開示が実質義務化されています。それを受けて、自動車関連の大手製造業を中心にCO2の算定/可視化への取り組みが始まり、Scope3までの算定を行う中でサプライチェーン企業にも導入が広がっており、市場は急拡大しています。2024年度の市場は350億円が見込まれています。今まではシステムの安定稼働のための支援サービスの比率が高かったが、今後は簡易的な可視化サービスのみの利用が増えるとみられています。上位の事業者が業績を伸ばしているが、需要の高まりを受けて新たな参入も多くみられます。システム・データ連携による機能拡充や、AIを活用した業務効率化に関するサービスなど、各事業者が急速に新しい機能を追加しており、今後競争の激化が予想されています。

【参考】本記事で使用した『電力・ガス/グリーンエネルギー市場・企業戦略総調査 2025』に掲載している調査対象市場

電力・ガス市場

  • 電力小売
  • 市場連動型電力小売
  • 都市ガス小売
  • LPガス小売
  • 国内発電量・電源ミックス推移

グリーンエネルギー市場

  • グリーン電力
  • カーボンニュートラルLNG・カーボンオフセット都市ガス
  • カーボンニュートラルLPガス

電力ビジネス支援サービス

  • 電力BPOサービス
  • 電力CIS
  • ETRMシステム

エネルギー創出/削減サービス

  • オンサイトエネルギーサービス/ESP
  • 太陽光発電PPAサービス

脱炭素支援サービス

  • CO2算定・可視化サービス
  • 脱炭素コンサルティングサービス

主要企業戦略

  • 27社

◆本記事は『電力・ガス/グリーンエネルギー市場・企業戦略総調査 2025』より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。