株式会社富士経済は、AIや再生可能エネルギーなどの普及に伴いパワー半導体の用途が多岐にわたるようになったことで、需要の増加と多様化が進んでいるパワー半導体向けウエハーの世界市場を調査し、その結果を「2025年版 パワーデバイス向けウェーハ市場の最新動向・技術トレンド」にまとめました。
この調査では、パワー半導体向けウエハー8品目を対象に、市場の動向やトレンド、技術課題・方向性、製品展開・開発状況を把握し、将来を展望しました。また、主要パワー半導体メーカーのウエハー調達・アライアンス動向、ウエハーメーカーの設備投資動向なども整理しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2025年版 パワーデバイス向けウェーハ市場の最新動向・技術トレンド」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
パワー半導体向けウエハーの世界市場
シリコンウエハー市場は、シリコンパワー半導体市場に連動して2024年は縮小しましたが、2025年以降は堅調な拡大が予想されます。
SiCウエハー市場は2024年にシリコンウエハーの市場規模を上回りました。欧米を中心としたEV化の失速、中国メーカーの台頭による単価の下落が懸念されますが、今後も拡大が予想されます。
GaN単結晶ウエハー市場や酸化ガリウムウエハー市場は、6インチウエハーの実用化により拡大が予想されます。
ダイヤモンドウエハー、窒化アルミニウムウエハー、二酸化ゲルマニウムウエハーといった次々世代ウエハーは、開発が進められていることから今後の市場形成が期待されます。
◆注目個別市場サマリー
1.SiCウエハー
SiCウエハーは、絶縁破壊電界強度に加えて、熱伝導性や電力変換などの性能面においても、シリコンウエハーを上回る特性をもっています。ここでは、パワー半導体向けに外販されるベアウエハーを対象としました。
2024年は、SiCパワー半導体の需要鈍化の影響を受けましたが、中国ウエハーメーカーを中心に販売が増加したことから、販売数量(㎡)は前年比81.9%増となりました。一方、中国ウエハーメーカーによる安価な製品の販売が増えたことで、6インチウエハーの単価が下落し、市場は同46.1%増にとどまりました。2025年は、パワー半導体メーカーがSiCパワー半導体8インチラインの設備投資を先送りにしていることなどにより、販売数量(㎡)、市場は、共に前年比20%増程度にとどまるとみられます。今後は、8インチウエハーの販売増加による市場拡大が予想されます。ただし、中国ウエハーメーカーが安価なウエハーを展開していることから単価が下落しており、販売数量(㎡)は順調に伸びるものの、市場は販売数量(㎡)ほどの伸びにはならないと予想されます。
現状では、4インチ、6インチ、8インチのウエハーが展開されていますが、6インチウエハーが販売数量(枚数)の9割以上を占めています。主要パワー半導体メーカーが6インチウエハーによる生産を行っているため、今後も6インチウエハーが中心になるとみられます。4インチウエハーは、中国など一部エリアでの展開であるため引き続き減少し、8インチウエハーは、中国などで外販が始まっているため2026年以降急激に増加すると予想されます。
2.次々世代半導体ウエハー
次々世代半導体ウエハーとして、ダイヤモンドウエハー、窒化アルミニウムウエハー、二酸化ゲルマニウムウエハーの開発が進められています。
ダイヤモンドウエハーは、単結晶ウエハーやヘテロエピ成長によるウエハーの開発が進められており、2026年から市場が立ち上がると予想されます。現状は1インチウエハーや15mm角の単結晶ウエハーの開発が進められていますが、ウエハーメーカー各社は2インチウエハーの早期実用化を目標に掲げています。2インチウエハーの実用化によって、ダイヤモンドパワー半導体の市場形成が加速するとみられます。窒化アルミニウムウエハーは、4インチウエハーのサンプル出荷が既に開始されており、使用可能領域も拡大していることから、今後の本格量産が期待されます。二酸化ゲルマニウムウエハーは、6インチエピウエハーの展開が予定されており、2030年にかけて販売が開始されるとみられます。
【参考】本記事で使用した「2025年版 パワーデバイス向けウェーハ市場の最新動向・技術トレンド」に掲載している調査対象市場
ウエハー
- シリコンウエハー
- SiCベアウエハー
- SiCエピウエハー
- GaNウエハー
- 酸化ガリウムウエハー
- ダイヤモンドウエハー
- 窒化アルミニウムウエハー
- 二酸化ゲルマニウムウエハー
事例分析
- 主要ウエハーメーカー6社
◆本記事は「2025年版 パワーデバイス向けウェーハ市場の最新動向・技術トレンド」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。