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新型・次世代太陽電池市場を調査。ペロブスカイト太陽電池の2040年世界市場を2兆4,000億円(2023年比64.9倍)

株式会社富士経済は、軽量性やフレキシブル性、製造コスト低減の可能性などから普及が期待され、商用化に向けて量産や施工の技術開発、実証が活発化している新型・次世代太陽電池市場を調査しました。その結果を「2024年版 新型・次世代太陽電池の開発動向と市場の将来展望」にまとめました。

この調査では、新型・次世代太陽電池の本命と目されるペロブスカイト太陽電池を始め、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池などの市場を捉え、2040年までの長期動向を展望しました。また、参入企業20社の開発状況・計画などをまとめました。
※世界市場は年次、国内市場は年度でとらえました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2024年版 新型・次世代太陽電池の開発動向と市場の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆注目個別市場サマリー

1.ペロブスカイト太陽電池(PSC)

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製造工程が少なく低コスト化が期待できることや、軽量化・薄膜化が可能であることから次世代太陽電池の本命と目されています。特にフィルム基板型PSCは "曲がる太陽電池"として注目を集めています。C-Si(結晶シリコン)をはじめとする、既存太陽電池からの置き換えや、高効率なPSC/C-Siタンデム型の普及により市場が拡大していくと予想されます。

本格的な量産は2020年代後半になるとみられ、2040年の世界市場は2兆4,000億円が予測されます。中国を始めとする海外企業では、2025年から2030年ごろにかけてギガワット級の生産体制を構築する計画が増えており、日本企業より先行して量産化に向けた動きが進んでいます。

国内では、試験的な少量生産やサンプル出荷が始まっており、積水化学工業、東芝、パナソニックなどが先行しているほか、大学発ベンチャーやケミカル系メーカーの参入も増加しています。商用化は2025年ごろとみられ、その後市場は中長期的に拡大すると予想されます。BIPV(建材一体型太陽電池)やBAPV(建物据付型太陽電池)向け、PSC/C-Siタンデム型の開発・生産によって急成長が期待でき、2040年度の市場は233億円が予測されます。また、経済産業省がPSCを念頭においた新たなFIT買取区分の議論を本格化することを表明しており、政策の後押しも期待されます。

2.PSC市場の基板別構成比の推移

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フィルム基板型は、軽量で応用製品の重量制限が少ないうえ、将来的には印刷技術を応用した量産化による生産コストの低減も期待されています。建物の壁面や窓、電気自動車などへの搭載に向けた研究開発が進められており、2030年以降に本格的な市場が立ち上がり、2040年の世界市場は5,100億円が予測されます。用途では軽量・フレキシブルという利点を生かし、BIPV向けを中心に様々な用途で活用されていくと予想されます。課題は耐久性の低さや大型化であり、解決に向けた研究開発が進められています。

ガラス基板型は既存のC-Si生産ラインを活用した製造が可能であることや、応用製品の用途が広いこと、耐久性や歩留まりといった生産技術の観点で難易度が低いことから将来的にも市場の多くを占め、2040年の世界市場は1兆8,900億円が予測されます。2024年時点ではBAPV向けを中心とした商用化が進んでおり、中国企業を中心に量産設備の稼働も増えています。

国内では、参入企業の開発注力度の高さから、当面はフィルム基板型が50%以上を占めるとみられます。PSC市場の拡大にともなってガラス基板型も増加し、2040年度の構成比は30%程度に落ち着きますが、海外と比較してフィルム基板型が多くを占めると予想されます。

3.色素増感太陽電池(DSC)

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2023年の世界市場は110億円となりました。無線通信やセンサー用途での商用化が先行していましたが、近年は消費者向けの電子機器や充電器などの用途開拓が進められています。製品当たりの搭載容量が小さいことが課題であり、将来的な市場は他の新型太陽電池と比較して小さく留まると予想されます。

4.有機薄膜太陽電池(OPV)

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IoT機器向けや電子機器向けに加え、屋外での長期利用(20年間)を想定したBIPV/BAPV向けでも商用化が進んでいます。軽量・薄膜・フレキシブルで鉛不使用という特性を生かした用途開拓で、DSCやPSCと棲み分けることにより、一定の市場規模を確保すると予想されます。一方でPSCの開発に軸足を移す企業も増えており、海外ではOPV生産設備の売却事例もみられます。

【参考】本記事で使用した「2024年版 新型・次世代太陽電池の開発動向と市場の将来展望」に掲載している調査対象市場

新型・次世代太陽電池

  • 色素増感太陽電池(DSC)
  • 有機薄膜太陽電池(OPV)
  • ペロブスカイト太陽電池(PSC)
  • その他新型・次世代太陽電池

    ※その他新型・次世代太陽電池は市場規模を算出していません

企業事例

  • 色素増感太陽電池 2社
    リコー、Exeger Operations
  • 有機薄膜太陽電池 2社
    東洋紡、Heliatek
  • ペロブスカイト太陽電池 16社
    パナソニック、東芝、積水化学工業、アイシン、シャープ、ペクセル・テクノロジーズ、 フジコー、PXP、Saule Technologies、Oxford Photovoltaics、UtmoLight(極電光能)、PEROVS(衆能光電)、Microquanta Semiconductor(繊納光電)、GCL Optoelectronics Material(協鑫光電)、INFI-SOLAR(無限光能)、Photon Crystal Energy(光晶能源)

◆本記事は「2024年版 新型・次世代太陽電池の開発動向と市場の将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。