株式会社富士経済は、外出機会の増加でコロナ禍からの需要回復が進むメイクアップ化粧品、インバウンド需要の拡大や付加価値商品が好調なボディケア用品の市場を調査し、その結果を「化粧品マーケティング要覧 2024 No.3」にまとめました。
この調査では、化粧品市場のうち、メイクアップ化粧品10品目、ボディケア用品6品目の市場について、現状を捉え、今後の方向性を予想しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「化粧品マーケティング要覧 2024 No.3」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.メイクアップ化粧品の国内市場
2023年は、新型コロナウイルス感染症流行の収束からファンデーションやメイクアップベース、リップカラーの需要回復が進みました。これらはロングラスティング効果(塗布した状態が長持ちする効果)に加えて、艶などの質感や色味などの仕上がりを重視する消費者が増えたため、高価格帯アイテムの需要が高まったほか、韓国コスメやインフルエンサーブランドで複数色を購入するケースもみられたことが要因となっています。アイメイクも"マスクメイク"からのトレンド変化によって大きく伸びました。2024年も、「メイクアップを楽しみたい」とする消費者の意識が高まっており、仕上がりや色味の使い分けなどにより複数商品の購入がみられるほか、インバウンド需要の回復が進むブランドもみられ、市場拡大が続くと予想されます。
ベースメイク(メイクアップベース、ファンデーション、フェイスパウダー)は、2023年は、新型コロナの5類移行を受けた外出機会増加による"脱マスク"で顔全体を見せる機会が増えたことから、需要回復が遅れていたファンデーションやメイクアップベースが伸びました。ロングラスティング効果に加えて、カバー力や艶感といった仕上がりに対するニーズも高まり、SNSやクチコミで評価が高い高価格帯アイテムが好調でした。また、顔の立体感の演出を訴求したアイテムやシェーディングが好調、加えてインバウンド需要の回復もみられたため、市場は大きく拡大しました。
2024年は、様々な商品の値上げが進んでいますが、ベースメイクは仕上がりを重視する消費者が多いことから、プレステージブランドに対する需要は根強く、インバウンド需要も順調で市場は好調です。メイクトレンドでは艶感のある仕上がりが継続して人気でありつつも、セミマットながら艶もある質感を打ち出した商品の投入などによるバリエーションの拡充が進んでいます。仕上がりの異なるアイテムを使い分ける消費者も増えており、市場は伸びが続くとみられます。
ポイントメイク(アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、チークカラー、リップカラー、ネイルカラー・ネイルケア)は、2023年は、"脱マスク"が進んだため、リップカラーやチークカラーの需要が回復し、一部ではインバウンド需要も好調だったため、市場は拡大しました。リップグロスやプランパーで艶感やボリューム感を出すリップメイクや、コンシーラーカラーのアイブロウマスカラなどで眉の印象を抑えた"うす眉"メイクなどがトレンドとなり需要喚起につながりました。
2024年は、本格的にリップカラーやチークカラーの使用を再開するユーザーが増加し、ポイントメイク全体で質感や絶妙な色味へのニーズが高まっているため、外資系プレステージブランドなどは値上げに関わらず好調です。コロナ禍ではマスクに隠れていた顔のパーツのバランスを整える新たなメイクトレンドや、"顔タイプ別"の商品提案により需要喚起が進み、市場拡大が予想されます。
メイクアップベース
2023年は、"脱マスク"が進んだことから、ベースメイクの仕上がりに対する関心が高まり、ライトメイク層でも肌の色ムラや毛穴などの高いカバー力を訴求した商品が人気だったほか、インバウンド需要の回復により訪日外国人観光客の指名買いにより実績を伸ばす商品も登場し、市場は拡大しました。
2024年も、ファンデーションの需要回復が進んでおり、メイクアップベースについても需要増加が続いています。色ムラや毛穴のカバー、皮脂くずれ防止など明確な機能を打ち出した商品が好調であり、また、肌の状態や求める仕上がりなどに応じた使い分けなども進んでいるため、市場拡大が続くとみられます。
販売チャネル別では、化粧品専門店、薬局・薬店や百貨店、ドラッグストア、バラエティショップが好調です。化粧品専門店、薬局・薬店は新ブランドの導入によりベースメイクを強化する動きが活発化したことから、大きく伸びました。百貨店はインバウンド需要の回復が顕著で、「クレ・ド・ポー ボーテ」(資生堂)などが大きく伸びたほか、国内需要もカウンターでのタッチアップにより毛穴カバーやトーンアップ効果などを消費者が体感できることから需要喚起が進みました。ドラッグストアはカウンセリングブランドがスキンケア効果や皮脂くずれ防止機能などを訴求して好調だったほか、セルフブランドでは韓国ブランドのクッションファンデーションの好調を受けてメイクアップベースも取り扱う店舗が増えました。バラエティショップは韓国・中国ブランドを積極的に展開し若年層の取り込みが進んでいるほか、新興ブランドの壁面什器を導入する店舗なども増え、コスメ感度の高い層からマス層へと顧客層を開拓し伸びています。
2.ボディケア用品の国内市場
ボディケア用品は、リップクリーム サンタン・サンスクリーン 除毛・脱毛料 ボディシャンプー、ボディクリーム・ローション バスプロダクツを対象とします。市場はボディシャンプーとボディクリーム・ローションで6割を占めています。また、夏季のサンタン・サンスクリーン、冬季のリップクリームやボディクリーム・ローションなどの需要は天候に左右されます。
2023年は、外出機会の増加を受けて、サンタン・サンスクリーンで塗り直しがしやすいスティックやミストタイプの商品投入が需要喚起につながったほか、ベースメイクの代替としてトーンアップ訴求のアイテム投入が活発化したことで大きく伸びました。リップクリームは"脱マスク"により、唇の乾燥ケアに対する消費者意識が高まったことやカラーリップの使用回数が増えたことで市場は拡大しました。
2024年は、各品目でインバウンド需要の増加が期待されるほか、旅行やレジャーシーンの本格的な回復からサンタン・サンスクリーンが引き続き伸びるとみられます。また、消費者のセルフ美容意識は依然として高いことから、リップクリームやボディシャンプーではスキンケア効果をはじめ付加価値品が発売されており、市場拡大が続くと予想されます。
サンタン・サンスクリーン
サンタンは紫外線から肌を守り均一な小麦色の肌を作る化粧料、サンスクリーンは紫外線から肌を保護し、日焼けを防ぐ化粧料です。サンスクリーンが大部分を占めています。
2023年は、外出機会の本格的な回復や、需要期となる夏の気温が前年と比べ高く、また、残暑が長引いたことから、消費者のUVケア意識は高まりました。また、耐水性など付加価値化や、肌に塗りやすいスプレータイプの売上が好調だったことから市場は大幅に拡大しました。
2024年も、日焼け止めの使用習慣が根付き通年使用する消費者が増えていることから好調です。また、各メーカーから紫外線対策だけでなくスキンケアやメイクアップの訴求、環境に配慮した処方など幅広いニーズに応えた商品が発売されていることから、引き続き二桁の伸びが予想されます。
【参考】本記事で使用した「化粧品マーケティング要覧 2024 No.3」に掲載している調査対象市場
メイクアップ化粧品
- メイクアップベース
- ファンデーション
- フェイスパウダー
- アイシャドウ
- アイライナー
- アイブロウ
- マスカラ
- チークカラー
- リップカラー
- ネイルカラー・ネイルケア
ボディケア用品
- リップクリーム
- サンタン・サンスクリーン
- 除毛・脱毛料
- ボディシャンプー
- ボディクリーム・ローション
- バスプロダクツ
◆本記事は「化粧品マーケティング要覧 2024 No.3」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。