株式会社富士キメラ総研は、脱プラスチックなど世界的な環境対応ニーズの高まりに対し、バイオ樹脂やリサイクル原料の採用、マスバランス方式の検討が進むプラスチックフィルム・シートの市場を調査しました。その結果を「2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」にまとめました。
この調査では、プラスチックフィルム・シートのリサイクル動向、バイオ樹脂やリサイクル原料等の採用状況を数量ベースの市場規模で捉えました。プラスチックフィルム・シート41品目の世界市場・国内市場や注目市場について7月22日に発表しています。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.環境対応フィルム・シートの販売量(2023年、国内)
調査対象41品目のうち原料にバイオ由来樹脂、MR(マテリアルリサイクル)由来樹脂、CR(ケミカルリサイクル)由来樹脂、その他環境対応素材を採用した環境対応型製品の構成比が高いのは、A-PET・O-PETシート、PP系シート、PE系フィルムです。セロハン、PLAフィルム・シート、生分解性プラスチックフィルム・シートはバイオ樹脂原料が前提であるため除外しました。
A-PET・O-PETシートは、環境対応型の構成比が50%以上に達しており、PETボトル由来の再生ペレットの活用を主体に、バイオ由来樹脂も一定量活用されています。PP系シートやPE系フィルムでは10%以上が環境対応フィルム・シートであり、どちらもバイオ由来樹脂が用いられています。
そのほかの品目では、環境対応型製品の構成比は10%未満であり、コストの問題や、技術開発段階、検討段階にとどまるものも多く、普及はこれからとみられます。
2.カットロスなどの再利用・排出量(国内)
再利用は製造時のカットロスを成膜するなどして、再び自社で活用するものを対象とします。排出は他社へ販売しリサイクルされるものや、リサイクルに適さず固形燃料として利用されるもの(RPF)、焼却、産廃処理などで処分されるものを含みます。再利用量・排出量はフィルム・シートの生産量をベースに算出しています。一般的に、生産量に対してフィルムは5%ー10%、シートは10%ー20%のカットロスが発生するとみられます。
汎用樹脂
汎用樹脂では、カットロスの再利用が一般的であり、特にPP系やPS系で生じるカットロスはほぼすべてが再利用されているとみられます。排出のうち70%以上はリサイクルされており、PO系フィルムの業務用ラップフィルムや、EVOH系フィルム、EVOH系共押出シートといった、再利用が難しい製品がリサイクルで処理されていますが、残りは透明性の低下など品質面でリサイクルが難しく、RPFや廃棄、焼却処分されます。
実現には時間を要するとみられますが、現状産業廃棄物として回収されているものが、将来的にケミカルリサイクルで再利用されることが期待されます。
エンプラ、他
エンプラ、他もカットロスは再利用されることが多く、A-PET・O-PETシートやPETフィルム(包装用、工業用・他)ではロスの全量が再利用されます。光学用のCOP・COCフィルムやPETフィルムは光学特性が低下するため、再利用が難しいほか、PIフィルムは熱硬化性樹脂であり再融溶によるフィルム化ができません。また高い物性が求められるスーパーエンプラ(LCPフィルム、PPSフィルムなど)も現状では廃棄が一般的です。PAフィルムなどの一部はマテリアルリサイクルされています。
【参考】本記事で使用した「2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
汎用樹脂フィルム・シート
- PVCフィルム
- PE系フィルム
- PPフィルム
- PP系シート
- PO系フィルム
- PSフィルム
- HIPSシート
- OPSシート
- PVAフィルム
- EVOH系フィルム
- EVOH系共押出シート
- PVDCフィルム
- PVDC系共押出フィルム
- EVAフィルム
- アクリル系フィルム(光学用)
- アクリル系フィルム(非光学用)
- PMMAシート
- セロハン
- TACフィルム
- PLAフィルム・シート
- 生分解性プラスチックフィルム・シート
エンプラフィルム・シート、他
- PAフィルム
- PCフィルム
- PCシート
- COP・COCフィルム
- PETフィルム(包装用)
- PETフィルム(光学用)
- PETフィルム(工業用・他)
- A-PET・O-PETシート
- PBTフィルム
- 超高分子量PEフィルム・シート
- PTFEフィルム・シート
- ETFEフィルム
- PVF・PVDFフィルム
- PCTFE・FEP・PFAフィルム
- LCPフィルム
- PIフィルム
- PPSフィルム
- PEEKフィルム
- 合成紙
- フィルム代替紙製品
◆本記事は「2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。