株式会社富士キメラ総研は、2023年まではTVやPC、スマートフォンなどの生産調整の影響を受けましたが、今後、短期的にはパネルサイズの大型化やアプリケーション市場の回復による成長、その後は車載ディスプレイやAR/VR向けの伸びが期待されるディスプレイデバイスと関連部材の世界市場を調査しました。その結果を「2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」にまとめました。
この調査では、ディスプレイデバイス12品目、関連部材25品目について最新の市場をまとめ、将来を展望しました。また、TVやPCモニター、スマートフォン、車載ディスプレイといった主要なアプリケーション別の採用動向を捉えました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.ディスプレイデバイスの世界市場
2023年は、主要用途であるTVやPCモニター、ノートPC、スマートフォンなどの市場が低迷したことでディスプレイデバイスの出荷枚数も減少しましたが、TVパネルの大型化の進行や円安により市場は前年比0.4%増の15兆6,126億円となりました。
2024年もアプリケーション市場の回復は弱いですが、PCモニター市場が回復するほか、TV向けではパネルの大型化が追い風となり伸びが続くとみられます。
タイプ別では、用途が広いa-Si TFT LCDを中心としたTFT LCDがメインですが、今後はAMOLEDが成長し、市場をけん引していくとみられます。マイクロディスプレイはAR/VR機器への採用で伸び、マイクロLEDディスプレイ(以下、マイクロLED)は、2025年以降本格的に市場が立ち上がると予想されます。
AMOLEDは、2023年はハイエンドTV市場の減少によってW-OLEDが苦戦しましたが、円安の影響で市場は前年を上回りました。品目別では中国OLEDメーカーが安価で供給するRGB蒸着プラスチックOLEDや、フォルダブル型スマートフォン向けのRGB蒸着フォルダブルOLEDが伸びました。今後はタブレット、ノートPCといったIT機器、スマートフォンでTFT LCDからの移行が進むほか、車載ディスプレイでは高級車を中心にAMOLEDの搭載が進むため、成長が期待されます。
マイクロディスプレイやマイクロLEDは、今後AR/VR機器への採用で成長していくと予想されます。短期的にはスマートグラスやハイエンドHMDに採用されているマイクロOLEDが伸びます。将来的にはフルカラーマイクロLEDが量産化され、小型化と高輝度を実現するディスプレイとしてスマートグラス向けに急拡大すると予想されます。
2.ディスプレイ関連部材25品目の世界市場
2024年は、アプリケーション市場の回復が低調ですが、PCモニター市場の回復やTVパネルの大型化による関連部材の需要増加に加え、円安の影響もあり市場は前年を上回るとみられます。
今後はLCD・OLED共通関連部材や、LCD関連部材はほぼ横ばいで、OLED関連部材が伸びると予想されます。2024年にAppleのタブレット端末「iPad Pro」にOLEDが採用され、2020年代後半には「MacBook Pro」でもOLEDの採用が始まり、IT機器向けを中心とした伸びが期待されます。また、今後はフォルダブル型スマートフォンの展開に伴い、カバーガラスとしてフレキシブルガラスが大きく伸びるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.車載ディスプレイ
車載用CID(センターインフォメーションディスプレイ)、車載メーター、その他の車載ディスプレイ(HUD、ドライブレコーターなど)に採用されるTFT LCDとAMOLEDを対象とします。
CASEに代表される自動車の技術革新によってディスプレイの表示情報が増えることに伴い、車載ディスプレイの搭載率や搭載枚数が増加し、ウルトラワイドディスプレイの採用など大型化も進むことから2029年の市場は1兆7,091億円になると予測されます。
現状ではa-Si TFT LCDが主力ですが、車載CID向けパネルにおけるインセル対応増加や車載HUD向けパネルの増加によりLTPS TFT LCDが伸び、2029年時点では規模が逆転しているとみられます。また車載CIDやRSE(リアシートエンターテイメントシステム)を中心にOLEDの需要が増加すると予想されます。CIDでは、ディスプレイの大型化やウルトラワイドパネルの採用車種の増加により、大型パネルの製造に優位性のあるOxide TFT LCDの採用が増えるとみられます。
2.AR/VR向けマイクロディスプレイ
HMDとスマートグラスに搭載されるマイクロOLED、LCOS、DLP、マイクロLEDを対象とします。
2020年代後半から2030年ごろにかけて、中国メーカーやAppleなどの米国大手ITベンダー・スマートフォンメーカーなどがスマートグラスを発売する予定であり、それに伴って市場は急拡大が予想されます。
現在はマイクロOLEDが主体であり、動画視聴用のスマートグラスでの需要増加に加え、Appleの「Vision Pro」で採用されたことでHMD向けも伸びています。HMDメーカー各社が注力するハイエンド機種では、マイクロOLEDの採用が主流になることから、今後も伸びが予想されます。
スマートグラスおいてはスマートフォンと連携した使用や、小型で長時間装着できる機器の開発が目指されています。そのため、将来的には高輝度と小型化が両立可能で導波路との組み合わせに適したマイクロLEDが大きく成長すると予想されます。
【参考】本記事で使用した「2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
ディスプレイデバイス
- a-Si TFT LCD
- LTPS TFT LCD
- Oxide TFT LCD
- W-OLED
- QD-OLED
- RGB蒸着リジッドOLED
- RGB蒸着プラスチックOLED
- RGB蒸着フォルダブルOLED
- マイクロOLED
- LCOS
- DLP
- マイクロLED
ディスプレイ関連部材
LCD・OLED共通関連部材
- ガラス基板
- カラーレジスト
- ブラックレジスト
- 表面処理フィルム
- ACF
- DDIC
LCD関連部材
- 配向膜材料
- 液晶材料
- シール剤
- 偏光板
- 偏光板保護フィルム・位相差フィルム
- QDシート・QD拡散板
OLED関連部材
- フレキシブルガラス
- 円偏光板
- 円偏光板保護フィルム・位相差フィルム
- Y-OCTA用オーバーコート剤
- OLED用封止材
- 蒸着型発光材料
- 電荷発生材料
- TFT基板用PIワニス(有色・透明)
- OLED用バンク材・平坦化材料
- QDインク
タッチパネル関連部材
- 車載カバーガラス
- OCA
- OCR
◆本記事は「2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。