株式会社富士経済は、都市部の大規模再開発や産業施設新設の増加によって需要が増えるほか、低GWP冷媒R32を採用した製品の増加による影響がみられる熱源・空調(二次側)関連機器の国内市場を調査しました。その結果を「HVAC機器・関連ビジネス市場の全容 2024」にまとめました。
この調査では、熱源・空調(二次側)関連機器16品目を対象に、市場の現状を明らかにし、将来を展望しました。また、設計施工やメンテナンスなど関連7業態および需要側10分野の動向についても調査を行いました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「HVAC機器・関連ビジネス市場の全容 2024」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
熱源・空調(二次側)機器の国内市場
更新需要に加え、都市部を中心とした大規模再開発や産業施設新設の増加によって、2024年の市場は拡大が予想されます。2025年の市場も同様の動きが想定されます。
また、2025年から2030年までは、特にデータセンターや半導体工場をはじめとする産業施設新設で需要が増加し、市場拡大が予想されます。2030年以降は、産業施設新設の減少により需要が落ち着くとみられ、市場は微増で推移するとみられます。
温熱・冷熱を作り出す熱源機器は、大規模再開発や産業施設新設の増加によってチリングユニットやターボ冷凍機、冷却塔などが伸びており、部品・部材価格の高騰などによる製品価格の上昇もあり市場が拡大しています。中長期的には、コンデンシングユニットや吸収式冷凍機の伸びが予想されます。人件費や搬送費の増大、また、R32の冷媒を採用したビル用マルチエアコンの安全装置の設置に伴う製品価格上昇などにより、市場拡大が予想されます。
熱源機器で作り出した温熱・冷熱を運ぶ空調(二次側)機器の近年の伸びは、部品・部材価格の高騰による影響が大きいです。2030年までは、微熱性冷媒R32(低GWPで環境対応ですが、冷媒が漏えいした際のリスクが高い)の採用を控えるビルオーナーが増えるとみられ、水冷媒を使うエアハンドリングユニットやファンコイルユニットなどの伸長が予想されます。また、エアハンドリングユニットは、新設のデータセンター需要も後押しとなり大きく伸びるとみられます。2030年以降は、産業施設新設の減少に伴って、市場は微減推移が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.ビル用マルチエアコン【熱源機器】
中規模ビルで需要が高く、近年は更新需要が堅調なため、市場は拡大しています。2025年から「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」に基づき低GWP・ノンフロン化を進める「指定製品制度」の対象になるため、2024年は低GWP冷媒のR32を採用した製品の販売もみられます。R32採用によるリスクを想定した安全装置の設置も進んでいることから、価格が上昇しているため、市場は前年比5.2%増が見込まれます。
2030年頃までは、更新需要が堅調に推移するとみられます。また、R32を採用した製品の普及による製品価格の上昇を背景に、市場は拡大を続けると予想されます。
2.ターボ冷凍機【熱源機器】
2024年は、データセンター向けではハイパースケールデータセンターの新規案件減少による影響が懸念されます。一方、2025年に「指定製品制度」の対象になることから駆け込み需要がみられ、市場は前年比10.2%増が見込まれます。
2020年代後半までは、大規模再開発による大型建築物や、データセンターや半導体工場をはじめとする産業施設で需要が高まります。また、2030年までは、2005年頃に導入された機器の更新需要が予想されます。2030年以降は新規案件の停滞により、需要は落ち着くとみられます。
3.エアハンドリングユニット【二次側機器】
清浄な空気を建物内に給気するための空調設備であり、外部熱源からの冷水・温水・蒸気などを使って空気の冷却・除湿・加熱を行う機器です。熱源に冷水・温水・蒸気などを用いる冷温水式と、冷温水式に熱源機を付加した直膨式を対象とします。
冷温水式は、2024年は都市部を中心とする大規模再開発を背景に、一つの空調システムで建物全体の空調を行う中央方式の熱源機器が伸びており、これと連動して市場は拡大しています。
2026年頃までは、中央方式の熱源機器の伸長と連動して、市場の続伸が予想されます。また、新設が増加しているデータセンター1案件では数10台の導入が進むとみられ、2035年の市場は646億円が予測されます。
直膨式は、2024年の市場は前年比11.7%増の115億円が見込まれます。熱源機器の需要が伸びていることと部材供給や施工件数の安定化を背景に、市場が拡大しています。
中長期的には、冷温水式同様、大規模再開発の増加によって伸長するとみられます。また、中央方式から複数の熱源を設置し建物全体の空調を行う個別方式への転換も予想され、冷温水式からの移行によって、2035年の市場は2023年比59.2%増が予測されます。
【参考】本記事で使用した「HVAC機器・関連ビジネス市場の全容 2024」に掲載している調査対象市場
機器
熱源機器
- チリングユニット
- ターボ冷凍機
- コンデンシングユニット
- 吸収式冷凍機
- パッケージエアコン
- ビル用マルチエアコン
- ガスエンジンヒートポンプエアコン
- ボイラ(蒸気/温水)
- 冷却塔
二次側機器
- エアハンドリングユニット
- ファンコイルユニット
- VAV/CAVユニット
- 冷凍・冷蔵ショーケース内蔵型
- 外気処理エアコン
- 全熱交換器
- 個別空調向け室内機
業態
- 空調系サブコン
- 電気系サブコン
- 計装会社
- ゼネコン
- メンテナンス会社
- エレベータ保守会社
- エネルギーサービス会社
需要分野
- 事務所・オフィスビル
- 文教施設
- 医療・診療所
- 店舗・商業施設
- 宿泊施設
- データセンター
- 産業施設
- 倉庫
- 住宅(全館空調)
- 地域熱供給
◆本記事は「HVAC機器・関連ビジネス市場の全容 2024」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。