株式会社富士経済は、外出機会の増加や出社率の高まりなどから飲用機会の回復がみられる一方で、価格改定による影響が懸念される清涼飲料の国内市場を調査しました。その結果を「2023年 清涼飲料マーケティング要覧」にまとめました。
この調査では、清涼飲料16カテゴリー48品目の市場を捉え、温度帯別や容器別の分析、トレンド分析、需要分析などを行いました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2023年 清涼飲料マーケティング要覧」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
清涼飲料の国内市場
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2022年 |
前年比 |
2023年見込 |
前年比 |
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5兆1,744億円 |
102.5% |
5兆3,850億円 |
104.1% |
市場は天候要因に左右されますが、止渇性、嗜好性、健康性などを軸とした新商品の発売と需要の創出、店頭販促の広がり、Web広告などTVCM以外の新しいプロモーション媒体の活用など、様々な取り組みによって5兆円を上回る市場規模を維持してきました。
2022年は、外出機会増加や出社率上昇による需要の回復に加え、夏場の猛暑を追い風にパーソナル商品が好調だったことから、一部ホームサイズ商品で減少がみられましたが、市場は拡大しました。しかし、例年と比較すると目立ったヒット商品が生まれず、チルド商品は春先に、ドライ商品は10月に価格改定が行われたことで数量ベースでは需要が鈍りつつあります。
2023年は、前年に引き続き、5月に価格改定が実施されたことから市場は拡大すると予想されます。しかし、価格改定による需要減退もみられ、果実飲料などコスト上昇が大きいカテゴリーでは販促の制限も懸念されるため、数量ベースでは微減するとみられます。無糖茶飲料などコモディティ化が進んだカテゴリーにおいては、すでにPBなどの安価な商品に需要がシフトしており、NBは"価値"提供など商品のアップデートが求められます。
規模の大きい無糖茶飲料では、日本茶の濃い系商品で機能性表示食品への切り替えが行われ健康需要を取り込んでいることや、麦茶は他の飲料よりも容量が多い点が需要を獲得し、伸びています。また、ミネラルウォーター類は、2022年10月の価格改定以降も日常の止渇飲料としての需要が底堅く、無糖茶飲料など止渇性の高い他カテゴリーからの需要流入もあり、堅調です。また、水道水を飲用している層などユーザー獲得余地も大きく、参入各社では新工場やラインの設備増強を進めています。
無糖茶飲料に次いで規模が大きいコーヒー飲料は、出社率上昇もあり市場回復が期待されましたが、缶コーヒーは主力チャネルである自動販売機やコンビニエンスストアの回復が限定的だったこと、リキッドコーヒーが無糖系の紅茶飲料など他カテゴリーへの需要流出もみられたことから、2022年は縮小しました。2023年は、缶コーヒーが25年ぶりの価格改定により伸びますが、数量ベースでは厳しい状況が続くとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.乳酸菌飲料類市場
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2022年 |
前年比 |
2023年見込 |
前年比 |
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1,324億円 |
121.9% |
1,399億円 |
105.7% |
2022年は、乳酸菌による免疫向上といったニーズは落ち着きましたが、睡眠の質改善やストレス軽減へのニーズが継続し、「Yakult1000」(ヤクルト本社)がメディアへの露出や口コミによりヒットしました。機能性表示食品を中心に高単価な健康訴求商品が好調だったことや、「Yakult1000」の欠品の際にも代替として乳酸菌飲料類が購入され、需要が活性化したことから、市場は前年比21.9%増の1,324億円となりました。
2023年も変わらず睡眠の質改善、ストレス、疲労感軽減へのニーズは底堅く、「Yakult1000」や昨年9月に発売された「ピルクルミラクルケア」(日清ヨーク)の好調が続いており、増産も予定されていることから、市場拡大が予想されます。
睡眠の質改善以外にも、肌の潤いを守る、ひざの不快感を緩和、骨密度を高めるといった機能訴求を行う商品が伸びており、健康訴求との親和性の高さが今後の市場拡大に寄与するとみられます。
2.果実飲料市場
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2022年 |
前年比 |
2023年見込 |
前年比 |
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2,464億円 |
103.8% |
2,544億円 |
103.2% |
原料価格の高止まりを背景とした参入企業の注力度の低下、健康志向の高まりを受けた消費者の甘さ離れによる購買意欲低下などから、市場は縮小が続いていました。
2022年は、果実のコストアップによる価格改定のため、一部では顧客離れがみられましたが、前年に続き、コロナ禍で顕在化したリフレッシュ需要を一部ドライ(常温)商品が取り込んだことで、市場は拡大しました。
2023年も、価格改定によりホームサイズを中心に廉価商品の顧客離れが想定される一方、コカ・コーラシステムの新シリーズ投入などドライメーカーの注力度上昇により、市場は拡大が続くとみられます。
メーカーは、リフレッシュ需要に対して濃厚さやスッキリした味わいなど嗜好性のアプローチに加え、果汁ならではのナチュラルな健康感やビタミンなどの栄養摂取による健康性と嗜好性を同時に訴求することで需要獲得を進めていく方針です。
3.炭酸飲料市場
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2022年 |
前年比 |
2023年見込 |
前年比 |
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全体 |
5,857億円 |
101.8% |
6,378億円 |
108.9% |
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無糖炭酸飲料 |
1,147億円 |
105.7% |
1,264億円 |
110.2% |
※無糖炭酸飲料は全体の内数です
甘さ離れがトレンドの中で、カロリーオフ・ゼロや特定保健用食品など健康訴求商品が台頭しています。また、近年は無糖炭酸飲料が直飲み用途、リフレッシュ需要を獲得し市場をけん引しています。
2022年は、パーソナル商品を中心に猛暑による需要回復がみられたほか、無糖炭酸飲料でのPB商品の広がりによって市場は拡大しました。一方、ホームサイズ商品はコロナ禍の反動がみられたことで苦戦しました。
2023年は、低迷しているブランドのリニューアルが行われていることや、アサヒ飲料が引き続き注力度を高めることで新規ユーザーの開拓を進めており、市場は前年比二桁増が見込まれます。
有糖炭酸飲料は、2022年に市場の8割を占めました。濃厚さや手作り感などの付加価値のほか、爽快感を訴求したリフレッシュ需要の獲得、新規ユーザーの開拓を図った商品展開がなされていますが、市場への定着が課題となっています。一方、無糖炭酸飲料はコロナ禍で加速した健康需要の拡大による甘さ離れから好調ですが、無糖茶飲料など他の無糖飲料カテゴリーへの流出やPB商品へのシフトにより、今後は伸びが鈍化するとみられます。
4.紅茶飲料市場
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2022年 |
前年比 |
2023年見込 |
前年比 |
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2,052億円 |
101.8% |
2,138億円 |
104.2% |
タピオカブーム、無糖タイプやフルーツティーなどフレーバーの多様化、「クラフトボス」(サントリー食品インターナショナル)での商品展開などにより市場の注目度が上がっています。
2022年は、「午後の紅茶 おいしい無糖」(キリンビバレッジ)や、「クラフトボス」など止渇性の高いパーソナル商品が伸びたほか、「和紅茶」(アサヒ飲料)の発売などにより、市場は拡大しました。有糖のストレートティー、レモンティーなどの苦戦が続いていますが、食事時の飲用シーンを捉える無糖紅茶が好調であり、無糖の構成比は2022年で約18%と年々上昇しています。
2023年は、前年10月のPET商品の価格改定による買い控えは一部みられますが、止渇性が重視されるカテゴリーとの競合の中で、嗜好性の高さに優位性があります。また、参入メーカーはフレーバー展開の余地があるとみており、注力度が高まっており、キリンビバレッジより無糖のミルクティー、サントリー食品インターナショナルより1日分のマルチビタミンを配合したフルーツティーが発売されるなど、従来商品とは違う切り口で商品が展開されていることから、市場は拡大が続くとみられます。
【参考】本記事で使用した「2023年 清涼飲料マーケティング要覧」に掲載している調査対象市場
果実飲料
- 100%果汁飲料
- 果汁入飲料
- 低果汁入清涼飲料
- 果粒含有果実飲料
- 果肉飲料
野菜系飲料
- トマト飲料
- 野菜飲料
- 果実野菜混合飲料
炭酸飲料
- コーラフレーバー飲料
- 透明炭酸飲料
- 果汁系炭酸飲料
- 乳類入炭酸飲料
- ジンジャーエール
- 無糖炭酸飲料
- その他炭酸飲料
飲用牛乳類
- 飲用牛乳類
乳飲料
- コーヒー系乳飲料
- その他色物乳飲料
- プラカップ入り乳飲料
ドリンクヨーグルト
- ドリンクヨーグルト
乳酸菌飲料類
- 乳製品乳酸菌飲料
- 乳酸菌飲料
乳類入清涼飲料
- 乳類入清涼飲料
コーヒー飲料
- 缶コーヒー
- リキッドコーヒー
紅茶飲料
- 紅茶飲料
無糖茶飲料
- 日本茶
- ウーロン茶
- 麦茶
- ブレンドティ
- その他ティードリンク
ミネラルウォーター類
- 国産ミネラルウォーター類
- 輸入ミネラルウォーター類
機能性飲料
- 食系ドリンク
- 健康サポート飲料
- 機能性清涼飲料
- パウチゼリー飲料
- スポーツドリンク
- エナジードリンク
植物性飲料
- 豆乳類
- アーモンド飲料
- その他植物性飲料
ビネガードリンク
- ビネガードリンク
バラエティドリンク
- ココアドリンク
- ゼリー飲料(パウチ除く)
- スープ
- 甘酒
- おしるこ
◆本記事は「2023年 清涼飲料マーケティング要覧」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。