株式会社富士キメラ総研は、カーボンニュートラル達成に向けて注目が集まるゼロエミッション車向けのECU、ECU構成デバイスの世界市場を調査し、その結果を「EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024」にまとめました。
この調査ではゼロエミッション車(EV、水素自動車)向けECU12品目、ECU構成デバイス22品目の市場を分析し、将来を展望しました。
※水素自動車は、水素エンジン車、燃料電池車(FCV)を対象とします
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.ゼロエミッション車向けECUの世界市場
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2023年見込 |
2022年比 |
2040年予測 |
2022年比 |
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電動システム |
1兆2,703億円 |
137.6% |
7兆6,175億円 |
8.2倍 |
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バッテリー/サーマルマネジメントシステム |
7,250億円 |
135.2% |
3兆1,342億円 |
5.8倍 |
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水素充填ECU |
15億円 |
3.0倍 |
1,500億円 |
300.0倍 |
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ゼロエミッション車向け |
1兆9,968億円 |
136.8% |
10兆9,017億円 |
7.5倍 |
ゼロエミッション車向けはEV、水素自動車、その他自動車向けはICEV(内燃車)、HV、PHV向けを対象とし、それぞれトラックとバスを含みます。
※ICEVはISSV(アイドリングストップ自動車)、12V系、48V系マイルドHVを含みます
2023年の市場は前年比36.8%増の1兆9,968億円が見込まれます。今後ゼロエミッション車の生産台数増加に伴って市場は拡大し、2040年には2022年比7.5倍の10兆9,017億円が予測されます。
電動システムは、環境規制が強まる中で、EVの生産台数が急増していることから市場拡大しています。インバーターの規模が大きく、市場をけん引しています。非接触充電用受電ユニットは現状、開発・実証実験段階ですが、2026年以降は高い伸びが期待されます。各自動車メーカーがゼロエミッション車の比率を高めることを発表しており、引き続き市場拡大が予想されます。
バッテリー/サーマルマネジメントシステムは、ゼロエミッション車の長航続距離化や安全性確保は重要な開発テーマであることから、各自動車メーカーはメインバッテリーの管理とメインバッテリーを含めた電動システムの熱管理に注力しており、今後も大きく伸長するとみられます。
水素充填ECUは、水素自動車の生産台数と連動した市場です。水素自動車はバスやトラックなどの巡回エリアが比較的定まっている商用車を中心に普及が進み、市場拡大するとみられます。
2.ゼロエミッション車向けECU構成デバイスの世界市場

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2023年見込 |
2022年比 |
2040年予測 |
2022年比 |
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電動システム関連 |
1兆5,217億円 |
134.3% |
6兆6,109億円 |
5.8倍 |
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バッテリー/サーマルマネジメントシステム関連 |
2,148億円 |
138.0% |
1兆1,900億円 |
7.6倍 |
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水素自動車関連 |
1,609億円 |
3.1倍 |
21兆7,364億円 |
423.7倍 |
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その他部品 |
4,057億円 |
133.4% |
1兆7,842億円 |
5.9倍 |
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ゼロエミッション車向け |
2兆3,031億円 |
140.1% |
31兆3,213億円 |
19.0倍 |
電動システム関連は、システム市場の拡大に伴い、特にマグネットワイヤや駆動用モーター、レゾルバ/回転センサーなどで高い伸びが期待されます。
バッテリー/サーマルマネジメントシステム関連は、システムの搭載に左右される市場ですが、各自動車メーカーがシステム搭載に注力していることから、今後も好調に推移するとみられます。特に、無線チップであるUWB/BLE/Dust Networksで高い伸びが期待されます。
水素自動車関連は、現状、FCVを含む水素自動車の生産台数は少ないですが、各デバイスやコンポーネンツが高価格であるため市場は1,000億円を超えています。今後、水素自動車の生産台数は増加していくため、2040年には2022年比423.7倍の21兆7,364億円が予測され、最も大きな市場規模になるとみられます。
その他部品は、高電圧ワイヤハーネスと高電圧コネクターなどが市場をけん引し、2040年には2022年比5.9倍の1兆7,842億円が予測されます。
◆注目個別市場サマリー
1.燃料電池電解質膜
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2023年見込 |
2022年比 |
2040年予測 |
2022年比 |
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76億円 |
3.2倍 |
5,224億円 |
217.7倍 |
燃料電池電解質膜は、水素と酸素が水に変化する過程で発生する電気をFCVに供給するモジュールであるFCスタックの構成要素の一つで、FCスタックの出力向上などに大きく影響する重要な部品です。
FCスタックと同様、FCVの生産台数と連動した市場であることから、2024年以降、急速な需要増加が期待されます。2027年までは緩やかな推移が予想され、2030年以降市場は大きく拡大するとみられます。
2.UWB(Ultra Wide Band)/BLE(Bluetooth Low Energy)/Dust Networks
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2023年見込 |
2022年比 |
2040年予測 |
2022年比 |
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125億円 |
183.8% |
1,930億円 |
28.4倍 |
低速無線パーソナルエリアネットワークの動作を定義する技術標準規格で、低コスト、低消費電力、高い信頼性とセキュリティが特徴であるIEEE802.15.4に準拠した各無線チップを対象とします。
電波を通じてキー番号や固有の暗号情報を送り、車両に搭載された受信機で認証することで、ドアの施錠、解錠を遠隔操作できるキーレスエントリーシステムで主に採用されています。2023年の市場は、中国を中心にキーレスエントリーシステム搭載車種が増加していることから、前年比83.8%増の125億円が見込まれます。リレーアタックなどの盗難防止対策にもつながることからキーレスエントリーシステムの採用は増加し、搭載される無線チップも需要が増加するため、今後も安定した市場拡大が予想されます。また、今後wBMS(ワイヤレスバッテリーマネジメントシステム)やボディ系センサーでも採用増加が期待されます。
3.BMS
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2023年見込 |
2022年比 |
2040年予測 |
2022年比 |
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957億円 |
128.8% |
5,077億円 |
6.8倍 |
LiBを安全制御するためのBMS(Battery Management System)を対象とします。EVの生産台数に連動して市場は拡大しています。
2023年の市場は、半導体不足の落ち着きによる需要回復および排ガス規制を背景とする各国の補助金政策などの施行により、前年比28.8%増の957億円が見込まれます。今後もEVの普及が進むことから市場は拡大し、2040年には2022年比6.8倍の5,077億円が予測されます。
4.インバーター
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2023年見込 |
2022年比 |
2040年予測 |
2022年比 |
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5,726億円 |
141.2% |
2兆4,890億円 |
6.1倍 |
メインバッテリーから供給される直流電流を周波数が異なる多相交流電流に変換する装置であり、駆動モーター用と駆動アシストモーター用を対象とします。小型化やEV走行距離を伸ばす高効率化、快適な加速性能を実現する高出力化、厳しい車載環境下での高信頼性が求められます。
2023年の市場は、前年比41.2%増の5,726億円が見込まれます。排ガス規制強化やESG投資の活性化などを背景とするゼロエミッション車の生産台数増加に伴い市場は拡大し、2040年には2022年比6.1倍の2兆4,890億円が予測されます。
【参考】本記事で使用した「EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024」に掲載している調査対象市場
ECU
電動システム
- インバーター
- リレー・ヒューズボックス/高電圧ジャンクションボックス
- 非接触充電用受電ユニット
- OBC
- DC-DCコンバーター
バッテリー/サーマルマネジメントシステム
- BMS
- 電動コンプレッサー
- 電気ヒーター
- エアコンECU/ヒーターECU
- 電動ウォーターポンプ
- HVAC
その他ECU
- 水素充填ECU
ECU構成デバイス
デバイス 電動システム関連
- 駆動用モーター
- パワー半導体
- フィルムコンデンサー
デバイス 水素自動車関連
- FCスタック
- 水素タンク
- 水素センサー
コンポーネンツ 電動システム関連
- レゾルバ/回転センサー
- シンタリングペースト
- SMR
- マグネットワイヤ
- 放熱グリース/放熱シート
- 非接触充電用フェライト
- モーターコア
- 電流センサー
コンポーネンツ バッテリー/サーマルマネジメントシステム関連
- バッテリー監視IC
- バッテリー冷却プレート
- ラジエーター
- UWB/BLE/Dust Networks
コンポーネンツ 水素自動車関連
- 燃料電池電解質膜
コンポーネンツ その他部品
- アルミ合金部品
- 高電圧ワイヤハーネス
- 高電圧コネクター
◆本記事は「EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。