株式会社富士経済は、車室内空間の快適性向上に寄与する内外装部品向け材料、環境に配慮した材料(サステナブル材料)の世界市場を調査し、その結果を「2024年 自動車内装・外装市場とサステナブル/快適性向上技術の将来展望」にまとめました。
この調査では、自動車内外装部品の市場動向をはじめ、自動車メーカーや内外装部品メーカーで取り組みが加速している車室内快適性向上への取り組みやサステナブル技術の採用動向を捉え、主要な自動車内外装部品向け材料16品目(内、サステナブル材料6品目)の世界市場の現状と将来を明らかにしました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2024年 自動車内装・外装市場とサステナブル/快適性向上技術の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
自動車内外装部品向け材料の世界市場
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2023年見込 |
2022年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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全 体 |
105.8億ドル |
112.0% |
127.0億ドル |
134.4% |
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サステナブル材料 |
34.2億ドル |
111.8% |
50.9億ドル |
166.3% |
※全体は日本市場を対象とした品目を含みます
※サステナブル材料は全体の内数です
自動車内外装部品向け材料14品目(市場重複、市場未算出の品目は除外)の市場は、2022年に前年比5.8%増の94.5億ドル、2023年には同12.0%増の105.8億ドルが見込まれます。リサイクルプラスチックや吸音材などの市場規模が大きいです。今後はより快適性向上に寄与する材料や環境に配慮した材料を中心に市場拡大すると予想されます。
サステナブル材料5品目(市場未算出の品目は除外)の市場は、2022年に前年比7.7%増の30.6億ドル、2023年には同11.8%増の34.2億ドルが見込まれます。リサイクルプラスチックが市場をけん引しています。バイオマスプラスチックは、ひまし油を原料とするPA11(ポリアミド11)が主体であり、自動車用チューブ・ホースで使用されます。日本、欧州、米国、中国、東南アジアなど各地で広く使用されており、特に、EV用冷却配管で需要が増加しています。天然繊維複合材は、環境対応ニーズの強い欧州を中心に需要を獲得しています。ブランド価値向上のための材料としてニーズが強く、天然繊維独自の風合いが内装部品のデザイン性を高めるとして注目されています。今後は環境に配慮した製品を選ぶ消費の広がりが、需要の増加を後押しします。リサイクル繊維は、物性面での改良も進められており、今後も市場拡大が予想されます。CNF複合材は、部品の軽量化と高強度化、薄肉化、小型化に貢献する材料です。しかし、高価格がネックとなっており、内外装部品向けはほぼサンプル検証にとどまっています。サンプル検証が終了する2027年頃には乗用車の内装部品などへの採用が始まるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.リサイクルプラスチック(サステナブル材料)
リサイクルプラスチックは、プラスチック製品の製造工程で発生した端材、あるいは廃棄製品から得た再利用材料です。外装部品ではボディアンダーカバー、フェンダーライナー、バンパーなどに、また、内装部品ではドアトリム、センタークラスター、グローブボックスなどに、そのほかではエンジンアンダーカバー、バッテリーカバーなどに使用される。原料となるのは、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)などです。
2022年の市場は前年比7.8%増の44.0万トンとなりました。用途は外装部品が最も多く、市場の50.7%を占めています。リサイクルプラスチックの色調は黒が多く、バージン材に比べて外観性が劣るため、外装部品をはじめ、エンジンアンダーカバーなどの人目につかない部品での使用が多いです。原料はPPが多く、90%以上を占めています。
2023年の市場は前年比13.9%増の50.1万トンが見込まれます。物流資材や家電製品に続き、欧州や中国を中心に自動車にもリサイクル材の使用を促す法整備が進んでいることから、市場は急速に拡大しています。また、環境に配慮した製品を選ぶ消費が欧米を中心に広がっており、それに対する訴求、自動車のブランド価値向上のためにもリサイクルプラスチックの使用が増えています。多くの自動車メーカーは2030年目標のリサイクル材採用率25%に取り組むとみられることから、今後も市場拡大は続くと予想されます。
国内でも市場が急速に拡大しています。自動車生産台数がほぼ横ばいであった2022年も需要は増加しました。需要の増加によりリサイクル用PPの引き合いが急増し、回収材の供給待ちとなっているケースもみられます。一部のリサイクルコンパウンドメーカーは、今後リサイクルプラスチックの生産能力を高めていくとみられることから、世界市場に比較して伸び率は低いものの、国内市場は拡大が続くと予想されます。
2.リサイクル繊維(サステナブル材料)
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2023年見込 |
2022年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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14.5万トン |
113.3% |
23.0万トン |
179.7% |
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4.5億ドル |
109.8% |
6.8億ドル |
165.9% |
リサイクル繊維は、製品の製造工程で発生した端材や、廃棄されたペットボトルや漁網、衣料品など自動車部品以外の製品を繊維化した再利用材料です。フロアカーペット/マット、フロント・リアシートバックボード、ドアトリム、アームレストなど、内装部品に使用されています。原料となるのは、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPAなどです。
2022年の市場は前年比6.7%増の12.8万トン、2023年には同13.3%増の14.5万トンが見込まれます。天井や吸音材などの内装部品メーカーは環境に配慮した材料の採用に積極的です。EVではエンジン音に埋もれていた騒音が表面化するため、EV化の進展で静粛性向上ニーズが高まっており、吸音材への採用には追い風となっています。物性面での改良も進んでおり、今後も需要は増加するとみられます。
国内では主に不織布に加工され、天井やマット、吸音材、表皮材などで使用されています。EV化が進み静粛性向上ニーズは高まっており、2023年の市場は自動車生産台数の増加に伴い拡大しています。2024年以降は、自動車生産台数が横ばいに転じるとみられることから、市場は微増が予想されます。
3.吸音材
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2023年見込 |
2022年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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65.7万トン |
110.1% |
70.1万トン |
117.4% |
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19.1億ドル |
109.8% |
19.7億ドル |
113.2% |
防音材の一つである吸音材は、音を吸収し、音の持つ運動エネルギーを熱エネルギーなどに変換します。車室前方ではエンジンルーム周辺やタイヤ周辺、下方ではフロアカーペットなど、車室後方ではトランクサイドやタイヤ周辺など、上方ではルーフなどに使用されています。タイプとしては、フェルト(反毛)、ウレタンフォーム、不織布、メラミンフォーム、グラスウールなどがあります。
2022年の市場は北米で自動車生産が回復したことから前年比6.4%増の59.7万トンとなりました。用途はフロアカーペットが最も多く、市場の33.5%を占めています。次いで多いのがダッシュインナー、フェンダーライナーです。タイプはフェルト(反毛)とウレタンフォームが多いです。両タイプで市場のおよそ8割を占めています。車室内の静粛性向上ニーズは高まっており、世界的な自動車生産の回復から2023年の市場は前年比10.1%増の65.7万トンが見込まれます。フェンダーライナーなどで使用が増えており、2024年以降も市場は1~2%程度の拡大が予想されます。
国内では2022年に半導体不足の影響による自動車の減産に連動して需要が微減となりましたが、2023年は半導体不足が解消され、自動車メーカー各社が生産台数を伸ばしていることから、ほぼ新型コロナウイルス感染症流行前の需要に回復するとみられます。2024年以降は自動車生産台数に連動して、市場は横ばいが予想されます。
4.内装用接着剤
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2023年見込 |
2022年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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19.5万トン |
110.2% |
20.8万トン |
117.5% |
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10.8億ドル |
112.5% |
12.0億ドル |
125.5% |
内装用接着剤は、内装部品の製造や取り付けに使用されています。ドアや天井、シート、床、ダッシュボード、インパネなどに使用され、需要はほぼ自動車生産台数に連動します。タイプとしては、リキッドタイプとホットメルトタイプに分かれます。リキッドタイプには溶剤形接着剤、水系接着剤(エマルジョン系接着剤)、反応系接着剤、無溶剤形接着剤(溶剤の使用量を僅少にしたもの)などが、ホットメルトタイプには熱可塑性タイプと反応型があります。環境への配慮からホットメルトタイプの使用が増えています。
2022年の市場は半導体不足が緩和され、自動車生産が回復に向かったことから前年比6.6%増の17.7万トンとなりました。ドア向けが最も多く、市場の29.4%を占めています。次いで多いのが天井とシート向けで、共に同24.8%を占めています。タイプはオレフィン系のホットメルトタイプが多く、市場の31.8%を占めています。2023年の市場は世界的な自動車生産の回復から前年比10.2%増の19.5万トンが見込まれます。世界的に脱溶剤化は進められていますが、接着性能に優れるため需要は残っています。そのため、内装用接着剤需要としては大きな変化はなく、今後も自動車生産台数に連動して市場は堅調に推移すると予想されます。
国内では自動車メーカーが材料のバイオマス化に取り組んでいますが、実際に採用されるのは、自動車の場合は時間がかかるため、2030年以降とみられます。
【参考】本記事で使用した「2024年 自動車内装・外装市場とサステナブル/快適性向上技術の将来展望」に掲載している調査対象市場
自動車内外装部品向け材料
- 表皮材
- 吸音材
- 制振材
- 加飾フィルム
- 光透過フィルム
- 内装用塗料
- 内装用接着剤
- 内装用テープ
- 消臭剤・抗菌剤・抗ウイルス剤
- 良触感樹脂
サステナブル材料
- リサイクルプラスチック
- バイオマスプラスチック
- 天然繊維複合材
- リサイクル繊維
- CNF複合材
- グリーンメタル
自動車部品 内装部品
- ルーフトリム
- ドアトリム
- シート
- インストルメントパネル
- フロアカーペット
- ダッシュインナーインシュレーター
自動車部品 外装部品
- エンジンアンダーカバー
- フェンダーライナー
- サンルーフ・パノラマルーフ
- バンパー
- フロントグリル
- ヘッドランプ
内外装部品メーカー事例
- トヨタ紡織
- 豊田合成
- 河西工業
- 林テレンプ
- HOWA
- 寿屋フロンテ
- イノアックコーポレーション
- テイ・エス テック
- 日本プラスト
- 三光合成
◆本記事は「2024年 自動車内装・外装市場とサステナブル/快適性向上技術の将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。