株式会社富士経済は、着色剤の配合による外観性の向上、強化繊維の配合による機械的強度の向上、難燃剤の配合による難燃性の向上などが図れるため、自動車分野や電気電子分野を中心に広く使用されている機能性コンパウンドの世界市場を調査し、その結果を「2022 コンパウンド市場の展望とグローバルメーカー戦略」にまとめました。
この調査では、汎用樹脂コンパウンド7品目、汎用エンプラコンパウンド7品目、スーパーエンプラコンパウンド8品目に加えて、添加剤・フィラー10品目の市場について、その現状を調査し、将来を予想しました。加えて、日本、中国・台湾、韓国、米国、欧州などの樹脂メーカーおよびコンパウンドメーカー60社の動向を整理しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2022 コンパウンド市場の展望とグローバルメーカー戦略」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
コンパウンド20品目の世界市場
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2022年予測 |
2020年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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汎用樹脂 |
2,859万トン |
107.4% |
3,474万トン |
130.6% |
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汎用 |
486万トン |
113.0% |
552万トン |
128.4% |
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スーパー |
30万トン |
120.0% |
42万トン |
168.0% |
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合 計 |
3,375万トン |
108.3% |
4,068万トン |
130.6% |
2020年は、新型コロナウイルス流行の影響を受け、グローバルな経済活動が一時的に停滞したことで、コンパウンドの販売数量も大きく減少しました。中国を中心に後半は、自動車分野を軸に需要はやや回復しましたが、市場は前年比7.9%減となりました。また、金額ベースではナフサなどの原料価格が大幅に下落し、連動して汎用樹脂コンパウンドの価格が下がったことから、前年比20%以上の縮小となりました。
2021年は、前半は経済活動の回復に伴い好調でしたが、後半は車載半導体をはじめとした自動車部品の不足、東南アジアなどでのロックダウンに伴う工場の稼働休止、世界的な物流停滞などを要因としたサプライチェーンの混乱などの影響を受け、市場は前年比3.3%増が見込まれますが、2019年の規模は下回るとみられます。一方、金額ベースでは原料価格や船賃の高騰、急激な回復による需給逼迫により製品価格が上昇していることから、2019年の規模を上回るとみられます。
長期的には、EV化や車載電装化に伴う自動車分野での需要増加や、中国やインド、東南アジアなどの経済成長などを背景に、堅調な市場拡大が予想されます。
カテゴリー別にみると、汎用樹脂コンパウンドが8割以上を占めています。PP(ポリプロピレン)コンパウンドをはじめ、自動車分野で使用される製品が多いため、自動車生産台数の増加に伴い、市場拡大が予想されます。また、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は家電・OA機器、PE(ポリエチレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)コンパウンドは住宅やインフラでも一定の需要があるため、新興国の経済発展が市場拡大を後押しするとみられます。
汎用エンプラコンパウンドは、自動車や電気電子分野での採用が中心です。2021年は成形メーカーや部品メーカーによる購入が増えており、PA6(ポリアミド6)コンパウンドやPOM(ポリアセタール)コンパウンド、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)などを中心に伸びるとみられます。
スーパーエンプラコンパウンドは、2020年は自動車での採用が多いPA6TコンパウンドやPPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンドなどが落ち込みましたが、自動車生産台数の増加に伴い、今後は伸びが期待されます。PA9TコンパウンドやLCPは電気電子分野の採用が多いため、テレワーク需要や巣ごもり需要により、堅調な伸びが続いています。
用途別では、主軸となる自動車と電気電子がそれぞれ3割以上を占めています(2020年)。自動車分野は、自動車の需要が大部分を占めるPPの比率が高く、市場をけん引しています。PVCも自動車内装材で多く使用されています。また、汎用エンプラでは燃料系や機構部品、電装部品などでPA6やPA66、PBTも多く用いられています。電気電子分野は、電線被覆で使用されるPVCや、家電やOA機器など広く採用されるABSの比率が高いです。
地域別需要では、家電製品やOA機器の生産地となっている中国の占める割合が大きく、2020年は4割以上を占めました。特に、汎用樹脂コンパウンドは中国需要が45%以上を占めています。汎用エンプラやスーパーエンプラコンパウンドについても、自動車などの品質向上が求められているため、利用が増えるとみられます。今後、中国からの工場移管が進む東南アジアなどで汎用樹脂コンパウンドの需要増加が予想されます。日本は、自動車向けのPPSコンパウンドやPA6Tなどスーパーエンプラコンパウンドの需要地となっています。
◆注目個別市場サマリー
1.PPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンド【スーパーエンプラ】
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2022年予測 |
2020年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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14万トン |
116.7% |
20万トン |
166.7% |
PPSコンパウンドは、自動車の電動部品や電装部品などでの採用が中心です。ほかには、半導体装置部品やSMTコネクターなどの電気電子分野、また、水道混合水栓や給湯器の電磁弁など水回り部品でも使用されています。
市場は、新型コロナ流行による経済活動の停滞や自動車生産の落ち込みの影響を受けていますが、比較的需要は堅調であり、今後も自動車分野を中心に市場拡大が期待されます。特にEV化や車載電装化に伴い自動車一台あたりの使用量が顕著に増えており、需要増加が予想されます。
地域別では、現状、日本と中国の需要がそれぞれ3割程度を占めています。日本では、xEV関連や半導体製造装置用の新規ニーズがみられ、2021年は堅調に伸びています。2022年以降も自動車生産の回復、EVや電装部品の増加、半導体製造の活発化により、需要増加が期待されます。ただし、長期的には自動車生産台数の縮小が予想されるため、新規用途の開拓が必要になるとみられます。中国では、2020年半ばから経済活動の回復が進み、大手メーカーが実績を伸ばしています。急速なEV化による自動車部品用途での新規需要の創出や、電気電子分野での採用も堅調であることから、今後も高い伸びが期待されます。
2.PBT(ポリブチレンテレフタレート)コンパウンド【汎用エンプラ】
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2022年予測 |
2020年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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106万トン |
110.4% |
131万トン |
136.5% |
PBTコンパウンドは、電気電子や自動車分野での使用が多いです。電気電子分野ではコネクター、自動車分野では主に電装部品や機構部品などでの採用が中心です。
2020年は、OA機器コネクターの生産数量や自動車の生産台数が落ち込んだことにより、大幅な市場縮小となりました。2021年は、前年の反動もあり需要は回復に向かっていますが、原料である1,4-BD(ブダンジオール)の不足や、自然災害による米国生産拠点で稼働休止の影響で、前年比3.1%増にとどまるとみられます。今後、長期的にはEV化や自動車電装化の進展に伴い、1台当たりの電装部品が増加するため、電気特性に優れるPBTの需要も増えるとみられます。主にワイヤーハーネスコネクターやECUケースで使われており、今後はバッテリーやブレーキ周りでの採用も進むとみられます。
販売地域別にみると、中国が全体の5割近くを占めています。自動車分野の占める割合が大きいです。欧州や北米、日本などでも自動車分野を中心に、今後も安定した需要が期待されます。
3.PP(ポリプロピレン)コンパウンド【汎用樹脂】
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2022年予測 |
2020年比 |
2030年予測 |
2020年比 |
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531万トン |
107.9% |
667万トン |
135.6% |
自動車分野での使用が9割を占めているため、市場は自動車生産台数に連動しています。2020年は新型コロナ流行により世界的に需要が落ち込みました。2021年は需要回復の兆しがみられましたが、世界的な半導体不足と東南アジアなどでの部品工場稼働休止に伴う自動車生産の低迷が影響し、市場はほぼ横ばいとなりました。2022年以降の市場は順調に回復に向かい、その後は自動車生産台数の増加に連動して拡大が予想されます。
需要の中心は中国や北米です。中国では自動車生産台数の増加に加え、中国自動車メーカーが軽量化を目的にPPの使用量を増やしており、伸びを後押しするとみられます。北米では外板の樹脂化が進んでおり、今後も需要増加が予想されます。また、欧州ではEVの生産増に伴い外装部品を中心に需要が増えるとみられます。
【参考】本記事で使用した「2022 コンパウンド市場の展望とグローバルメーカー戦略」に掲載している調査対象市場
機能性コンパウンド・添加剤・フィラー
汎用樹脂コンパウンド
- PPコンパウンド
- PEコンパウンド
- PVCコンパウンド
- PSコンパウンド
- ABS
- ASA/AES
- AS
汎用エンプラコンパウンド
- PCコンパウンド
- PA6コンパウンド
- PA66コンパウンド
- POMコンパウンド
- m-PPE
- PBTコンパウンド
- GF-PET
スーパーエンプラコンパウンド
- PPSコンパウンド
- LCPコンパウンド
- PA6Tコンパウンド
- PA9Tコンパウンド
- PA10Tコンパウンド
- PEEKコンパウンド
- PTFEコンパウンド
- 溶融フッ素樹脂
添加剤・フィラー
- 臭素系難燃剤
- リン系難燃剤
- 難燃助剤
- ガラス繊維
- 炭素繊維
- セルロースナノファイバー
- タルク
- 木質・バイオ系フィラー
- 紙パウダー
- ノイズ抑制材料(ミリ波用)
企業事例
- 日系32社
- 中国・台湾系13社
- 韓国系3社
- 米国系3社
- 欧州系他9社
◆本記事は「2022 コンパウンド市場の展望とグローバルメーカー戦略」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。