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業務・サービスロボットの市場を調査。2030年の世界市場を5兆7,628億円(2021年比2.1倍)と推計

株式会社富士経済は、非接触ニーズや人手不足などの課題解決手段として注目が集まる業務・サービスロボットの世界市場を調査し、その結果を「2022年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」にまとめました。

この調査では、業務・サービスロボット29品目をはじめ、AI・人工知能/RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)4品目を対象に世界市場を分析し、将来を展望しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2022年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.業務・サービスロボットの世界市場

2021年 2020年比 2030年予測 2021年比
2兆7,410億円 120.0% 5兆7,628億円 2.1倍

2021年の業務・サービスロボット市場は、前年比20.0%増の2兆7,410億円となりました。

医療・介護用は、医療従事者が専門業務に専念するため、補助金などの支援があり紫外線照射ロボットなどの導入が進みました。また、移動制限や非接触ニーズによって遠隔手術や遠隔診療の必要性も高まり、手術支援ロボットも伸びました。

家庭用は、生活および生活空間をより豊かにしたいニーズが高まり、家庭用清掃ロボットと家庭用コミュニケーションロボット、スマートスピーカーのいずれも伸長しました。今後も様々な家事ロボットニーズが生まれてくるとみられます。

オフィス・店舗用は、オフィス人口の減少による管理業務の縮小や飲食店の営業制限による設備投資の減少がみられましたが、非接触や感染予防策の観点から、テレプレゼンスロボットやデリバリーロボット(施設内)、配膳ロボットの需要が高まりました。

建設/物流・搬送/レスキュー/インフラ/農業用は、移動制限に伴って短期雇用が難しくなったことによる人手不足やEC拡大による物流の増加などを受け、デリバリーロボット(屋外用)などが伸びました。

今後は、医療・介護用や建設、物流・搬送などを始めとする人手不足への対応や、高機能化、多機能化などにより、拡大するとみられます。また、掃除以外にも様々な家事ロボットニーズが生まれ、普及していくと予想されることから、市場は2030年には2021年比2.1倍の5兆7,628億円が予測されます。

2.AI・人工知能/RPAの世界市場

2021年 2020年比 2030年予測 2021年比
1兆2,750億円 125.8% 4兆4,910億円 3.5倍

疾病診断支援ロボット、コールセンター支援ロボット、金融ロボット、RPAソリューションを対象とします。

2021年のAI・人工知能/RPA市場は、業務の高度化や人手不足対応のために効率化を進めてきた医療や金融分野、コールセンターなどの需要増加により市場は前年比25.8%増となりました。

デジタル化の基盤が急速に整備されたことで、今後もAI・人工知能を利用する業務が増えるとみられ、2030年の市場は2021年比3.5倍の4兆4,910億円が予測されます。

◆注目個別市場サマリー

1.業務用セキュリティロボット

2021年 2020年比 2030年予測 2021年比
14億円 107.7% 245億円 17.5倍

自立走行が可能で、施設や公共空間において警備や監視を行うロボットを対象としています。

2021年の市場は、新型コロナの影響で導入プロジェクトの遅延や延期などがみられましたが、警備関連の人手不足を受けて、市場は拡大しました。日本では、オフィスビルを中心に導入を進めるベンチャー企業が出荷台数を伸ばしたことなどにより伸びました。

今後は、人手不足といった課題を解決するため、大手企業を中心に導入が進むとみられます。日本では、参入企業の増加で多様なロボットの提案がされるほか、価格面での課題はありますがエレベーターと連携した使用提案などにより、導入が増え、市場拡大に貢献すると予想されます。

2.業務用清掃ロボット

2021年 2020年比 2030年予測 2021年比
110億円 193.0% 910億円 8.3倍

絨毯上のほこりを吸引する吸引型とフローリング床を水で洗浄する床洗浄型の業務用床清掃ロボットを対象とします。

2021年は、日系大手メーカーが海外展開を強めたことで市場は大きく拡大しました。日本市場は、大手メーカーが代理店経由の展開を推進したことなどにより、堅調に伸びました。

今後は新型コロナ流行が収束するにつれて設備投資が増加することから導入が進み、2030年の市場は2021年比8.3倍が予測されます。日本では費用対効果が不明瞭な点に対する懸念や、従来の清掃業務のプロセスを変更したがらないケースがありますが、人手不足対応のニーズは高く、2030年の日本市場は2021年比4.1倍になると予測されます。

3.配膳ロボット

2021年 2020年比 2030年予測 2021年比
254億円 193.9% 614億円 2.4倍


飲食店や給食施設、商業施設、宿泊施設などにおいて、配膳台や収納庫に飲食物を載せて配膳、下膳するロボットを対象とします。

中国を始めとする海外を中心に伸びてきました。特に、人件費が高騰する中国では、飲食チェーン店などで低価格かつ高機能な配膳ロボットが積極的に採用されています。2020年以降は、新型コロナの影響により非接触ニーズが高まったため、世界各国で採用が増えています。ベンチャー企業による新規参入も相次いでいるほか、2021年は、新型コロナ流行の影響で延期された案件と新規需要によって、大きく伸びました。市場の立ち上がりが遅れた日本でも2021年は本格的な導入がみられました。

2022年は日本の大手外食チェーンの大規模な導入が予定されており、日本での需要増加を背景に市場は拡大するとみられます。前年の反動で2023年は一時的に縮小しますが、2024年以降は人手不足や人件費高騰を背景に再び伸び、2030年の市場には2021年比2.4倍が予測されます。

4.デリバリーロボット(施設内)

2021年 2020年比 2030年予測 2021年比
36億円 150.0% 125億円 3.5倍


施設内において、自己の位置をレーザーやセンサーなどを活用して認識し、収納台やボックスなどに物品を乗せて目的地まで自律走行するロボットを対象とします。飲食店や宿泊施設などで食事を運ぶロボットは対象外とします。

2020年に新型コロナ流行の影響により病院の人手不足が顕著になったことや、療養施設を含め、院内感染の予防を目的とした非接触ニーズが高まったことで導入が進みました。また、新型コロナ患者の療養施設における非接触対応も求められたため、市場は拡大しました。2021年も引き続き堅調に市場は拡大しましたが、日本では病院への訪問制限によって需要が低調でした。

今後、新型コロナ流行の影響が一段落すると、オフィス需要への新規展開や社会全体における継続的な非接触ニーズ、人手不足を背景に、病院や宿泊施設に加えてオフィスや商業施設、公共機関などでも需要が高まるとみられ、2030年の市場は125億円が予測されます。

5.デリバリーロボット(屋外用)

2021年 2020年比 2030年予測 2021年比
43億円 2.4倍 1,010億円 23.5倍


屋外において、自己の位置をレーザーやセンサーなどを活用して認識し、ボックスなどに物品を乗せて、店舗や物流拠点などから屋外を自立走行し、オフィスや自宅などに荷物を運搬するロボットを対象とします。

公道走行が許可されている米国や中国がけん引しており、2021年の市場は43億円でした。日本ではまだ市場は立ち上がっておらず、道路交通法の改正によって2022年から一部の小売店などで試験導入が始まりますが、公道走行が可能な条件を満たすには時間がかかる事業者もあり、緩やかな伸びになるとみられます。

市場はまだ小規模ですが、新型コロナ流行によってEC利用の急増や医療業界の物資調達、非接触ニーズなど屋外での輸送ニーズも高く、公道走行の規制が緩和されれば、急速に普及が進むと予想されます。また、一般郵便物やEC商品の配送、フードデリバリー、医薬品の配送、クリーニングの受け渡しなど幅広い用途での利用が期待されており、法規制の課題はあるものの市場は拡大し、2030年には2021年比23.5倍が予測されます。

【参考】本記事で使用した「2022年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」に掲載している調査対象市場

業務・サービスロボット(29品目)

医療・介護用

  • パワーアシスト・増幅スーツ
  • 手術支援ロボット
  • 紫外線照射ロボット
  • 移乗ロボット
  • 排泄支援ロボット
  • 入浴支援ロボット
  • セラピーロボット

家庭用

  • 家庭用清掃ロボット
  • 家庭用コミュニケーションロボット
  • スマートスピーカー

オフィス・店舗用

  • 業務用コミュニケーションロボット
  • テレプレゼンスロボット
  • 自律型受付案内ロボット
  • 業務用清掃ロボット
  • 業務用セキュリティロボット
  • レジロボット
  • 調理ロボット
  • 配膳ロボット
  • デリバリーロボット(施設内)
  • 米飯盛り付けロボット

建設、物流・搬送、レスキュー、インフラ、農業用

  • 自動建設ロボット
  • 無人建機
  • レスキューロボット
  • インフラ点検ロボット
  • ドローン・無人ヘリ
  • AGV
  • デリバリーロボット(屋外用)
  • 無人農業機械
  • 自動収穫ロボット

AI・人工知能/RPA(4品目)

  • 疾病診断支援ロボット
  • コールセンター支援ロボット
  • 金融ロボット
  • RPAソリューション

◆本記事は「2022年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。