株式会社富士キメラ総研は、SDGsへの対応、ESGの取り組みが重要視され、環境対応素材ニーズの高まりとともに、採用が増えているバイオケミカル・脱石油化学製品の世界市場について調査しました。その結果を「2022年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望」にまとめました。
この調査では、既存の石油化学工業から脱却し、化学産業全体のカーボンニュートラルを実現する、バイオケミカル・脱石油化学製品として、バイオ化学品、バイオポリマー、リサイクルポリマー、バイオ燃料の4分野・48品目の市場動向を明らかにしました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2022年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.バイオケミカル・脱石油化学製品の世界市場
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2021年 |
2025年予測 |
2021年比 |
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バイオ |
652.1万トン |
812.8万トン |
124.6% |
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バイオ |
427.1万トン |
540.2万トン |
126.5% |
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リサイクル |
605.0万トン |
810.0万トン |
133.9% |
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バイオ |
1億2,434.4万トン |
1億4,158.5万トン |
113.9% |
バイオ化学品は、新型コロナウイルス感染症の影響で市場の伸びが一時的に鈍化しましたが、2021年以降は再び順調に拡大しています。2023年以降はエチレンや乳酸などが生産増強や参入メーカー増加により、市場は拡大すると予想されます。
バイオポリマーは、環境対応ニーズの高まりやシングルユースプラスチックの制限による石油化学製品(以下、石化品)からの代替需要から大幅に市場拡大するとみられます。新型コロナの影響により自動車の生産台数が減少したことで、自動車用途のウエイトが高い品目は2020年に縮小しましたが、自動車生産台数の回復により、2022年以降は増加していくとみられます。イソソルバイドPCやフラン樹脂などは、新規用途の開拓で需要増加が期待されます。バイオPEやバイオPP、バイオSAPなどでは、マスバランス方式の採用が増加し、伸びが予想されます。
リサイクルポリマーは、大手飲料メーカーや消費財メーカーがボトルや包装材料へのリサイクル樹脂の配合率をケミカルリサイクルも含めて2025年までに25%、2030年までに30%から50%に増やす方針を発表したことから採用が増えています。各地域・国でも独自にリサイクル樹脂の採用比率の目標を立てており、特にMR-PETの需要が大きく、市場をけん引していくと予想されます。また、その他に家電や自動車での採用が増えており、今後欧米を中心に採用増加が期待されます。
バイオ燃料は、すでに1億トンを超える市場となっています。バイオエタノールは、自動車用燃料として米国やブラジルで使用義務があり需要が増えているほか、今後はインドなど新興国を中心に需要増加が期待されます。BDF(バイオディーゼル)は米国や東南アジアでの利用推進政策により拡大しています。バイオジェット燃料は、欧州の大手航空会社を中心に採用が増えており、今後、IATA(国際航空運送協会)でバイオジェット燃料の使用目標が定められることや生産設備の新増設が相次ぐことから、市場が拡大していくとみられます。
2.バイオポリマー・リサイクルポリマーの用途別世界市場(2021年数量ベース)
ボトル類の需要が最も多いです。中でも飲料用PETボトルなどに使用されるMR-PETの割合が高く、ボトル類需要の約60%を占めています。大手飲料メーカーは石化由来PETの削減を表明しており、今後もボトル類での採用が増えるとみられます。次いで洗剤などトイレタリー関連のボトルに使用されるMR-PEが多いです。産業・工業用は、塗料や接着剤・粘着剤向けのバイオPUが最も多く、50%以上を占めています。次いでパレットなどの物流資材向けが多いMR-PPが約30%を占めています。
電気・電子は、電子基板用封止材に使用されるバイオPUが約30%と最も高いです。その他は家電やOA機器などの筐体向けが多いMR-PPが続きます。
軟包装フィルムは、レジ袋やごみ袋を中心に採用されるMR-PEが50%弱を占め、バイオPE、でんぷん系はそれぞれ17%であり、3樹脂で80%以上を占めています。食品包装での採用も多く、消費財メーカーは、包材におけるリサイクルポリマーやバイオポリマーの比率を増やすと表明しているため、軟包装フィルムのウエイトは増えるとみられます。
食品容器は、食品トレーや透明容器などの需要が多いです。MR-PETが需要の70%以上を占める他、生分解性により採用されるPLAが20%弱となっています。
自動車は、Car to CarリサイクルされたMR-PPの需要が最も多く、外装・内装ともに採用されています。次いで、CO2由来PCが外装を中心に採用されています。
ストロー・カトラリー類は生分解性ニーズが高いため、すべて生分解性ポリマーです。中でもPLAの需要が最も多く、約85%を占めています。単一樹脂での製品化はわずかであり、例えばPLAとPBSなど複数の生分解性樹脂をブレンドして使用されています。
その他は様々な用途が含まれますが、繊維や雑貨向けが多いです。
◆注目個別市場サマリー
1.PLA
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2021年 |
2025年予測 |
2021年比 |
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28.1万トン |
70.0万トン |
2.5倍 |
バイオプラスチックや生分解性プラスチック採用への意識向上により、欧州や米国、中国を中心に急激に需要が増加しています。欧州、米国、中国では食品容器のほか、ストロー・カトラリー類など、さまざまな用途で採用されています。食品容器での採用が最も多く、PETやOPSの代替品として採用が進んでいます。また、近年原油価格の高騰に伴って米国でシェールガス採掘が再び活発化しているため、シェールガス採掘用が増加するとみられます。また、3Dプリンターの溶融樹脂積層方式用のフィラメントとしてABSの代替需要を獲得している他、中国を中心に服や不織布など繊維としての採用が拡大しています。特に、服をはじめとした繊維製品から洗濯時などにマイクロプラスチックの流出が懸念されており、PLAは生分解性があることから採用が増えています。
2.バイオPE
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2021年 |
2025年予測 |
2021年比 |
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20.5万トン |
40.0万トン |
195.1% |
PEはエチレンを重合して得られる汎用樹脂です。近年はバイオマスナフサやケミカルリサイクル由来の原料から生産されたエチレンも利用され、マスバランス方式によるバイオPE市場が欧州を中心に拡大しています。
SDGsの実現やESGの取り組み、海洋汚染対策など、プラスチックに対する環境意識が高まる中、バイオ製品の採用が増加しているため需要が高まっています。レジ袋やごみ袋など軟包装フィルム用が多く、生産増強や参入メーカー増加により今後市場は大きく拡大すると予想されます。
3.バイオPP
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2021年 |
2025年予測 |
2021年比 |
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0.2万トン |
1.0万トン |
5.0倍 |
バイオマスナフサを原料に石油由来ナフサと一緒にクラッキングして得られるプロピレンを原料に生産されます。
2019年頃に一部パイロットレベルであるが生産が開始し、2021年から2022年に採用が拡大しています。日本ではファミリーマートがおにぎりのフィルムにマスバランス方式によるバイオPPを採用しています。
世界でもバイオPPの量産計画が進んでおり、原料のバイオマスナフサの供給量が増加し、参入メーカーが増えることで、市場は大幅に拡大すると予想されます。バイオPPの生産拠点が欧米であり、透明カップなどに先行して採用されています。
【参考】本記事で使用した「2022年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
バイオ化学品
- エチレン
- プロピレン
- ブタジエン・イソプレン
- メタノール
- MEG
- グリセリン
- 乳酸
- PDO
- ECH
- アクリル酸
- BG
- 1,4-BDO
- フルフラール
- HMF
- FDCA
- イタコン酸
- フェノール
- BTX
- セバシン酸
- ファルネセン
- ひまし油由来ポリオール
- リグニン誘導体
バイオポリマー
- PE
- PP
- PET・PEF
- PTT
- PA
- イソソルバイドPC
- CO2由来PC
- CO2由来PU
- SAP
- PU
- エポキシ
- PLA
- PBS
- PHA系ポリマー
- フラン樹脂
- 酢酸セルロース
- でんぷん系
- でんぷん系(ガスバリア)
- CNF
リサイクルポリマー
- MR-PE
- MR-PP
- MR-PET
- MR-PC
バイオ燃料
- エタノール
- BDF
- ジェット燃料
◆本記事は「2022年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。