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富士経済グループ 市場調査サポートサイト

水環境、エネルギーなど様々な分野で使用される膜/フィルター市場を調査。飲料水の高度処理化や、排水回収・再利用ニーズの高まりにより、水処理膜の世界市場が拡大

株式会社富士経済は、技術の進歩により、不純物を取り除く方法として薬品などを使った化学的方法や、蒸発や蒸留といった熱エネルギーの利用などから、ろ過による分離が主流となり、省エネルギーという観点から拡大していく膜/フィルターの市場を調査しました。その結果を「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2020」にまとめました。

この調査では、水環境分野8品目、大気・空質分野4品目、エネルギー分野2品目、ライフサイエンス分野3品目、工業プロセス分野3品目、計20品目の膜/フィルター市場を調査・分析しました。なお、市場は日本市場+日系メーカーの海外実績を基準とし、一部品目では世界市場も明らかにしました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2020」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2020」の全体サマリー

膜/フィルター市場【日本市場+日系メーカー海外実績】

2020年見込

前年比

2025年予測

2019年比

水環境分野

1,968億円

96.0%

2,322億円

113.3%

大気・空質分野

1,030億円

87.7%

1,108億円

94.3%

エネルギー分野

257億円

98.8%

384億円

147.7%

ライフサイエンス分野

682億円

102.6%

721億円

108.4%

工業プロセス分野

111億円

100.0%

117億円

105.4%

合 計

4,047億円

95.0%

4,652億円

109.3%

※市場データは四捨五入しています

2020年の膜/フィルターの市場は、新型コロナウイルス感染症の流行による影響を大きく受け、大気・空質分野のDPFは自動車向け、バグフィルター用ろ布は鉄鋼向けが、工業プロセス分野の膜式エアドライヤーは工作機械向けが減少し、前年比5.0%減の4,047億円が見込まれます。

水環境分野は、浄水場や海水淡水化施設、下水処理場など官需での需要が好調であり、特に海水淡水化施設は中東を中心に急増しています。世界的に環境規制強化の流れにあり、排水の高度処理や再利用化のニーズも高まっています。今後は、水資源の確保や規制対応の観点から、海外を中心に市場は拡大していくとみられます。

大気・空質分野は、新型コロナウイルス感染症流行の影響により、需要先の工場などで立ち入りが制限されたことで、フィルターの交換需要が減少し、各品目が2020年は縮小するとみられます。しかし、エアフィルターの内、HEPA/ULPAは、抗菌・抗ウイルス用の需要が高まっており、今後の市場拡大が期待されます。

エネルギーやライフサイエンス、工業プロセスなどの分野は市場が小規模ですが、エネルギー分野はフッ素系イオン交換膜の燃料電池向けで大幅な伸びが予想されます。また、ライフサイエンス分野はバイオ医薬品やバイオシミラー・ジェネリック医薬品などの需要増加により堅調に拡大していくとみられます。工業プロセス分野は5G通信やIoT、EVなどの普及により、半導体向けが好調に推移し、半導体ガスフィルターがけん引するとみられます。

◆注目個別市場サマリー

1.水処理膜の世界市場

2020年見込

前年比

2025年予測

2019年比

MF膜/UF膜

545億円

95.6%

715億円

125.4%

MBR用膜

550億円

93.5%

697億円

118.5%

RO膜/NF膜

1,174億円

92.2%

1,469億円

115.3%

合 計

2,269億円

93.3%

2,881億円

118.5%

2020年の水処理膜は、官需の海水淡水化施設や浄水場向けでは新型コロナウイルス感染症の流行による影響は軽微ですが、民需では膜の導入や交換の遅延や延期などがみられ、世界市場は前年比6.7%減の2,269億円が見込まれます。長期的には、世界的な飲料水の高度処理化や、水資源が不足している地域での排水回収・再利用ニーズの高まりにより、水処理膜の需要が増加していき、2025年には2019年比18.5%増の2,881億円が予測されます。

MF膜/UF膜

精密ろ過(MF:Micro Filtration)膜および限外ろ過(UF:Ultra Filtration)膜を対象とします。カートリッジタイプの家庭用浄水器用MF膜/UF膜は含みません。

市場は、浄水場向けなど官需が6割以上を占めています。特に海水淡水化施設でのRO膜前処理用としての採用がみられます。従来は砂ろ過方式などが一般的でしたが、RO膜の延命化などを目的にコスト増にはなるものの採用が増えています。

民需では、アジア諸国で産業用水向けが増えています。最近は膜エンジニアリングのノウハウを有するローカル企業も増えており、ユーザーへの膜処理設備の提案が増加していることも市場拡大を後押ししています。

MBR用膜

膜分離活性汚泥法(MBR:Membrane Bio Reactor)に用いられるMF膜/UF膜を対象とします。生物処理と膜処理が一体化した技術で、従来と比較し処理プロセスを短縮でき、沈殿槽なども不要で設備設置の省スペース化が可能となります。

市場は、下水処理向けが7割弱を占めています。ここ数年は下水処理に加え、産業排水の再利用化の需要が増加しており、設置スペースのコンパクト化や汚泥発生量の削減などを理由に、米国、中国、台湾などの東アジア、インド、中東などで導入が増えています。

中国では価格競争が激しくなっており、膜の低価格化が進んでいます。中国メーカーの技術も徐々に向上しており、日系をはじめとする外資系メーカーは機能面での高度化など差別化戦略が一層求められています。

RO膜/NF膜

逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜およびナノろ過(NF:Nanofiltration)膜を対象とします。

中東における海水淡水化施設の建設が急増したこともあり、市場は急拡大しています。特に施設の大型化が進んでおり、採用される膜の本数も大量になっています。民需が6割以上を占めており、一般工業用の水処理や純水製造用途での採用が多いです。近年は新興国を中心に業務用や家庭用浄水器向けも増えています。

また、中国やインドでは、排水を施設外に出さないZLD(Zero Liquid Discharge)システムの需要が増加しています。RO膜はZLDシステムの要の技術として注目されており、主要メーカーは通常のRO膜よりも耐圧性を高めた超高圧の膜の開発、商品化を進めています。

2.フッ素系イオン交換膜の世界市場

2020年見込

前年比

2025年予測

2019年比

358億円

99.4%

739億円

2.1倍

食塩水を電気分解して苛性ソーダと塩素を製造する食塩電解向けと燃料電池の電解質向けで利用されるフッ素系のイオン交換膜を対象とします。

食塩電解向けは、交換需要が9割以上を占め、市場は成熟しています。今後も一定の需要を維持しながら緩やかな拡大が予想されます。燃料電池向けは、水素社会の発展に伴うFCVの需要増加や、補助金を活用した産業・業務用コージェネレーションの導入により大幅に拡大していくとみられます。

また、水電解やレドックスフロー電池などの新規用途の開発も進められており、新たな需要創出が期待されます。

3.液体ろ過用カートリッジフィルターの市場【日本市場+日系メーカー海外実績】

2020年見込

前年比

2025年予測

2019年比

全体

703億円

98.2%

781億円

109.1%

エレクトロニクス

294億円

94.8%

361億円

116.5%

医薬・バイオ

152億円

106.3%

185億円

129.4%

※エレクトロニクス、医薬・バイオは全体の内数です

エレクトロニクス、食品・飲料、医薬・バイオ、一般工業用・その他向けで採用される液体ろ過用カートリッジフィルターを対象とします。2020年の市場は、医薬・バイオ向け以外は減少し縮小するとみられますが、長期的には医薬・バイオ向けに加え、エレクトロニクス向けがけん引し、拡大が予想されます。

エレクトロニクス向けは、2020年は新型コロナウイルス感染症流行の影響により需要が落ち込んだことで縮小するとみられます。しかし、5G通信やIoT、EVなどの普及により、堅調な伸びが予想されます。

市場をけん引している医薬・バイオ向けは、バイオ医薬品市場の拡大とバイオ医薬品の培養・精製・製剤化におけるシングルユース需要の増加が拡大要因の一つとなっています。また、ワクチン製剤向けも新型インフルエンザなどの流行に備えた動きが広がっていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行が、さらなる伸びを後押しすると予想されます。

【参考】本記事で使用した「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2020」に掲載している調査対象市場

膜/フィルター市場

水環境分野

  • 精密ろ過膜(MF膜)/限外ろ過膜(UF膜)
  • MBR用膜
  • 逆浸透膜(RO膜)/ナノろ過膜(NF膜)
  • 脱気膜
  • 活性炭フィルター
  • 液体ろ過用カートリッジフィルター
  • 焼結金属フィルター
  • 炭化水素系イオン交換膜

大気・空質分野

  • エアフィルター(粗塵、中・高性能、HEPA/ULPA)
  • ケミカルフィルター
  • バグフィルター用ろ布
  • DPF(Diesel Particle Filter)

エネルギー分野

  • フッ素系イオン交換膜
  • アルコール脱水膜

ライフサイエンス分野

  • 透析膜(ダイアライザー)
  • 食品・医薬プロセス用膜
  • ウイルス除去フィルター

工業プロセス分野

  • 半導体ガスフィルター
  • 膜式エアドライヤー
  • 酸素・窒素富化膜

膜/フィルター構成部材

  • ROベッセル
  • RO膜支持体

◆本記事は「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2020」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。