株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響から家庭内調理や家飲みでの需要を取り込み伸びている畜肉加工品や、市販用は伸長するも業務用が外食業態の不調により減少している農産加工品、水産加工品、乳油製品の市場を調査しました。その結果を「2021年 食品マーケティング便覧 No.6」にまとめました。
この調査では、農産加工品27品目、畜肉加工品12品目、水産加工品20品目、乳油製品15品目合計4カテゴリー74品目の市場の現状を把握し、将来を予想しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021年 食品マーケティング便覧 No.6」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021年 食品マーケティング便覧 No.6」の全体サマリー
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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農産加工品 |
1兆2,677億円 |
98.5% |
1兆2,621億円 |
99.6% |
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畜肉加工品 |
8,279億円 |
101.4% |
8,377億円 |
101.2% |
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水産加工品 |
8,529億円 |
96.4% |
8,637億円 |
101.3% |
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乳油製品 |
6,694億円 |
96.6% |
6,863億円 |
102.5% |
農産加工品では、キムチや納豆による免疫力向上の効果への期待がメディアで報道され需要が急増しているほか、はるさめが内食需要の高まる中で鍋やサラダ以外のメニューへ用途が広がったことで好調です。しかし市場規模が大きい漬物や豆腐、冷凍野菜が外食業態の落ち込みを受けて業務用が不調なためマイナスとなり、市場は縮小するとみられます。
畜肉加工品では、汎用性の高いベーコンの好調が続いていることや内食需要の高まりから近年頭打ち感がみられていたハム類が伸びています。ソーセージ類は家庭での使用量の増加を背景に大容量を中心に増えており、焼豚はおつまみのほかラーメンや炒飯の具材としての需要が増えています。また、やきとり缶詰は家飲み需要を取り込み伸びるなど、市場はプラスになるとみられます。
水産加工品では、健康意識の高まりにより風味かまぼこが好調を維持して水産練製品をけん引しています。水産缶詰・パウチは家庭内調理の増加によってツナ加工品が伸長する一方、青魚缶詰・パウチは喫食頻度の増加につながらず、市場規模の大きいのりは構成比の高い業務用の低迷が響き減少していることから、市場は縮小するとみられます。
乳油製品では、プロセスチーズやナチュラルチーズは市販用で製菓や料理などの調理用途で家庭内需要を獲得しており伸びていますが、生クリームは外食店や洋菓子店向けで減少していることから、市場は縮小するとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.キムチ
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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733億円 |
110.1% |
748億円 |
102.0% |
2018年はキムチに含まれる乳酸菌が大腸の老化防止につながる点や簡便に食物繊維を摂取可能できる点がメディアで取り上げられたことにより、需要が増加し、市場は拡大しました。2019年も引き続きメディアに取り上げられたことにより、市場は前年を上回りました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行に関連して、キムチの摂取により免疫力向上が期待できることが報道され、注目度が高まったことから需要が急増し、市場は拡大するとみられます。
豚キムチやキムチ鍋といったメニューの調理具材としての需要が高いことや、臭いへの懸念もあって用途や食シーンが限られていましたが、購買者の定着とともに、食シーンの多様化が進むとみられ、2021年の市場は拡大すると予想されます。
2.納豆
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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1,422億円 |
105.5% |
1,430億円 |
100.6% |
2018年はTV番組で"納豆の栄養素が血管や骨の老化を防ぐ"と放送されたことで需要が増加し、高伸長となりました。2019年は前年の高い伸びの反動もみられましたが、「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ」(Mizkan)が好調となり、市場は微増となりました。
2020年は、業務用はホテルなど宿泊施設や外食、給食向けなどの需要が低下していますが、市販用は"納豆は免疫力アップが期待できる"とメディアで取り上げられたほか、緊急事態宣言の発出に伴う外出自粛により在宅時間が増加し内食が増えたことが追い風となり好調なため、市場はプラスになるとみられます。
2021年は内食の需要は高止まりしますが、さらなる上乗せは厳しいとみられるため、市場は微増が予想されます。消費者の健康志向がこれまで以上に高まっており、今後は味や機能面などさらなる付加価値による差別化が進むとみられます。
3.はるさめ
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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165億円 |
114.6% |
158億円 |
95.8% |
2018年は、鍋や韓国料理などの食頻度が増加しており、上位企業の積極的な販促活動も行われ、市場は拡大しました。2019年は鍋以外のサラダメニューなどに用途が広がり需要が増えたため、市場は引き続きプラスとなりました。
2020年は巣ごもり需要を獲得し定番メニュー以外の用途拡大がさらに進んだことや小麦系のめんよりも低カロリーなイメージがあることから"コロナ太り"対策として好調であり、市場は大幅に拡大するとみられます。
保存期間も長く、使い勝手の良い食材として利便性が再認識されたことで、安定した需要は続くとみられます。2021年の市場は前年の反動減が想定されますが、家庭内調理における利用が進むことから、2022年以降は拡大が予想されます。
4.やきとり缶詰
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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38億円 |
115.2% |
38億円 |
100.0% |
おつまみ需要や備蓄需要などを取り込み市場は拡大しています。2019年は台風などによる備蓄需要の増加やビールメーカーの販促強化の一環で伸びるなど、市場は大幅に拡大しました。
2020年は上位企業のプロモーション強化に加えて、家飲みのおつまみとして需要が増加しているため、市場はさらに拡大するとみられます。
家飲み需要の増加により、2022年以降市場は微増が続くとみられます。
5.ツナ加工品
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2020年見込 |
前年比 |
2021年予測 |
前年比 |
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798億円 |
101.0% |
801億円 |
100.4% |
料理具材としておにぎりやパン、サラダなど幅広い用途で使われ大きな市場を形成してきました。市販用が市場の8割以上を占めますが、調理頻度の減少や簡便な調理品などへのシフトに加えて、不安定な原料事情を受けた販促控えの影響などから伸び悩みが続きました。2019年は前年のサバ缶ブームによって奪われた需要の回復がみられたほか、上位企業による販売強化が需要喚起につながり、市場はプラスとなりました。
2020年は家庭での調理機会の増加に伴って、汎用性の高い料理具材として需要を獲得し、市場はプラスとなるとみられます。
今後も新しい生活様式の定着が追い風となり、安定した需要が続くことで、市場は微増すると予想されます。また、近年は原料価格の安いカツオを使用した商品が好調なことから、消費者の価格志向がさらに強まるとみられます。
【参考】本記事で使用した「2021年 食品マーケティング便覧 No.6」に掲載している調査対象市場
農産加工品
- 漬物
- キムチ
- 煮豆
- 納豆
- 凍豆腐
- 豆腐
- 豆腐加工品
- 味付油揚げ
- こんにゃく
- なめ茸茶漬類
- 山菜加工品
- 味付けメンマ
- はるさめ
- 加工ごま
- ジャム類
- スプレッド類(市販用)
- 素材系トマト
- サラダ類
- 素材缶詰
- 果実缶詰・パウチ
- 冷凍野菜
- ポテト加工品
- 素材系ミックス・市販用
- 冷凍果実(市販用)
- はちみつ(市販用)
- こんにゃく米
- こんにゃく・豆腐めん
畜肉加工品
- ハム類
- ベーコン
- 生ハム
- ソーセージ類
- ドライソーセージ
- サラダチキン(市販用)
- 焼豚
- 焼肉類
- コンビーフ類
- 食肉加工品缶詰・パウチ
- やきとり缶詰
- おつまみ缶詰
水産加工品
- 魚肉ハム・ソーセージ
- 水産練製品
- 風味かまぼこ
- ちくわ
- パックおでん
- のり
- 韓国のり
- 海苔佃煮
- 昆布佃煮
- かつおパック
- 塩辛
- もずく酢
- めかぶ
- スモークサーモン
- 水産缶詰・パウチ
- 青魚缶詰・パウチ
- ツナ加工品
- 辛子明太子
- 鮭フレーク(市販用)
- 乾燥わかめ(市販用)
乳油製品
- バター
- 市販用マーガリン類
- 業務用マーガリン類
- プロセスチーズ
- ナチュラルチーズ
- クリームチーズ
- カマンベールチーズ
- チーズフード
- チーズフォンデュ
- チーズスプレッド
- 市販用チーズ
- 生クリーム
- コーヒー用クリーム
- ポーションクリーム
- インスタントクリーミーパウダー
◆本記事は「2021年 食品マーケティング便覧 No.6」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。