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熱制御・放熱部材の世界市場を調査。自動車の電装化・電動化や5G通信機器の普及で需要が増加

株式会社富士経済は、電装化・電動化が進展する自動車分野や5G通信の商用化が本格的に開始された通信分野で需要が高まる熱制御・放熱部材の世界市場を調査し、その結果を「2021年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」にまとめました。

この調査では、放熱部材21品目、放熱フィラー5品目の市場を調査・分析したほか、インバーターやECU、LiBといった車載電装部品やスマートフォン、通信基地局など注目用途における需要動向を捉えることで、将来を展望しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「2021年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」の全体サマリー

熱制御・放熱部材の世界市場

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

TIM

9億5,070万ドル

111.1%

13億1,790万ドル

154.0%

放熱基板

9億1,360万ドル

110.0%

12億5,170万ドル

150.7%

放熱絶縁板

9,070万ドル

116.7%

1億6,300万ドル

2.1倍

その他
放熱部材

12億2,480万ドル

114.1%

15億9,830万ドル

148.9%

合 計

31億7,980万ドル

112.1%

43億3,090万ドル

152.6%

Thermal Interface Material(TIM)

2020年の市場は前年比12.6%増の8億5,560万ドルとなりました。放熱シートが約4割、放熱ギャップフィラーが約3割を占め、市場をけん引しています。特に、放熱ギャップフィラーの伸びが大きく、2024年には放熱シートの市場規模を上回るとみられます。今後も放熱シートと放熱ギャップフィラーがけん引するとともに、車載電装用途や5G通信機器用途で、液状TIMでは放熱グリースが、シート状TIMではフェイズチェンジシートなどが伸びるとみられます。

放熱基板

放熱基板は、自動車、産業分野向けパワーモジュールや自動車用LEDヘッドランプ用途がけん引し、市場拡大してきましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大でそれら向けの需要が停滞したことから前年比1.4%減の8億3,050万ドルとなりました。2021年は需要が回復に向かうことから市場は拡大に転じるとみられます。今後は自動車の電装化や産業分野における投資拡大を背景に市場は堅調に伸長し、2023年には10億ドルに達すると予測されます。

放熱絶縁板

2020年の市場は前年比20.7%増の7,770万ドルとなりました。自動車分野において窒化ケイ素白板や放熱絶縁シートの需要が増加しており、市場は拡大しています。特に、窒化ケイ素白板はHVなどの車載用パワーモジュール用途で需要が増加し、今後も採用車種の拡大が期待されることから高い伸びで推移するとみられます。市場は二桁伸長を続け、2025年には2020年比2.1倍の1億6,300万ドルが予測されます。

その他放熱部材

2020年の市場は、新型コロナの影響により主にスマートフォンなどで採用されるグラファイトシートなどが縮小しましたが、スマートフォン用途でベーパーチャンバーの販売実績が大幅に増加したことからマイナスをカバーし、前年比25.6%増の10億7,350万ドルとなりました。伸びは鈍化しますが、ベーパーチャンバーは2021年以降も市場をけん引していくとみられます。バッテリー冷却プレートはxEVの生産拡大および搭載率の上昇に伴い需要は大幅に増加し、2025年に向けて高い伸び率が予想されます。

◆注目個別市場サマリー

1.放熱シート

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

3億8,600万ドル

114.4%

4億5,420万ドル

134.6%

シリコーン樹脂などの有機系バインダーに高熱伝導性を有するフィラー(無機系粉末)を高充填したシート状の放熱材料を対象とします。シート状であるため液状のように塗布量を管理する必要がなく、所望の箇所に貼り付けるだけで良いため作業性に優れています。

2020年は、主用途である通信機器、自動車など応用製品市場が縮小したことから6月頃まで苦戦しましたが、下期以降需要の回復がみられたことから前年比19.0%増の3億3,740万ドルとなりました。2021年以降は5G通信機器用途や車載電装用途などにおいて熱対策の需要が増加することから市場拡大が予想されます。

2.放熱ギャップフィラー

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

2億9,630万ドル

115.3%

5億4,210万ドル

2.1倍

有機系バインダーに高熱伝導性フィラー(無機系粉末)を高密度に充填した液状の放熱材料を対象とします。液状であるためシートを挿入できない複雑な形状の箇所にも使用できます。

2020年は、車載電装用途などにおいて放熱シートや放熱グリース、放熱接着剤など他のTIMから切り替えが進んだことにより需要を獲得し、市場は二桁増となりました。また、通信機器用途も近年販売が増加しており、応用製品における熱対策への需要増加に伴い今後も伸長するとみられます。

2021年以降も高い伸びで推移し、2025年には2020年比2.1倍の5億4,210万ドルが予測されます。自動車分野の中でも、特に自動運転・ADAS関連機器やドメイン型ECU用途において高熱伝導率品への需要が大きいです。さらなる市場拡大のためには熱伝導率の向上が課題となっています。

3.窒化ケイ素ベース回路基板

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

6,540万ドル

130.8%

2億1,730万ドル

4.3倍

窒化ケイ素(Si3N4)基材にアルミ箔や銅箔を形成した金属張積層板にエッチングで回路パターンを形成した基板を対象とします。窒化ケイ素は耐熱衝撃抵抗性に優れた性質を有しています。

日系自動車メーカー向け車載用パワーモジュール用途の需要が主でしたが、海外自動車メーカーで採用が広がっているほか、近年では窒化アルミベース回路基板からの切り替えが進んでいることから市場は拡大しています。日本では産業機器や電鉄用パワーコンディショナー用途でも使用されており、引き続き安定した需要が予想されます。また、2022年には欧州自動車メーカーが駆動用インバーターモジュールに採用を予定していることから海外需要が大幅に増加し、今後は海外を中心に市場拡大するとみられます。

4.べーパーチャンバー

2021年見込

2020年比

2025年予測

2020年比

6億880万ドル

121.8%

7億2,950万ドル

146.0%

ベーパーチャンバーは、液体の温度変化および蒸発・凝縮による熱移動により大量の熱輸送を可能とする板状の部材です。スマートフォンなどのモバイル端末に使用される厚さ0.4mm以下の薄型ベーパーチャンバーと、産業機器や通信機器、自動車用途などで使用される厚さ1.0mm以上の大容量ベーパーチャンバーに大別されます。

2019年にSamsung El.社の「Galaxy S10」に採用されたことを契機に、厚さ0.4mm以下の薄型ベーパーチャンバーを中心として本格的に市場が立ち上がりました。2020年はスマートフォン用途で厚さ0.4mm以下の薄型ベーパーチャンバーの販売実績が伸長したほか、厚さ1.0mm以上の大容量ベーパーチャンバーも新型コロナの影響による巣ごもり需要によりPC用途が好調だったことから市場は前年比2.2倍の4億9,980万ドルとなりました。2021年以降、伸びは鈍化しますが、引き続きスマートフォン用途がけん引する形で市場拡大するとみられます。

【参考】本記事で使用した「2021年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」に掲載している調査対象市場

放熱部材市場

  • 放熱シート
  • フェイズチェンジシート
  • 放熱両面テープ
  • 放熱グリース
  • 放熱ギャップフィラー
  • 放熱接着剤放熱樹脂基板
  • アルミベース回路基板
  • 銅ベース回路基板
  • アルミナベース回路基板
  • 窒化アルミベース回路基板
  • 窒化ケイ素ベース回路基板
  • 窒化ケイ素白板
  • 放熱絶縁シート
  • グラファイトシート
  • ヒートシンク
  • 金属セラミックス複合材料(MMC)
  • ベーパーチャンバー
  • 熱伝導樹脂
  • 封止材
  • バッテリー冷却プレート

放熱フィラー市場

  • 低ソーダアルミナ(放熱フィラー用)
  • 球状・丸み状・多面体アルミナ(放熱フィラー用)
  • 窒化アルミ(放熱フィラー用)
  • 窒化ホウ素(放熱フィラー用)
  • 炭素繊維(放熱フィラー用)

用途市場

  • スマートフォン
  • 自動車(インバーター)
  • 自動車(ECU)
  • 自動車(LiB)
  • 通信基地局
  • サーバー

◆本記事は「2021年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。