株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、来店客数が減少している外食産業の市場を調査し、その結果を「外食産業マーケティング便覧 2020 No.2」にまとめました。
この調査では、料飲店、ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理、日本料理、東洋料理、エスニック料理、宿泊宴会場の8カテゴリー71業態の市場について現状を調査し、将来を予想しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「外食産業マーケティング便覧 2020 No.2」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「外食産業マーケティング便覧 2020 No.2」の全体サマリー
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2019年 |
2020年見込 |
2019年比 |
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料飲店 |
5兆2,922億円 |
3兆1,160億円 |
58.9% |
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ファミリー |
1兆2,729億円 |
9,869億円 |
77.5% |
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喫茶 |
1兆4,878億円 |
1兆1,122億円 |
74.8% |
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西洋料理 |
9,197億円 |
6,996億円 |
76.1% |
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日本料理 |
2兆5,919億円 |
1兆9,271億円 |
74.4% |
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東洋料理 |
1兆4,247億円 |
1兆1,001億円 |
77.2% |
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エスニック料理 |
1,448億円 |
1,247億円 |
86.1% |
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宿泊宴会場 |
3兆8,855億円 |
2兆4,296億円 |
62.5% |
料飲店は、若者の酒離れや宴会需要の低迷から店舗数が減少し、市場縮小が続いています。2020年は、改正健康増進法による原則屋内禁煙化や、新型コロナウイルス感染症の影響により来店客数が減少していることなどから、市場は大幅に縮小するとみられます。
ファミリーレストランは、2019年から上位チェーンが店内を禁煙にした影響や人手不足による営業時間の短縮などにより市場は縮小しました。2020年は、各チェーンが短縮営業や休業を余儀なくされています。一部チェーンでは、テイクアウトやデリバリーを強化することでユーザーの獲得を図っていますが、市場の大幅縮小が予想されます。
喫茶は、2019年は主力業態であるコーヒーショップが上位チェーンの店舗数増加や、高付加価値商品の発売により客単価が上昇したことから伸長し、市場は拡大しました。2020年は、新型コロナウイルス感染症や原則屋内禁煙化の影響を受け市場は縮小するとみられます。
西洋料理は、2019年は上位チェーンの不調によりステーキ・ハンバーグレストランの伸びが鈍化したものの、ドイツ料理が前年以上に伸長したほか、プレミアムハンバーガーやカフェレストランが好調だったため市場は拡大しました。2020年は、短縮営業や休業が影響し、市場の縮小が予想されます。
日本料理は、そば・うどん、すきやき・しゃぶしゃぶ、とんかつなどの主力業態の客数の減少に伴い市場の縮小が続いています。2020年は、接待・宴会のキャンセルが相次いでいる料亭・割烹は特に減少幅が大きくなると予想されます。
東洋料理は、2019年はテーブルオーダーバイキング形式の焼肉料理が伸び市場が拡大しました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により市場の縮小が予想されます。
エスニック料理は、2019年は上位チェーンが安定した実績を残したほか、東南アジア料理に含まれるベトナム料理の注目度が高まり市場は拡大しました。2020年は各チェーンとも営業体制を縮小しています。テイクアウトやデリバリーを強化する動きもありますが、市場は縮小するとみられます。
宿泊宴会場は、ホテルの開業ラッシュとインバウンド需要の増加で2019年まで市場の拡大が続いていましたが、2020年は入国制限や結婚披露宴などの宴会の自粛に加え、東京五輪の開催延期によって打撃を受けており、市場は縮小するとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.居酒屋・炉端焼
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2019年 |
2020年見込 |
2019年比 |
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居酒屋・炉端焼 |
1兆6,058億円 |
1兆1,715億円 |
73.0% |
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高価格型居酒屋 |
1,007億円 |
669億円 |
66.4% |
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低価格型居酒屋 |
2,130億円 |
1,577億円 |
74.0% |
※高価格型居酒屋、低価格型居酒屋は居酒屋・炉端焼の内数です
居酒屋・炉端焼は和食をメインとした幅広いメニュー、または、やきとりや刺身、串カツなどの和食メニューを販売する業態を対象とします。提供形態はテーブルサービス、スタンディングによるセルフサービス(立ち飲み)、カウンターサービスがあります。
2019年は、上位チェーンでは不採算店舗の整理や業態転換などでトータル店舗数が減少したところが多く、上位以外では倒産や閉店も増加しました。また、台風による一時休業や、10月1日からの消費税増税による消費低迷の影響もあり、市場は縮小しました。2020年は、宴会需要の低迷や若年層の酒離れが続いていることに加え、4月1日施行の改正健康増進法により原則屋内禁煙化となり、上位チェーンでは一部店舗に喫煙室を設置するなどの対策が講じられていますが、喫煙客の需要は減少が予想されます。また、新型コロナウイルス感染症の影響で来店客数が減少したことや、緊急事態宣言の発令に伴う酒類提供の自粛により、上位チェーンの多くは休業や短縮営業を余儀なくされたことで、市場は縮小するとみられます。
高価格型居酒屋は客単価3,800円以上、7,000円未満を対象とします。
2019年の市場は、宴会離れや消費税増税による消費低迷の影響を受け縮小しました。2020年は、緊急事態宣言下で上位チェーンは休業する店舗が多く、低価格型居酒屋などが導入したテイクアウトやデリバリーの展開も調査時点ではほとんどみられなかったことから、ほかの居酒屋業態に比べて縮小幅も大きくなります。
低価格型居酒屋は客単価2,400円未満を対象とします。
2019年の市場は、上位チェーンの閉店や消費税増税による消費低迷などマイナス要因はありましたが、「鳥貴族」の売上回復や、中高価格型の「ワタミ」が低価格型の「ミライザカ」への業態転換の進展によりプラスに転じました。2020年は、宴会需要の低迷に対して早期予約の割引など特典やキャンペーンを実施するなど対策を講じていましたが、3月以降は休業する店舗が増加したことで、市場は縮小するとみられます。一部チェーンでは、デリバリーやテイクアウトを開始するなどの動きがみられます。
2.焼肉料理
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2019年 |
2020年見込 |
2019年比 |
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5,677億円 |
4,901億円 |
86.3% |
2019年の市場は、一部の企業は苦戦しましたが、郊外ロードサイド店を中心に成長している企業がけん引したため拡大しました。2020年は、引き続き郊外ロードサイド店を展開する企業の好調が期待されていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により休業が相次ぎ、ディナーを中心に客数が減少したため市場の縮小が予想されます。ただし、焼肉料理はファミリー需要が高く、郊外ロードサイド店を中心に需要は回復するとみられます。
3.餃子専門店
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2019年 |
2020年見込 |
2019年比 |
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1,689億円 |
1,531億円 |
90.6% |
2019年の市場は、上位チェーンの積極的な販促と、関東を中心に成長を続けている「ぎょうざの満州」や「NATTY SWANKY」が出店エリアを広げて実績を伸ばしたことから拡大しました。2020年は、テイクアウトにより2月までは好調なチェーンも多かったですが、3月以降は新型コロナウイルス感染症の影響により客数が減少しており、市場は縮小が予想されます。
【参考】本記事で使用した「外食産業マーケティング便覧 2020 No.2」に掲載している調査対象市場
料飲店
- 居酒屋・炉端焼
- 高価格型居酒屋
- 低価格型居酒屋
- 串カツ・串揚げ専門店
- やきとり専門店
- ビアレストラン
- クラフトビールレストラン
- ディスコ・クラブ
- カフェバー・ショットバー
- スナック・クラブ・パブ
ファミリーレストラン(FR)
- 中高価格型総合FR
- 低価格型総合FR
- 和風FR
- イタリアFR
- 中華FR
- ステーキ・ハンバーグFR
- チャンポンFR
- バイキングレストラン
喫茶
- コーヒーショップ
- 低価格型コーヒーショップ
- 高価格型コーヒーショップ
- 喫茶店・コーヒー専門店
- 高価格型喫茶店・コーヒー専門店
- 紅茶専門店
- フルーツパーラー
- 甘味処
- ジューススタンド
- ティースタンド・カフェ
西洋料理
- フランス料理
- イタリア料理
- 高級イタリア料理
- パスタレストラン
- アメリカ料理
- プレミアムハンバーガー
- ドイツ料理
- スペイン料理
- ステーキ・ハンバーグレストラン
- シーフードレストラン
- オイスターバー
- オムレツ・オムライスレストラン
- カフェレストラン
- ワイン酒場
日本料理
- そば・うどん
- そば居酒屋
- すし
- うなぎ
- てんぷら
- とんかつ
- すきやき・しゃぶしゃぶ
- 料亭・割烹
- 豆腐料理
- 低価格ふぐ料理
- かに料理
- もつ鍋
- お好み焼き
- 牛タン専門店
東洋料理
- 韓国料理
- 焼肉料理
- 焼肉テーブルオーダーバイキング
- ホルモン料理
- 高級中華料理
- 一般中華料理
- 点心料理
- 餃子専門店
エスニック料理
- メキシコ料理
- インド料理
- 東南アジア料理
宿泊宴会場
- ホテル
- ビジネスホテル
- 結婚式場・宴会場
- 旅館
◆本記事は「外食産業マーケティング便覧 2020 No.2」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。