株式会社富士キメラ総研は、需要が大きい容器・包装用途を中心に、脱プラスチックを背景としたバイオプラスチックやリサイクル原料を使用した環境対応の製品の採用増加、また、フィルム代替紙製品の広がりなどが注目される、プラスチックフィルム・シートの市場を調査しました。その結果を「2020年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」にまとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2020年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」の全体サマリー
1.プラスチックフィルム・シート47品目の世界市場
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2020年見込 |
2019年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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汎用樹脂 |
17兆5,174億円 |
94.4% |
18兆6,853億円 |
100.7% |
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エンプラ |
3兆2,790億円 |
93.4% |
3兆7,050億円 |
105.6% |
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環境対応 |
2兆4,120億円 |
106.8% |
2兆8,090億円 |
124.4% |
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合 計 |
23兆2,083億円 |
95.4% |
25兆1,993億円 |
103.6% |
※市場データは四捨五入しています
食品容器・包装用途での採用増加や、自動車や産業機器などの生産台数の伸びに伴う需要増加により、市場は堅調に拡大してきました。しかし、2020年は前半に新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、外食産業の営業制限や各種大型イベントが中止となったため、最大用途である食品容器・包装向けが大幅に縮小しています。また、自動車や航空機、スマートフォンなどの生産・出荷台数の減少により、関連するプラスチックフィルム・シートも連動して需要が減少しています。汎用樹脂やエンプラが大きく縮小しているため、2020年の市場は2019年比4.6%減が見込まれます。しかし、脱プラスチックの動きを背景に、PLAフィルム・シートやバイオプラスチックフィルム・シートといった環境対応の製品は需要が増えています。
2021年の市場は、2019年の水準を下回りますが、多くの品目で需要は回復するとみられます。2022年以降は、環境対応やエンプラの伸びがけん引し、市場拡大が予想されます。
新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、飛沫防止対策品であるパーティションやフェイスシールド、カーテンなどで使用される製品の需要が増えています。パーティション用途では、透明性や美観性に優れ、高硬度で傷がつきにくいPMMAシートの需要が高まっています。また、PMMAシートの需給ひっ迫によりPETプレートも代替需要を獲得しています。フェイスシールド用途では、比較的安価なPETフィルムやA-PETシートが、銀行や小売店などで多く使用されています。カーテン用途では、PVCフィルムなどが採用されています。
PPフィルムはマスクやウェットティシュなどの衛生用品や食品包装用途で一時的に需要が高まりました。また、アルコール消毒液耐性を有するPVDFフィルムは、建材分野で内装用途を中心に需要が増えています。
2019年から2023年の品目別CAGRランキング
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品目 |
2019年-2023年 |
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1 |
フィルム代替紙製品 |
111.5% |
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2 |
PLAフィルム・シート |
18.2% |
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3 |
生分解性プラスチックフィルム・シート |
14.0% |
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4 |
LCPフィルム |
6.9% |
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5 |
バイオPEフィルム |
6.8% |
フィルム代替紙製品は脱プラスチックの動きから大幅な需要増加が予想されます。PLAフィルム・シートは環境意識の高まりにより、北米や欧州を中心に弁当容器などで採用が増えます。生分解性プラスチックフィルム・シートやバイオPEフィルムは欧州を中心にレジ袋向けの伸びが期待されます。LCPフィルムは5G通信の普及に伴う高周波対応部材での需要が増えるとみられます。
2.プラスチックフィルム・シート50品目の国内市場
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2020年見込 |
2019年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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汎用樹脂 |
1兆1,289億円 |
93.8% |
1兆1,327億円 |
94.2% |
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エンプラ |
4,089億円 |
94.7% |
4,487億円 |
104.0% |
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環境対応 |
1,887億円 |
100.4% |
2,054億円 |
109.3% |
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合 計 |
1兆7,264億円 |
94.7% |
1兆7,867億円 |
98.0% |
※市場データは四捨五入しています
※リサイクルPETフィルム・シートは、PETフィルム(包装用)、PETフィルム(工業用・その他)A-PET・O-PETシートの内数であるため、一部数値が重複しています
2019年は、フードロス削減の動きに対応したCVSや量販店の取り組みにより、食品包材の使用量減少や薄肉化などが進んだため、60%以上を占める汎用樹脂の需要減少が影響し、国内市場は2018年比1.9%減となりました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行により、外食関連の包材をはじめ、自動車や航空機、建材などに関連するフィルム・シートの需要が軒並み減少しており、市場は2019年比5.3%減が見込まれます。2021年以降、需要は回復に向かいますが、感染症の収束に時間を要するほか、フードロス削減やレジ袋有料化などの環境対策により、構成比の高い汎用樹脂の需要が低迷するため、2023年の市場は2019年比2.0%減が予測されます。一方、環境負荷の低減を目的に採用が進むバイオプラスチックフィルム・シートやフィルム代替紙製品などの環境対応の製品は堅調な伸びが期待されます。
◆注目個別市場サマリー
1.フィルム代替紙製品
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2020年見込 |
2019年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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世界市場 |
36億円 |
5.1倍 |
140億円 |
20.0倍 |
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国内市場 |
8億円 |
4.0倍 |
42億円 |
21.0倍 |
※国内市場は世界市場の内数です
環境問題への対応で脱プラスチックの動きが強まっており、プラスチックフィルムの代替素材として紙が注目されています。中でも、ヒートシール紙とバリア紙の製品化が進んでいます。ヒートシール紙は紙基材にヒートシール層が塗工されており、主に二次包装として利用されています。バリア紙は紙基材にバリアコート層が塗工され、一次包装でバリアフィルムの代替として採用されています。
紙包材は、フィルム系包材と比べて、価格面以外にも見た目やしわになりやすい点など課題はありますが、フィルム代替として需要は急増しています。特に、レジ袋や食品包材など、使い捨てプラスチックの代替として伸びています。
以前から技術的に製品化が可能でしたが、コスト面の課題や需要動向により、2017年頃までは本格的な製品展開はみられませんでした。脱プラスチックの動きを受けて、2019年に大手食品メーカーが粉末飲料や菓子類の包材にヒートシール紙を採用するなど、市場は本格的に立ち上がり、2020年は36億円の市場が見込まれます。
現状、PETフィルムやOPPフィルムなどの各種フィルム代替として、ヒートシール紙の使用が中心です。今後、バリア性が不要なフィルムの代替需要が増えるとみられます。バリア紙はチョコレートなどの一部菓子類の包材として採用されていますが、価格面やバリア性の向上などが課題となっています。
2.PLAフィルム・シート
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2020年見込 |
2019年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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世界市場 |
556億円 |
120.9% |
897億円 |
195.0% |
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国内市場 |
19億円 |
100.0% |
21億円 |
110.5% |
※国内市場は世界市場の内数です
PLA(ポリ乳酸)は植物由来の生分解性プラスチックであり、フィルム・シートは主に食品用途の容器・包装で使用されています。特に、シートがサラダ容器やフルーツ用カップ、鶏卵用パックなどで採用が増えています。
環境意識の高まりにより、石油プラスチックの代替需要が増加しています。特に、欧州や北米での需要が高いです。欧州では2021年から食器やストローなどで使い捨てプラスチックの使用が禁止となるため、PLAへの切り替えが進んでいます。また、韓国では大手コーヒーショップチェーンが食品包材として採用しています。
需要が急増しているため、原料供給がタイトになっており、大口ユーザー向けに供給が集中する傾向がみられます。原料メーカーの生産設備の増強により供給が安定するのは2022年から2023年頃になりますが、当面は年率15%以上の市場拡大が期待されます。
国内ではプラスチック資源循環戦略の数値目標に沿ってバイオプラスチックの採用が進むため、PLAについても脱プラスチックの動きを背景に市場拡大が期待されます。
【参考】本記事で使用した「2020年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」に掲載している調査対象市場
汎用樹脂フィルム・シート
- PVCフィルム
- 硬質PVCプレート
- PE系フィルム
- PPフィルム
- PP系シート
- PO系フィルム
- PSフィルム
- HIPSシート
- OPSシート
- PVAフィルム
- EVOH系フィルム
- EVOH系共押出シート
- PVDCフィルム
- PVDC系共押出フィルム
- EVAフィルム
- PVBフィルム
- アクリル系フィルム(光学用)
- アクリル系フィルム(その他)
- PMMAシート
- TPUフィルム・シート
- セロハン
- TACフィルム
エンプラフィルム・シート
- PAフィルム
- PCフィルム
- PCシート
- COP・COCフィルム
- PETフィルム(包装用)
- PETフィルム(光学用)
- PETフィルム(工業用・その他)
- A-PET・O-PETシート
- PETプレート
- PENフィルム
- PBTフィルム
- 超高分子量PEフィルム・シート
- PTFEフィルム・シート
- ETFEフィルム
- PVFフィルム
- PVDFフィルム
- その他フッ素フィルム(PCTFE・FEP・PFA)
- PPSフィルム
- LCPフィルム
- PIフィルム
- その他エンプラフィルム(PEEK・PEI)
環境対応フィルム・シート
- PLAフィルム・シート
- バイオPETフィルム・シート
- バイオPEフィルム
- リサイクルPETフィルム・シート
- 生分解性プラスチックフィルム・シート
- フィルム代替紙製品
- 不織布
◆本記事は「2020年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。