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除菌・消毒ケア、ヘルスケア関連用品の市場を調査。2020年のハンドソープ市場を328億円(前年比88.5%増)と推計

株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症流行により家庭用マスクやハンドソープといった除菌・消毒ケア品目では需要の急増がみられる一方、外出自粛の影響により制汗剤や洗顔料・クレンジングといったコスメタリー・パーソナルケア品目では需要の減少がみられるなど、カテゴリーによって明暗が分かれる生活用品(トイレタリーグッヅ)の国内市場を調査しました。その結果を「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2020 No.2」にまとめました。

この調査は、生活用品の市場調査シリーズ第2弾で、今回は除菌・消毒ケア用品7品目、コスメタリー・パーソナルケア12品目、ベビーケア用品3品目、フェミニンケア用品2品目、ヘルスケア用品5品目の市場を調査・分析しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2020 No.2」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2020 No.2」の全体サマリー

1.カテゴリー別市場

2019年

前年比

2020年見込

前年比

除菌・消毒ケア

1,037億円 

110.1% 

6,196億円 

6.0倍 

コスメタリー・
パーソナルケア

5,157億円 

99.6% 

5,053億円 

98.0% 

ベビーケア

1,409億円 

95.5% 

1,324億円 

94.0% 

フェミニンケア

739億円 

100.4% 

742億円 

100.4% 

ヘルスケア

1,496億円 

100.8% 

1,524億円 

101.9%

除菌・消毒ケアでは、2020年は前半から家庭用マスクの需要が爆発的に増加しました。一時は入手困難な状況でしたが、夏以降は供給が回復に向かっています。また、ウイルスの除去や通気性、冷感といった機能面だけでなく、豊富なカラーバリエーションや素材による差別化が進みファッションアイテムとして装着するユーザーも増えています。好調な需要は当面続きますが、輸入品は徐々に淘汰が進むとみられます。ウイルスブロックスプレーや除菌剤は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により認知が進み需要が急増しました。今後も認知度の向上や使用の習慣化が期待されることから、中長期的に伸長するとみられます。ハンドソープは手洗い回数が増加したことにより伸びています。手洗いが習慣化することで、今後は緩やかに伸長すると予想されます。手指消毒剤は輸入品が急増しましたが、従来から参入していたメーカーの供給体制強化により、徐々に淘汰が進むとみられます。

コスメタリー・パーソナルケアでは、2020年はスキンケア関連商品がインバウンド需要の減少や外出自粛によるメイク頻度の低下によりクレンジングを中心に縮小するとみられます。今後は"マスク荒れ"など、新たな国内需要に対応した商品投入が実績復調のポイントとなります。一方で新型コロナウイルス感染症流行の影響による所得の減少と消費マインドの低下に回復の兆しが見られないことから、需要は低価格品へのシフトがしばらく続くとみられます。ヘアケア関連商品は所得減少や消費マインドの低下により、需要が低価格品にシフトするとみられます。ボディシャンプーはプレフォームタイプの強化など、単価アップによる伸長が期待されます。ボディクリーム(含ハンドクリーム)は、手洗い・消毒回数の増加による手荒れに悩む層が急増していることから、対応商品の投入が求められています。浴用剤は在宅時間が増加したことで入浴時間も増え、炭酸タイプなどの体の疲労を和らげることを訴求した商品が好調です。汗拭きシートや制汗剤は足用など、新たな用途の提案による需要獲得が進むとみられます。

ベビーケアでは、インバウンド需要の減少に加え、国内需要についても出生率の低下による縮小が避けられませんが、乳幼児一人当たりの使用量が増加しており、高付加価値商品が好調です。

フェミニンケアでは、ナプキンの市場拡大には使用シーンや使用時の悩みに応じた商品投入による使い分け提案で購入単価アップが必要となっています。

ヘルスケアでは、2020年は大人用紙おむつの伸びが鈍化するとみられます。軽失禁ライナー・パッドは上位メーカーのてこ入れなどから伸長するとみられます。使い捨てカイロは前半の暖冬と、外出自粛に伴う使用シーン減少の影響を受けマイナスが予想されます。温熱シート・パッドは運動不足や動画視聴の増加による肩こりや目元の疲れから需要が増えています。冷却関連用品は在宅時間の増加による節電意識の高まりに加え、8月以降に天候が好転したことから伸長するとみられます。

2.アンケート調査

20歳から69歳の1,000名を対象に、新型コロナウイルス感染症流行後の生活や意識、生活用品の使用頻度、購買行動などの変化、今後の生活用品の使用意向などについて、インターネットサーベイを実施しました。

新型コロナ流行後の使用頻度変化(回答数。N=1,000/SA)

増加/
やや増加

変わらない

やや減少
/
減少

未使用

家庭用マスク

891

93

8

8

手指消毒剤

689

217

8

86

ウェットティシュ

531

387

10

72

ハンドソープ

419

517

14

50

除菌剤(台所用・汎用)

270

557

9

164

生活用品13品目に対する新型コロナウイルス感染症流行後の使用頻度の変化で、『増加(やや増加)』の回答が多かったのが「家庭用マスク」と「手指消毒剤」「ウェットティシュ」でした。それら以外の品目では「変わらない」の回答率が最も高かったです。

家庭用マスクの選択要因(回答数。N=992/SA)

重視/
やや重視

どちら
でもない

やや重視しない
/しない

価格

726

245

21

通気性、呼吸が楽

684

278

30

蒸れにくい

656

304

32

ウイルスブロック能力

650

302

40

耳が痛くない

623

331

38

家庭用マスク購入時の選択要因について、『増加(やや増加)』の回答数が最も多かったのは「価格」であり、次いで「通気性、呼吸が楽」「蒸れにくい」「ウイルスブロック能力」「耳が痛くない」の順でした。いずれの項目も、女性の回答率が高かったです。特に「通気性、呼吸が楽」「耳が痛くない」「蒸れにくい」では男女間で回答率の差が大きかったです。

ハンドソープの選択要因(回答数。N=950/SA)

重視/
やや重視

どちら
でもない

やや重視しない
/しない

洗浄力

671

258

21

価格

666

268

16

除菌力

659

268

23

使用感

588

335

27

肌荒れしにくさ

569

351

30

ハンドソープ購入時の選択要因について、『増加(やや増加)』の回答数が最も多かったのは「洗浄力」であり、次いで「価格」「除菌力」「使用感」「肌荒れしにくさ」の順でした。いずれの項目も、女性の回答率が高かったです。特に「除菌力」「使用感」「肌荒れしにくさ」では男女間で回答率の差が大きかったです。

◆注目個別市場サマリー

1.ハンドソープ

2019年

前年比

2020年見込

前年比

174億円

100.6%

328億円

188.5%

家庭での手洗いを主目的とする洗浄料を対象としました。市場は消費者の衛生意識の高まりとともに年々拡大してきました。2020年はウイルス感染予防の基本として手洗いが推奨されていることから需要が急増し、前年比88.5%増が見込まれます。上位メーカーは原材料・容器をいち早く確保し、生産体制を強化して急増する需要を取り込んでいますが、それ以外のメーカーでは生産が間に合わず取りこぼしも見られます。今後も"withコロナ"の生活習慣として手洗いが定着し、需要増が期待されます。

商品別に見ると、市場の7割以上を詰め替え用が占めています。2019年は大容量タイプの展開が強化され単価がアップしました。一方本体は、詰め替え用へのシフトが続いていますが、家庭での設置場所が増えているほか、詰め替え用とのセット販売も多く行われています。

種類別に見ると、液体はプレフォームへのシフトにより需要が減少していましたが、キッチンでの使用を提案した商品が発売され、2017年以降その減少分をカバーしています。プレフォームは泡立てが不要で簡便性が高いことから需要を獲得しています。市場の7割以上を占める主力剤型であることから、上位を中心に各メーカーが注力しています。電子式は需要が一定層にとどまっていましたが、2020年は容器に触れないで使用できる点が差別化となりユーザー層を広げています。春から夏にかけて欠品が見られましたが、秋季以降供給体制が改善したことから、大幅に伸びるとみられます。

2.大人用紙おむつ

2019年

前年比

2020年見込

前年比

801億円

103.5%

816億円

101.9%

ドラッグストアなどの一般ルートで販売されている、介護を必要とする層の排泄ケア商品を対象としました。なお、介護の必要がない層が使用する商品は「3.軽失禁ライナー・パッド」にまとめました。

市場は高齢化の進展とともに拡大しています。軽・中度の要介護者向け商品では、薄型のパンツタイプが需要を取り込んでいるほか、中・重度向け商品では機能性を向上させた様々な高付加価値商品が登場していることからシーンによる使い分けが進んでいます。

2019年も薄型のパンツタイプが需要を取り込んだほか、パッドタイプ未使用者の開拓も進み市場は拡大しました。2020年は外出自粛に伴って使用シーンが減少しているため市場の伸び幅は前年に比べて小幅となるとみられます。2021年は各メーカーともユーザー開拓施策を強化するとみられ、市場の伸びは回復に向かうと予想されます。

3.軽失禁ライナー・パッド

2019年

前年比

2020年見込

前年比

393億円

107.7%

418億円

106.4%

介護を必要とせず自身で使用する排泄ケア商品を対象としました。おりものケア付き尿漏れ用商品、軽度の便漏れ用商品も含めます。市場は商品別にライナーとパッド、パンツタイプに分け算出しています。なお、介護を必要とする層が使用する商品は「2.大人用紙おむつ」にまとめました。

市場は使用対象人口の増加と認知度向上、参入メーカーによる使用啓発により拡大しています。近年は吸収量別のラインアップが拡充されており、普段は少量失禁対応を使用し、外出時には吸収量が多いパッドやパンツを使用するなど、シーンや目的に応じた使い分けが進んでいます。

2019年は各メーカーが注力するライナーとパッドでオーガニックコットンを使用して肌へのやさしさを訴求した商品の投入や、吸収量別の商品が新たな需要を掘り起こしました。また、10月にはP&Gジャパンが新規に参入したことから、市場は活性化し拡大しました。2020年は外出自粛に伴って使用シーンが減少していますが、上位メーカーが吸収量の向上、擦れやムレの軽減、手に取ってもらいやすいパッケージデザインのリニューアルなど、引き続きてこ入れを進めているほか、P&Gジャパンの実績が通年となることから、市場は拡大するとみられます。高齢化の進展とともに使用対象人口は年々増加することなどから、2021年以降も拡大が続くと予想されます。

4.パンティライナー

2019年

前年比

2020年見込

前年比

129億円

101.6%

131億円

101.6%

おりものの吸収を主訴求とする商品を対象としました。なお、おりものケア付き尿漏れ用商品は「3.軽失禁ライナー・パッド」にまとめました。

市場は衛生意識の高まりや女性の社会進出の進展で使用する層が増加しており、堅調に推移しています。近年はおしゃれなパッケージデザインを採用した商品のほか、シートの形状や大きさ、肌触りにこだわった高付加価値商品が拡大をけん引しています。

2019年はおりものと尿もれをケアできる「ソフィ Kiyora 贅沢吸収」(ユニ・チャーム)が発売され、軽失禁ライナー・パッドを使用することに抵抗感をもつ層の需要を取り込んだほか、加齢に伴う体型の変化に対応した「サラサーティ コットン100 ワイド&ロング」(小林製薬)が発売され、年齢を重ねた女性の支持を得たことから市場が拡大しました。2020年は生活様式が大きく変わりましたが、パンティライナーを使用する機会に与える影響は小さく、また、各メーカーが引き続き若年から年齢を重ねた女性まで、幅広い層に対して使用啓発を図っていることから、市場は堅調に拡大するとみられます。

【参考】本記事で使用した「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2020 No.2」に掲載している調査対象市場

除菌・消毒ケア

  • 家庭用マスク
  • ウェットティシュ
  • 手指消毒剤
  • ウイルスブロックスプレー
  • 除菌剤
  • ハンドソープ
  • 石鹸

コスメタリー・パーソナルケア

  • 洗顔料・クレンジング
  • 化粧水・乳液
  • ヘアケア3品目
  • ボディケア5品目
  • ボディシャンプー
  • ボディローション・ミルク
  • ボディクリーム(含ハンドクリーム)
  • リップクリーム
  • サンスクリーン
  • 浴用剤
  • 汗拭きシート
  • 制汗剤

ベビーケア

  • ベビー用スキンケア
  • ベビー用紙おむつ
  • ベビー用ウェットティシュ

フェミニンケア

  • 生理用品
  • パンティライナー

ヘルスケア

  • 大人用紙おむつ
  • 軽失禁ライナー・パッド
  • 使い捨てカイロ
  • 温熱シート・パッド
  • 冷却関連用品

◆本記事は「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2020 No.2」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。